エンディングを先に書く理由 2 | 小説の書き方教えます

小説の書き方教えます

現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

※添削をご希望の方は、必ず「添削希望の方へ

お読みになった上で、お申し込みください。

作品の枚数もご記入願います。


文学賞突破マニュアル」をご希望の方も、タイトル

下の項目をお読みください。


今回は、前回の記事へコメントにていただきました質問に

回答いたします。




もし最初に書きたいのがエンディングではなく、最も物語が

盛り上がったり、進展を見せたりするシーンだった場合、そ

のシーンを冒頭に持ってきたほうがいいですか?


このような趣旨のご質問でした。




前回の記事で、作者がもっとも描きたいのはエンディングで

あろうと断定いたしましたが、もしもそうでない場合、作品の

テーマを再認識する必要かありますね。


ストーリーを描くのが小説ではなく、人間を描くためにストー

リーが存在します。


この点を間違えますと、テーマ不在の作品になってしまいま

すし、ただ面白かったねというだけの薄っぺらいものになっ

てまうでしょう。




人間というもののどういった面を描きたいのか、再認識しま

しょう。派手な場面は見せ場というだけのものでして、作品

のテーマが登場人物によって表現される場面がエンディング

なのです。


その上でご質問に戻りますが、見せ場を冒頭にするのは

百害だけになります。


なぜなら、冒頭のシーンを書き終えた瞬間に、続きを書く

気力が失せてしまうからです。おそらく、書き続けるには苦

痛に感じることでしょう。


つまり、読者からしますと、段々と尻すぼみになってゆく作品

というイメージになりかねないということです。




よく、見せ場を冒頭に少しだけ提示している作品を見かけま

すが、これは「額縁小説」といいまして、一時は流行しました

ものの現在では使い古された手法として飽きられています。


ですので、以前の記事でも申しましたが、プロの古い作品を

参考にするのはやめたほがよいでしょう。


というより、あなたが新しいスタイルを生み出すくらいの気持

ちで応募作品を書きましょう。




ちなみに、子竜はデビュー作品「不沈戦艦紀伊」にて、時系

列的に細切れの文章にしました。


多くの場面を同時進行させているのですが、時系列に忠実

にするため、短い部分ではたった4行だけの記述という以前

にはなかったスタイルを創作いたしました。


その後、応募作品には子竜を真似たものが大量に送られて

きたそうです。




というわけですが、参考になったでしょうか。


当ブログではコメントやメッセージ機能を利用しての質問を

受け付けておりますが、詳しい回答をお求めの方はメール

にてお寄せください。


文字数制限のないメールだからこそ詳しい質問ができます

し、回答も同様です。


あなたの執筆活動を真剣に応援いたしますからね。