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今回は、書き方の根幹にかかわるお話です。
とくに純文学志向の作者に多いのですが、それ以外
のジャンルを小説とは認めない傾向にあります。
まあ、それでもかまわないのですが、すべてのジャン
ル作品を書いてみてから断定してほしいのです。
といいますのも、自分が目指しているジャンル以外の
作品から、得られるものなど何もないと誤解をしている
だろうからです。
いいえ、得られるものは山ほどありますよ。たとえ書か
なくとも、他ジャンルの作品を数多く読書するだけでも
かなりの勉強になります。
ジャンルごとに得意とする表現がありますからね。
たとえば、作品の中で男女が恋に落ちるものとしますと、
ジャンルごとに表現の仕方が違います。
内容は同じであるとしても、表現の仕方の違いによって
内容の濃さが違ってくるのです。
純文学作品の中の恋愛よりも、恋愛小説の中での男女
の心理のほうが読者の共感を得ています。
動きのある描写は、アクション小説のほうが勝ります。
それらの表現を会得して文学作品に結びつけたなら、
きっと斬新な作品の先駆者として表彰台へと導かれる
ことでしょう。
本来、ジャンルに垣根なんてないのです。小説なのです。
便宜上分類されているだけでして、あえて分類するなら、
優れた作品とそうでない作品が存在するだけです。
あらゆるジャンルを書いてみましょう。
間違いなく、新たな発見がいくつもあるはずです。
SF・ポルノ・推理・アドベンチャー・ファンタジーなど、お
およそ読書すらしていなかったジャンルからの発見は大
きいですよ。
あなたの作品に何か足りなかったものが、必ず見つかる
ことでしょう。