付け足すのではなく削ること | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、内容の濃い作品を書く秘訣についてです。




文学賞の応募要綱に30枚程度とあったとします。


あなたはストーリーを考えて、場面ごとのプロットを

作成し、枚数の振り分けをするでしょう。


しかし、書き終えてみると25枚で収まってしまった。


あと5枚分をどうするかと考えた結果、細部の描写

を付け足すことにして、ようやく30枚になりました。




以上が、誰もが経験する執筆経緯ですね。子竜に

も覚えがあります。22枚くらいにしかならなくて、

焦った記憶もまだ新しいです。


でも、プロになってからはこれを逆手に取ろうと思い

つきました。




30枚程度というならプロットで40枚分を割り振ります。


10枚分多くなるので、ストーリーから見直しましょう。

増やしたことによって、ストーリーの自由度が上がります。




肝心なのはここからで、40枚書いた後、10枚分削る

作業が待っています。


どこかにストーリーとは直接関係のない記述はないか

と、心を鬼にして削りまくるのです。


さほど主要でもない人物の描写部分を削り、場合に

よっては、なくても読者が困らない場面を、ひと場面

ごとゴッソリと落とします。


とくに、無駄な会話を丸ごと削除しましょう。


「もしもし」「どちら様ですか」「斉藤と申します」などなど、

斉藤という人物から電話があった、と書き直します。


もちろん、無意味に改行したところも詰めてしまいま

しょう。




すると、本当に自分が書いた作品なのか、と目を見張る

ほどの作品へと変貌を遂げているはずです。


お腹の贅肉がすっかり取れて、6つか8つに割れている

感じでしょうかね。読み返してみるととても気持ちがいい

はずです。




アマチュアは付け足しがりますが、プロは削るのです。


もしも50枚の作品があるのでしたら、30枚まで削って

30枚の文学賞に応募してみましょう。


きっと、一次選考なんて軽いと思いますよ。