会話文をもっと生かす 2 | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、コメントにて会話文への質問を受けました

ので、回答したいと思います。




会話文は一問一答の形式になっていますが、どう

してでしょうか?

これがご質問の内容です。


たしかに、プロの作品の多くは、ひと言ごとに相手が

同意したり反論したりしています。


実際には、あれもこれも一気に喋ることが多いので

すが、小説で一問一答にしている理由はひとつだけ

あります。




理由は、会話文を長くしたくないことですね。長くしま

すと、地の文との区別がつきにくくなります。


なぜ区別されたほうがいいかといえば、読者にとって

会話文の存在には安堵感があるからなのです。


人間を描く物語が小説である以上、会話文が小説の

重要な部分となります。


仮に、ページをめくったとき、両見開きページが地の

文でビッシリ詰まっていたなら、読む気が失せませんか。


海外作品の翻訳ものには、地の文だけで5ページも

6ページも続くのは珍しくありません。描写魔のトルス

トイを難解に感じるのは、会話文が極端に少ないから

なのです。




3行を超える会話文は、原則分割しましょう。


「昨日ね、イオンへ行ったら安売りしててさ。つい衝動

買いしちゃったの。好きなデザインだったし、サマー

セーターはほしかったから、つい買っちゃったのよ。

ごめんね、相談もしないで勝手ばかりして、こんな女

だけど、嫌いにならないでね」


あれもこれもひとつの会話文に盛り込みますと、読み

にくくなりますので、こんなふうに分割します。


「昨日ね、イオンへ行ったら安売りしててさ」

里美は、さも得意げにサマーセーターを買い物袋か

ら取り出した。

「好きなデザインだったし、サマーセーターはほしかっ

たから、つい買っちゃったのよ」

それでも、衝動買いしたことへの反省はしているようだ。

「ごめんね、相談もしないで勝手ばかりして」

里美がペコリと頭を下げた。

「こんな女だけど、嫌いにならないでね」




こんなふうに、会話文を会話文だけで独立させるので

はなく、地の文との連携が必要です。


言っている内容が変化るごとに、発言者と聞き手の反応

も変化するはずですので、その反応を地の文で補ってや

るのが読みやすくするコツです。


会話文を単なる台詞と捉えますと、軽い印象の作品に

なってしまいますから、会話文を極めてください。