冒頭で悩むあなたへ 3 | 小説の書き方教えます

小説の書き方教えます

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今回もコメントにて質問をいただきましたので、お答え

しますね。




冒頭の一行目に会話文をもってくるのはアリかナシか。


こういうご質問をいただきました。


市販の書き方本が数多く出回っている今、書かれてい

ることが正反対であったりしますので混乱している人は

多いと思います。


しかし、混乱する原因は小説というものの本質を理解

していないから起きるわけで、ちゃんと理解しているな

ら、書かれていることが正しいか間違っているかの判

断など容易なのです。




小説とは人間を描いたもの。


これが大前提としてあって、読者のために書かれたも

でなくてはなりません。


冒頭に派手な出来事をもってくるのは、読者に早く物

語の中へと誘うためです。


作者もどこかでは読者なのでわかると思いますが、読

み出してすぐにのめりこませてくれる作品を待ち望んで

おります。




とすると、一行目が地の文であるか会話文なのかとい

う問題は末節の議論でして、小説というものの本質を

理解しているなら、惑わされることはないはず。


なんでもいいのです。


早くのめりこみたい読者のためならね。


むしろ、書き方本にダメと書かれていることが正解だっ

たりしますから、読者のためだけを考えればいいのです。




一例を挙げましょうね。


瀬名秀明さんの「パラサイト、イヴ」は、久美沙織さんの

書き方本「新人賞の獲り方教えます」でダメと書かれて

いたことのオンパレードでした。


瀬名さんはこの作品で角川ホラー大賞に輝いたのです

が、受賞の言葉に久美さんの本を参考にしたと書かれ

ていました。


とはいっても、久美さんが間違ったことを書いていたと

いうわけではありませんよ。久美さんの名誉のために

申し添えておきますからね。


単語によって活字の大きさを変えるわけにはいかない

のだ、と強調する描き方について述べていた部分を、

瀬名さんは逆に採用したのです。


心臓がドクンと鳴った。


この、ドクン、という単語を大きな文字にしたのです。

原稿用紙ですと、ふた文字分だったのでしょう。




読者に早く作品の中へのめりこんでいただき、楽しん

でもらう目的のためには、今まで常識とされているこ

とでもブチ破る大胆さ。


こういう精神が大切なんですね。まさしくプロです。


本質の目的に合致しているなら、なんでもアリです。


全部が会話文の作品だってかまわないのです。