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今回は、前回の記事でコメント質問にお答えした内容が
よくわからないとのことでしたので、再度解説いたします。
結論として、
主人公にとって良い偶然は、いかなる場面にても絶対
に使ってはいけません。
理由がわからなければ、そんなものなんだ、と無理にでも
納得していただくしかありませんね。
でもね、読者の立場で考えてみますと、よくわかるはずです。
主人公に対する良い偶然は、ストーリー進行をスムーズ
にさせるための作者のご都合主義でしかないのです。
お金に困っている主人公に、ポンと大金を出してくれる老人
が現われる。
あるいは、病気に苦しむ主人公の前に、世界的権威の名医
が登場する。
そんな都合の良すぎるストーリーを作ってしまいますと、とくに
プロではアウトです。ファンが一気にいなくなってしまいます。
ひょっとしますと、読者のために書くという意識が薄いのかも
しれませんね。
自分のために書いて、自分のみが読者であるならどんなストー
リーでもかまいませんし、そもそも書き方を勉強する必要すら
ないでしょう。
いいえ、頭の中での空想だけで充分でして、わざわざ文章化
することもありませんね。
誰のために小説を書くのか。
読者のため、が当たり前であるなら、良い偶然を使ってはいけ
ないのも当たり前に受け止められるはずなのです。