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今回は、架空の話を書くという前提意識が必要って話です。
SFはもちろんですが、純文学を含めたすべての小説作品
は架空の物語です。
たとえ歴史上で実在した人物が主人公であったとしても、
その時代にタイムスリップをして直接取材をしない限り、推
測で書くしかないわけです。
ところが、多くの作者はSFだけを架空だと捉えています。
自伝的な小説であったとしても、丸裸な自分の姿は書けな
いものでして、どこかに隠蔽しておきたい部分はあるでしょう。
すべての小説作品が架空の物語だという前提で考えますと、
手を加える余地が多分に見えてまいります。
すなわち、読者に喜んでいただくために、人物設定を少し変
えてみるとか、景色の良い場所へ変更するなど、ストーリー
にふさわしい変更の余地はかなりあるでしょう。
そして、何人もの友人が登場するよりも、役割を一人にまと
めることで、読者の理解が簡易になるよう配慮もできるの
です。
実際にあったことを基にして書く場合でも、それらの変更を
試みることは大切です。
なぜなら、自分のために書くのではなくて、読者のために書
かれなくてはなりませんからね。
どうしても実際のとおりに書かなくては気が済まないのであ
れば、唯一ノンフィクションのジャンルで文学賞に応募するし
かありません。
それ以外のジャンルで応募しても、落選は目に見えておりま
すよ。