勇み足 | 小説の書き方教えます

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今回は、作者による勇み足表現についてお伝えします。




勇み足というのは、相撲の用語です。


相手を力強く押し捲り、ほぼ勝ちが決まっているのに、

勢い余って自分の足が先に土俵の外へ出てしまうこと

を勇み足による負けと評されます。




小説作品を書くとき、当然のことながら作者はすべてを

把握しています。結末までをも知っているし、ある人物

がその後に起こす騒動の内容まで知っているでしょう。


しかし、それゆえに、まだ書いてはいけないことまで記

述してしまうミスを犯しがちにもなるのです。


誰々は意味ありげに言った、などという表現は、ストー

リーの予告にあたるかもしれません。作品の評価は下

がります。


言われた人物が、そういえばあのとき、とわずかな変化

を思い出すのが正しい記述であって、読者へ余計な情

報の提示はマイナスとなるのです。




多分、そんなことはわかっているよ、と仰るでしょう。


しかし、勇み足がいかに多いことか。気付いていない

だけではないですか。


優子の言葉になにやら邪悪なものを感じた、って書い

いませんか。


優子と仲良くしてきた主人公には、優子の些細な変化

はわかっても、それが何かまではわからないものです。


邪悪かどうかはその後の展開次第で決まること。優子

の変化は、その時点では良いきざしかもしれないです

し、邪悪と断定するには判断材料が乏しいはずなので

す。




こうした勇み足を作品の中で一度でも書いてしまいます

と、作品の価値は大きく下がってしまいます。


ストーリー予告という最大限のミスを犯しているのです。




人物がその時点で知っていることと知らないことをきち

んと整理しておくシステムを作っておきませんと、常に

重大なミスを犯し続けることでしょう。


とくに複雑なストーリーの場合には、人物管理がとても

大切になりますからね。