名作と駄作の境界線 | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、名作と駄作とを分けているものについてです。




名作の定義というか条件として、読後にいつまでも残る

余韻があります。


逆に駄作にはクドクド感がつきまとい、いつかまた読み

たいという気持ちになれません。




読後の余韻を残すには、とくにエンディングを爽やかな

ものにする必要があります。


最後に主人公が言ったセリフに、解説などを付けては

なりません。


なぜそう言ったのか、読者に考えてもらうくらいがいい

のです。


ですので、意味不明の台詞ではダメですし、テーマと

関係のないものでもいけません。




「明菜、一緒に飛んでみようか」

校舎の屋上から校庭を見下ろしながら、和人が言うと

明菜がコックリとうなずいた。


このエンディングの例ですと、「命の大切さ」をテーマに

した作品がマッチしています。


いかにも心中自殺なのですが、実際に飛んだり、和人

の発言の理由を書いたりしてはいけないのです。


物語をここまで読んでくれた読者には、和人の心情は

痛いほどわかるはずで、明菜の同意も不自然ではな

いはず。


なので、これ以上の記述は不要です。


飛ぶところまで書かないのも、読者に不快な余韻を残さ

ないためでして、リアルな描写をしてはいけない場面な

のです。




二人がこの後、本当に飛んだのかどうか、読者にお任せ

するほうがいいでしょう。


あるいは、「飛ぶ」という言葉を別の良い意味で捉えてい

ただくのもいいかもしれませんね。