タバコの火 2 | 小説の書き方教えます

小説の書き方教えます

現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

添削希望の方の詳細ページ


小説ハイスクールの詳細ページ


文学賞突破マニュアル」をご希望の方も、必ず

詳細ををお読みください。


文学賞突破マニュアルの詳細ページ


作家エージェントの詳細ページ


初心者執筆マニュアルのページ


お問い合わせはコチラから

m0337-kei@ac.auone-net.jp


今回は、前回記事の補足です。




ストーリーといいますか、出来事を目いっぱい広げ

た挙句に、ひとつひとつの結末を描かない作品があ

ります。


着けたタバコの火は必ず消せ、というのが文学の世

界での掟のようなものでして、記述したものには責任

を取るのが常識というものでしょう。


たとえば、


急用ができて外出したとき、大通りのほうで交通事故

があった。近寄ってみると、誰かが救急車に担架で乗

せられていくところだった。


急いでいることを思い出して、主人公はその場から去

るのですが、自己のことを忘れてしまうのは主人公だ

けではなくて、作者すらも忘れてしまうことが多いです。


急用のほうが大切なので、事故のことをすっかり忘れ

てしまうのです。




せめて、テレビか新聞で事故の詳細を知る。


もしくは、後に一切触れないのであれば、そもそも事故

など書かないほうがいいのです。




冒頭に、風景描写を入れる癖になっている作者も多い

ですね。


その風景が後に重大な意味を持つなら入れるべきなの

ですが、関係ないのであれば削除しなくてはなりません。


庭にコスモスが咲いている。穏やかな風でかすかすに

揺れながら、晩秋の暖かな日差しを楽しんでいるように

見える。


こういう記述が冒頭にある意味。冒頭でなくともコスモス

が作品全体にかかわる影響がどれほどのものなのか、

考えてみる必要があります。


季節を言い表すだけなのでしたら、他にも方法はありま

すから、冒頭が風景描写である必要はありません。


冒頭は、読者を物語の中へ引きずりこむための大切な

部分です。コスモスを書くなら、物語の中でもコスモスに

何かの意味合いを持たせなくてはならないわけです。




着けたタバコの火は必ず消せ、とは、余計な記述をしな

いということでもあります。


火を消さないのなら、最初から禁煙させましょう。