ローリング・ストーンズ、チャーリー・ワッツさんご逝去、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、夜をぶっとばせ、シーズ・ア・レインボー、ミッドナイト・ランブラー、ギミー・シェルターほか。ドラム奏法。ロック、洋楽、ジャズ。

 

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音路(51)ローリング・トライアングル【3】 永遠 ~ クラッシュ・オン・ユー
(チャーリー・ワッツさんを偲んで)



◇打つ!

前回までの二回のコラムで、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、チャーリー・ワッツという、ローリング・ストーンズの「トライアングル」のこと、ストーンズの足跡や人間ドラマのこと、チャーリー・ワッツさんのことなどを、ごく一部だけですが、自論とともに書いてきました。
今回のコラムが、チャーリー・ワッツさん追悼の三回連載の最後となります。

コラム「音路(49)ローリング・トライアングル【1】三人よれば…」


コラム「音路(50)ローリング・トライアングル【2】転がる石のごとく」


ローリング・ストーンズは、基本的にロックミュージシャンですから、その楽曲の多くが、社会批判、抵抗、反骨、不満、不安、迷い、勇気、闘争、恋愛、孤独などの内容であったりします。
まさにロック音楽ですね。

ただ私には、彼らの音楽の中に、「勇ましい闘いの中であっても、何か寂しさが漂う男…」、「社会の中で抵抗はするが、むなしく、はかない思いの中で暮らす女…」、「孤独感にさいなまれ、暗闇から抜け出せない辛さ…」、「理解し合いたいが、なかなかそうできない人間関係…」、…そんな泥臭い人間像が多く見えてきます。

ストーンズは、声高に、理想や夢を語ったりはしません。
汚れたものを汚いままに…、むしろ より汚く…。
寂しいものを寂しいままに…、むしろ より空虚に…。
もちろん、悪になりきれない不良っぽい内容のものも…。
見え難いものや、その事象の先を、聴く者にしっかりと考えさせる…、そんな楽曲が多いと私は感じます。

チャーリーの明確なドラム音は、私たちの心に、それらを、ビートとしてしっかり響かせ、伝えてくれたのかもしれません。

* * *

ローリング・ストーンズは、本当にたくさんの刺激を、世の中の人たちに与えてくれました。
まだ、完全に消滅したわけではありませんが…。

強烈なデザインの、あのベロのマークは、もちろん、ミック・ジャガーのクチと舌です。
チャーリーは、元グラフィック・デザイナーで、ストーンズのさまざまなデザイン関連にも関与しました。

ストーンズは、60年という長い歳月にわたり、音楽として、ビジュアルとして、存在として、生き方として、私たちに多くのものを届けてくれた気がします。

* * *

バンドの歴史が60年にもなると、大半のファンは、途中から、ストーンズの世界に入ってきます。
もちろん、デビュー時から現在までという筋金入りのファンも相当な数でいると思います。
ずっと聴いてはいなかったとしても、ある一定期間だけ、かなり、のめり込んだというファンもおられるでしょう。
ある年齢から、ストーンズの音楽からご無沙汰しているという方も少なくないかもしれません。

ストーンズの音楽は、どの時代からでも入りやすく、ファンそれぞれに、自身の「ストーンズ像」がありますね。
好きな楽曲も、さまざまなはずです。
とはいえ、彼らの音楽の中心は、いつの時代も、ミック、キース、チャーリーの、あの「トライアングル」のように私は感じます。

* * *

チャーリーのドラム演奏は、今現代の若い世代からすると、少し前の時代のドラム演奏に感じる人も少なくないですが、だからこそ、古代から打楽器が本来 持っている「打つ」パワーを存分に感じさせてくれたように感じます。

「打つ」は、「弾く、吹く、はじく」などとは間違いなく、別のものですね。
彼の「打つ」は、何か「音」とも違う、私たちの心を打つものだったと感じます。
誰でも、そうそう簡単に打てるものではないと感じます。

人間が人間の心を「打つ」、打楽器の奥深さを教えてくれたチャーリーだったと、私は思っています。


◇ずっと、いっしょ!

下記の動画は、1967年のストーンズです。
この2年後に、ブライアン・ジョーンズは、ストーンズを追放され、亡くなります。
帽子をかぶるブライアンも演奏する、下記の映像です。

この時代、日本の若者の夜は、ラジオの深夜放送の時代へまっしぐら…、夜はラジオといっしょ!
この曲を聴くと、深夜放送時代を思い出す方も多いはず…。

♪夜をぶっとばせ(レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー)

 

* * *

下記は、まだ無名だった女優のアンジェリーナ・ジョリーが出演したミュージック・ビデオで有名になった楽曲のライブ映像です。
紳士のチャーリーは、きっとミックに思っていたでしょう。
「ミックは、女性を見つけるのが、さすがに早いな。それにしても、女性のことを歌った歌の種類も数も多過ぎだぜ。ドラム音も、つばも出ないほど、カラッカラッに響かせてやるぜ…」。

前述の楽曲「夜をぶっとばせ」の映像の約30年後(1998年)の彼らの姿です。
♪エニバディ・シーン・マイ・ベイビー

 

* * *

キースは、60年代後期に残した、サイケ風の楽曲たちを、ストーンズの「負の遺産」という主旨の話しを、昔 したことがありましたが、下記の楽曲は好きだったようです。
ようするに、楽曲が優れていれば、流行を追ったバンドの過去など吹き飛んでしまいますね。


♪シーズ・ア・レインボー

 

今のアップル社があるのは、ストーンズのおかげ…?
1998年に超大ヒットしたパソコンのCMですが、たしか七色はなかった…。
当時、似たような形状やカラーリング、スケルトン商品が世の中にあふれていましたね。
当時で30年も前(今から約50年前)の楽曲でも、若者世代にこれほどの刺激を与えるのかと、たいへん驚いたのを覚えています。
今、日本でも、「昭和歌謡」にはまる若者世代が増えていますね。
たしかに、未知の音楽との遭遇かもしれません。
「i マック」PCのCM

 

ストーンズは、60年代当時のサイケ風サウンドを、本来のストーンズ調と織り交ぜて、現代にも蘇らせました。
下記は、1990年の東京ドーム公演の映像です。
ストーンズの音楽の多様性・柔軟性を感じる楽曲ですね。
プログレッシブ ロック・バンドのような演奏です。


♪2000光年の彼方に

 

* * *

「トライアングル(ミック、キース、チャーリー)」のストーンズとしての終盤の時期の本格スタジオアルバム「ア・ビガー・バン」(2005年)は、キースとチャーリー(一部、ロン・ウッドも)が、ミックの自宅に長期間こもって、昔のような意気込みで制作されたアルバムです。
本人たちいわく「まるで60年代後半の頃のようだ」。
久しぶりに、和気あいあいとした時間だったかもしれませんね…。
ロックンロールのチカラ強さに満ちあふれた作品でしたが、このような力作(りきさく)は、これが最後になりました。

このアルバムから、2006年のライブ演奏です。
今から15年ほど前ですから、チャーリーは65歳ですね。
♪オー・ノー・ノット・ユー・アゲイン

 

* * *

昨年の2020年には、世界がコロナ禍で苦しむ中、その嘆きを歌った歌詞と、人のいない街の映像で、彼らの楽曲が世界中で話題になりましたね。
苦しい庶民の嘆きを代弁し、苦労をまさに共感しあいながら、皆が同じ境遇にあることを歌っています。
そして、この苦境を乗り越えようという意志を感じる楽曲です。
ストーンズらしい、チカラ強さは健在…、チャーリー79歳。


♪リビング・イン・ア・ゴーストタウン

 

ストーンズは、楽曲の歌詞の中に、それぞれ各時代の社会性を盛り込むことが非常に多かったミュージシャンでしたね。

私は、ストーンズと、ここまで長くつき合ったからには、私自身の最期まで、ストーンズの音楽と「いっしょ」に過ごすのだろうと思います。


◇チャーリーに任せとけ…

「任せとけ…、どんなタイプの音楽でも、叩いちゃうよ」…チャーリーが言ったとか、言わなかったとか…。

時代を織りまぜて、少しだけ…

♪ドゥーム・アンド・グルーム

 

♪ユー・ドント・ハブ・トゥ・ミーン・イット

 

♪オールモスト・ヒア・ユー・サイ

 

♪メモリー・モーテル

 

♪ギミー・シェルター

 

♪ゴーイング・トゥ・ア・ゴーゴー

 

♪ホエン・ジ・ウィップ・カムズ・ダウン

 

♪ビッチ

 

♪ミッドナイト・ランブラー

 

♪ブラウン・シュガー

 

♪ジャンピング・ジャック・フラッシュ

 

* * *

下記の動画は、コロナ禍の中、ストーンズのメンバー4人が、リモートで私たちに届けてくれた楽曲です。
チャーリーは、笑顔で、エアードラム!

たしか昔、チャーリーは、家族に怒られるので、自宅にドラムセットは置かないと言っていた気がします。
やっぱり、チャーリーは、好きな茶色のお衣装…。
昨年2020年4月の姿です。
それにしても、それぞれのメンバーらしいお部屋だこと…。

♪無情の世界

 

* * *

ミスター・チャーリー・ワッツ(1)

 

ミスター・チャーリー・ワッツ(2)

 

ミスター・チャーリー・ワッツ(3)

 


◇二人はまだまだ…

下記はミックとキースの茶飲み話し…?

ふたりの会話

 

ご高齢男性二人による、こうした光景は、路地や公園で、時々 見かけますね。
さあ、どんな会話でしょう…。
〔注〕こちらで創作した仮想会話です。

(ミック)  チャ―リーが逝っちまったぜ。
(キース) 何だって、よく聞こえねぇ。
(ミック)  逝っちまんだよ!
(キース) 俺には聞こえねぇ!認めねえぜ!
(ミック)  待ってたって奴は来ないぜ! お前、代わりにドラムたたけるか。
(キース) バカ言え!おまえこそ…。
(ミック)  俺に、チャーリーの代わりができるわけねぇだろ!
(キース) あたりめぇだぜ!
(ミック・キース) 俺たちゃ、もうちょっと演るか…。60周年だしな…。
(キース) その前に、「ジャック・チャーリー・ダニエルズ」を一杯やるか…。

♪友を待つ(ウェイティング・オン・ア・フレンド)

 

* * *

ロックスターのままの二人…、チャーリーの分まで、まだまだ頼みますよ!

♪ハウ・キャン・アイ・ストップ

 

♪ドント・ストップ

 

* * *

チャーリーが、ミックらに頼み込まれて、ストーンズに加入した時、彼は言いました。
「こんなバンド…、もって一年だな」。
それが、チャーリーが支えたことで、60年も続き、まだ終わっていません。

「チャーリー・ワッツさん…、あなたのおかげですね。
素晴らしい音楽を本当にありがとうございました。
ストーンズのトライアングル、決して忘れません」。

チャーリー…、あなたに「クラッシュ・オン・ユー(あなたにメロメロ)!」。
♪アイヴ・ゴット・ア・クラッシュ・オン・ユー

 

♪ロング・アゴー・アンド・ファー・アウェイ

 

* * *

♪I won't forget to put roses on your grave…
お墓にバラの花を忘れない…。
♪デッド・フラワー

 

♪I'm riding down your moonlight mile…
「月あかり」って、もの悲しいし、帰りたくなる…。
チャーリー、テイラー、ミックで、この曲つくったよね…。
♪ムーンライト・マイル

 

♪I won't cry when you say goodbye…
♪アウト・オブ・ティアーズ

 

チャーリー・ワッツさん、ARIGATO(ありがとう)!
安らかに…。

* * *

コラム「音路(52)信じてもいいですか?【前編】青いスーパーと赤いグレイテスト」につづく

 

2021.9.18 天乃みそ汁

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