作品のテーマと作者の主義主張 | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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下の項目をお読みください。


今回は、テーマと主義主張の違いを解説いたします。




最近いただきましたコメントにての質問にお答えするの

ですが、あまりに古い記事にコメントされますと、探すの

が大変ですので、質問したい方は、直近の記事にてお願

いします。




さて、いただきましたご質問の内容は、両者の違いがよく

わからないというものでした。


はい、混同されている人が多いですよね。そのために論文

めいた小説、もしくは小説の形式を採った論文になってしま

うのは残念なことです。




テーマとは、人類普遍の問題をいいます。


いつの時代でも、人類が存続する限り変らない問題ですね。


男女間の確執や葛藤。貧富の差。老いる悲しみ。死別する

悲しみ。介護する側に生じる突発的な殺意。


などなど、100年後も1000年後も変っていないだろうと思います。




大事なことは、テーマをいかに調理するかという点でしょう。


そこに作者の一方的な主義主張を入れてはいけません。

テーマとはあくまでも正解のない問題提起であって、答えは

読者それぞれが考えるべきことなのです。


そして、主人公はそれらの問題に直面して、悩み苦しんだと

しても、主人公と作者とは別の世界に住む別人なのですから、

作者の主義主張が入る余地などないのです。




いいですか。


作者と主人公はイコールではありません。


この点を間違えるから論文調になってしまって、文学賞の選考

では小説とはみなされずに落選してしまうのです。


もしも同じと考えるなら、異性を主人公にはできませんし年齢

の違う人もダメですよね。


書く作品すべてが同じ職業で同じ経歴の主人公だなんて、読者

にすればあなたの作品を何作も読む価値がなくなってしまいます。




話を元に戻しましょう。


あるテーマを扱ったとき、作者は問題提起をするだけです。


主人公は自然と悩み、主人公の置かれている立場や性格や

年齢などから、それなりの答えを模索してゆくのです。


決して作者の主義主張であってはなりません。


ご理解いただけたでしょうか。