面白くない小説 | 小説の書き方教えます

小説の書き方教えます

現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

※お待たせしました。タイトル下の5つのコンテンツが

ご利用いただけるようになりました。


※添削をご希望の方は、必ず「添削希望の方へ

お読みになった上で、お申し込みください。

作品の枚数もご記入願います。


今回は、面白くなくしている理由の解明です。




小説を書く人は、真面目な人が大半だと思います。


書くための勉強や努力もさることながら、継続性ま

でもが求められる作業をコツコツできるのは、誠実

な人じゃないと無理なのですね。




しかし、それだけに登場人物もそういう性格の人ばか

りの偏りがちになっています。


どの作品にも真面目で誠実な人物しか登場しないし、

コピーのような人物が何人も出てきたりします。


ずるくて計算高い人物や他人を犠牲にしてまでのし上

がってやろうという野望を抱いた人物はほとんどいま

せんね。




真面目で誠実な人ばかりの世界では、ストーリーを

いかに捻ろうとも、面白い作品にはなりません。


一方、そういう人の中に何かを企んでいる人物が紛れ

込んでいますと、俄然面白くなるのです。


他人の困った顔を見るのを快感に感じる人物が、ある

日、主人公に囁きます。

「あなたの彼女だけど、夕べホテルで男性と会っていましたよ」


さあ、大変ですね。


主人公は彼女を信頼しつつも、やはり気になります。




ストーリーとは、作者が作り出すものではありません。


その世界の住人たちによって、毎日の営みの中から

生じるものなのです。


ゆえに、真面目で誠実な人物ばかりの世界では、何事

も発生することなく、淡々とした時間ばかりが過ぎてゆ

きます。


そんなストーリーが、面白かろうはずはありませんよね。




とはいえ、悪人ばかりの世界でも、互いに警戒しあって

ばかりいますので、滅多なことが起きません。


やはり、真面目で誠実な人物たちの中に少数の変な人

がいるのがベストです。


作品の中に、必ず悪人を1人起用しましょう。