もの足りないと感じたとき | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、書き上げた作品がもの足りないと感じた

ときの対処法についてです。




作品は一応完結した。


でも、なにかもの足りない感じがする。


こういう経験をしたことはありませんか。




もの足りない原因は様々ですが、もっとも多いと

思われるのは、山場がないことでしょうね。


山場とは、主人公の今後の運命が決定されたり

岐路に立たされる場面のことです。決してアクション

場面ばかりを意味するものではありません。


関が原の合戦は全国すべての大名にとって山場

ではありましたが、戦いそのものだけでなく、東西

どちらに加担するかと悩んだり議論したりも山場

なのです。




人生とは、振り返ってみると選択肢の積み重ねで

あったろうと思います。小説の中の主人公も例外

ではなく、数多くの分岐点の中から、現在に至る

道すじを選んだわけですね。


中には周囲から強制された分岐だってあったかも

しれませんが、多くは自身のたちばや好みにより

分岐を積み重ねてきたものなのです。


現在のA社ではなくB社に入社していたなら、社内

恋愛の末に結婚する相手は、当然違っていたで

しょう。


そういう部分をいかにドラマチックに描くのか。


山場とはそういうものです。




山場がないと感じられたときには、はっきり申しま

してプロットからやりなおさなくてはなりません。


つまり、まったくの書き直しです。


残念ながら、作者としての意識が欠けていたがため

の書き直しですので、仕方がありませんね。


作者としての意識とは、常に読者を面白がらせる

ことなのですから、ただ単にストーリーを淡々と追い

かけただけの作品にしてしまった責任があるのです。




今回は厳しいことを言うようですが、最低限のことと

して、気づかないことには同じ失敗を繰り返すことに

なるでしょう。


ですから、指摘しないほうが不親切だと考えます。




プロットの段階から、読者をいかに楽しませるか、を

徹底的に追求してください。


これ以上は無理だと感じた場合のみ、執筆作業に

移りましょう。


子竜は、あなたの成功をいつも祈っています。