冒頭で何を書くべきか | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、作品冒頭に関する集中特訓です。




面白くない、あるいは印象に残らない作品の多くは冒頭

の書き方に問題があります。


そもそも、冒頭の一番最初に何を書けばいいのか。


ちゃんと理解できているでしょうか。




主人公の個人情報。


主人公が置かれている状況の説明。


もっとも多いのが、このふたつのどちらかでスタートする

ケースなのですが、当たり前だと思っていた人は要注意

ですよ。


実は、このどちらも冒頭に書くべきことではないのです。


が、重要ではないという意味とは違いますので、注意し

てくださいね。




あなたが読者の立場に戻って誰かの作品を読んだとき、

主人公の個人情報を列記した部分から始まる物語だと

すれば、おそらく、覚え切れませんし何の興味も湧かない

と思います。


物語が少しも進んでいないのですから、主人公に興味が

湧くはずはないのです。




主人公が置かれている状況説明も同じことでして、物語

が進んでいてこそ、主人公の過酷な状況には同情もしま

すが、何も始まっていないうちは、所詮他人事なのです。


個人情報と置かれている状況をダーッと列記されましても

覚え切れない上に苛立ち感が募ってくることでしょう。


おいおい、この作者はいつ物語をスタートさせるんだろう、と。


しかも、説明するのに3枚も5枚も費やしたなら、文学賞の

選考委員だってイライラするでしょうね。




もうおわかりですよね。


最初に書くべきは、物語の進行です。


読者は、まだ訳がわからないままであったとしても、とにか

く物語をスタートさせてください。


以下のことを守れば、読者は物語の進行とともに主人公の

ことを理解してくれます。


主人公の個人情報や置かれている状況は、台詞の中へ

散りばめましょう。行動の説明を小分けにすることで読者は

主人公の立場や置かれている状況を把握してくれます。




大切なことですので、もう一度言いますね。


何が何でも、物語の進行からスタートしてください。


できれば、静かに会話する場面ではなく、争ったり逃げたり

する動きの激しい場面を冒頭に据えてみましょう。


ストーリーの関係でそれが難しければ、悪天候や停電など

通常ではない状態からスタートしますと印象に残る作品と

なります。




とはいえ、ある賞の選考委員が言っておりました。


子竜さんが悪天候からのスタートを奨励したから、最近寄せ

られる応募作品は、土砂降りの場面ばかりですよ。


ということですので、真似をしてもダメなようです。


あなたの工夫とオリジナル性を発揮してくださいませ。