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今回は、登場人物の描き方について述べたいと思います。
これまで、文学賞にチャレンジなさる人のいろんな作品を
読んできましたが、何がもっとも物足りないかといえば、
人物の描き具合だろうと感じます。
つまり、どういう人物なのか、読者が共感を覚えられない
まま完結してしまうほど、描き足りないのです。
具体的に申しましょう。
描かれている人物たちのほとんどは、天涯孤独で身寄り
のない人なのか、と読ませていただくうちに感じてしまう
のですよ。
誰にだって親や兄弟はいるだろうし、生まれ故郷や子供
の頃の思い出だってあるでしょう。
肉親を必ずしも登場させる必要はありませんが、なにか
困ったことが起きたときには、相談してみようかと考える
と思いませんか。
寂しさを感じる出来事があったとき、郷里のことや子供
の頃の楽しかった思い出が、ふとよぎったりしませんか。
要するにですね、人物というものは、目に見えている部
分がすべてではなくて、生い立ちやら人脈やら家族など
が、見えないけれど後ろには控えているのです。
本当に天涯孤独な設定でない限り、こうした要素という
ものが、作品の端々に顔を出していないと不自然に感じ
るのです。
携帯電話かスマホのアドレス帳には、誰だって何十人か
が登録されているのではないでしょうか。
人間を充分に描いてない作品は、小説とは申しません。
小説の「小」とは、人間のことなのです。