一人称が初心者向けだという誤解 | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、一人称にまつわる誤解についてです。




多くの小説書き方本や教室で最初に一人称を

推奨しているからでしょうか、初心者向けだと

誤解している人が多いようですね。


子竜の教室では最初から三人称で記述するよ

う伝えております。


なぜなら、三人称には一人称の記述も含まれる

からでして、一人称に慣れてしまうと三人称が

書けなくなってしまう点を考慮しての上なのです。




とすると、やはり三人称のほうが難しいのでは

ないかという意見が強くなりそうですが、そうで

はありません。


あくまでも一人称を書き慣れてしまった場合の

話でして、最初から三人称を書きますと、一人称

小説も抵抗なく書けてしまうのです。


つまり、一人称からスタートするのは、遠回りだ

ということなのです。




子竜は一人称のほうが難しいと考えます。もちろ

んプロレベルでの場合ですが、一人称で100枚

以上の作品を書くのは、実際のところ大変ですね。


視点が主人公のものに固定されていますから、

読者が満足するほどの内容にするには、主人公

が次々と真新しいことに出合ったり事件に巻き込

まれなくてはならなくなってしまいます。


そんな荒れたストーリーは一笑ものですので、論外

ですよね。




そして、なにより、主人公と作者とが同一化してしま

う恐れがあります。


この点を初心者が克服できるとは思えませんので、

一人称はけっして初心者向きではありません。


実際にも、初心者の間違いでもっとも多いのが、同

一化です。むしろ、主人公が作者の代理人だと考え

ている人がいるくらいでして、小説を作者の主義主張

の伝達手段だとカン違いさせる原因にもなっています。




そして、三人称を推奨する最大の理由は、プロを目指

していただきたいからです。


前述のように、一人称は短編向きですから、単行本に

はなりえません。短編集はほとんど売れないので、出

版社も刊行してくれないのです。


なので、プロを目指す人は絶対に三人称の長編に挑ん

でください。短編賞ではなく長編賞に応募しましょう。