偶然の使いどころ 3 | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、前回の記事でコメント質問にお答えした内容が

よくわからないとのことでしたので、再度解説いたします。




結論として、


主人公にとって良い偶然は、いかなる場面にても絶対

に使ってはいけません。


理由がわからなければ、そんなものなんだ、と無理にでも

納得していただくしかありませんね。




でもね、読者の立場で考えてみますと、よくわかるはずです。


主人公に対する良い偶然は、ストーリー進行をスムーズ

にさせるための作者のご都合主義でしかないのです。


お金に困っている主人公に、ポンと大金を出してくれる老人

が現われる。


あるいは、病気に苦しむ主人公の前に、世界的権威の名医

が登場する。


そんな都合の良すぎるストーリーを作ってしまいますと、とくに

プロではアウトです。ファンが一気にいなくなってしまいます。




ひょっとしますと、読者のために書くという意識が薄いのかも

しれませんね。


自分のために書いて、自分のみが読者であるならどんなストー

リーでもかまいませんし、そもそも書き方を勉強する必要すら

ないでしょう。


いいえ、頭の中での空想だけで充分でして、わざわざ文章化

することもありませんね。




誰のために小説を書くのか。


読者のため、が当たり前であるなら、良い偶然を使ってはいけ

ないのも当たり前に受け止められるはずなのです。