執筆におけるモチベーション | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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下の項目をお読みください。


今回は、執筆におけるモチベーションについてです。




文学賞へ応募するか否かにかかわらず、ひとつの

作品の構想から稿了までの期間は、短くても数ヶ月

を要します。


この期間、同じようなモチベーションを維持するのは

大変なことでして、とくに初期の意気込みは日ごとに

減ってゆくものですよね。




それを当然のことだと受け止めているようでは、長編

は書けません。


途中で挫折してしまったり、原稿用紙に向かう気力

さえなくなってしまっては、すべてが終わってしまいます。


モチベーションはアップできるものなのです。




モチベーションとは、やる気度、とでも申しましょうか。


なぜ日ごとに低下するのかといえば、作者自身がつまら

ない作品を書いていると自覚してしまうからであって、

真にすばらしい作品を書いているときには、毎日ワクワク

しながら取り組めるでしょう。




まず、構想段階において、感動的なエンディング場面を

考えます。冒頭の書き出しを先に考えてはいけませんよ。


まずはゴール地点を明確にしておくことです。


次に、冒頭を考えるのですが、考えるときにはゴールと

なるエンディングを念頭に置きつつ、スタート地点を設定

します。




モチベーションが低下しやすいのは、両者の中間地点

です。


中間地点のプロットはあまり厳密にならないよう工夫しま

しょう。この部分は、自由度の高さが命ですからね。


執筆が中間地点に差し掛かったとき、作品全体がつまら

ないと感じたときには、思い切ったプロット変更を行います。


たとえば、突然に大切な人が亡くなるとか、詐欺被害に

遭うなど、読者の予想はおろか作者の予定にすらなかった

状況の現出によって、新たな作品へ挑戦するという新たな

モチベーションが誕生するのです。


このとき、あらかじめゴール地点が設定されていることで

作品の方向性まで見失うことはありません。




かくして、読者があっと言うほどの名作が誕生します。


両親を交通事故で亡くした高校生の娘が、必死に生きて

ゆく物語が最初の予定だったとすれば、事故の場面のみ

が衝撃的で、あとはダラダラ感になりやすいでしょう。


そこで、必死に生きてゆく娘の彼氏がとんでもない奴だっ

たりすれば、面白さの幅がグッと広がります。


やっと貯金ができるようになったかと思ったら、金を借り

ては返さない。足を引っ張る存在ですね。


つまらない作品とは、娘がすんなりと幸せになってしまう

ストーリーです。または、偶然の出会いによって、助け

られるというものでしょうか。




中間地点には、絶対にライバルとか足を引っ張る存在

を登場させましょう。


そうしたなら、次々とアイディアが湧いてきて、整理する

のが大変になるほどですね。


だからこそ、中間部分のプロットは、アバウトでいいのです。




このように、モチベーションとは、作品の内容や質との関係

が深いものなのですから、書きたい気持ちが起きないとい

う人は、プロットを見直してみましょう。


どんなに駄作でも、いいえ、駄作と感じる作品こそ、名作に

生まれ変わる土台を持っているのですよ。