会話文をもっと生かす | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、会話文についてです。




子竜が作品を見せられたとき、この人はどれくらい

の書き手なのかと判断する材料として、会話文があ

ります。


ほとんどの人は、会話文を会話文としてのみ考えて

いますが、優れた書き手は、会話文を多様に生かし

ているのです。




物語がスタートするとき、舞台となる場所や状況を

読者に示すため、多くの人は地の文で説明しようと

します。


そのために、冒頭は説明っぽくなってしまい、読者

を物語の中へ引きずり込むことができないままに

なってしまうのです。


なぜ、会話文を利用しようとはしないのでしょうか。




「松原さーん、お薬が出ましたよ。神経痛に寒さは

大敵ですからね。部屋を暖かくしてくださいね」


こういう会話文から始まりますと、主人公は松原と

いう人物で、神経痛に悩んでいるから老人だとわか

ります。


こんなふうな会話文を入れますと、読者には説明で

はなく、ストーリーの中にいると錯覚してくれるのです。




専門用語の説明をしたくなることがありますよね。


しかし、プロはなるべく説明文を避けます。作品全体

を学術書という印象にしたくないからです。


そういうときに便利なのが会話文でして、質問者を1人

登場させるだけで、難しい専門的な説明が読みやすい

会話文で済ませられるのです。




会話文を単なる台詞と考えていた人は、もっと会話文

の研究をしてください。市販されているプロの作品の

中から、会話文を注視してみましょう。


会話文の用途は、想像以上に多岐多様なのですよ。