エンディングの極意は寸止め | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、エンディングについての集中特訓です。




作品の冒頭が読者の興味を惹く部分であるなら、エン

ディングは良い印象を残すための部分といえるでしょう。


良い印象とは、読後に爽やか感が残っているとか、

結末以後のことを考えさせられるといった奥深いもの

のことですね。


エンディングの悪い見本は、とにかくクドクドと書き連ね

た作品で、読後感のことまで解説してしまっているもの

まであるほどです。




まず、あなたは読者に何を与えたいのか、考えてみる

必要があります。


それは、あなたの聡明さやステータスでしょうか。


違いますよね。


読者は読者なりに聡明ですし、読書をするくらいに教養

だってある人でしょう。


クドクド書かなくても、なんとなく理解してくれるはずなの

です。




すっかり見違えるほど大きくなった倫太郎に、誠司は思わ

ず涙ぐんだ。


屈みこんで力強く抱きしめたとき、倫太郎が可愛い声で

誠司の肩越しに叫んだ。


「あっ、赤トンボだ」




この例文では、倫太郎という子供の台詞で終わっています。


しかし、赤トンボと叫んだ理由やこの後のことを詳しく書いて

しまうと、興ざめしてしまうのです。


理由やその後の経緯は、それまでの物語の進行などから、

必然的に導かれるものでして、あえて書き連ねる必要など

ありません。


必然なのに書いてしまうから二重表現となって、クドクド感

だけが残ってしまいます。


また、必然的に導かれないようでしたら、エンディングその

ものではなく、それ以前の部分に問題があるといえましょう。




冒頭は大胆に、エンディングは爽やかに。


これはぜひ覚えておいてくださいね。