トラックマンやフライトスコープのようなレーダー式の測定器の場合、ヘッドスピード値はヘッドの形状などによって誤差が出てきます。
こういった傾向は、ユピテルを使っている人たちも実感しているのではないでしょうか?
形状の極端に違うヘッドを比較したデータです。
CALLAWAY FT-i
KRANK
ヘッドのトウ、センター、ヒールの3か所にマーキングして、超高速ビデオカメラで撮影後、ドローイング・ソフトを使って各部分移動距離を割り出して速度を算出。
ヘッドのインパクトポイント。
同じソフトを使って正確に算出。
測定データは、超高速カメラによって算出されたトウ(Toe)、センター(Middle)、ヒール(Heel)、インパクト位置(Impact)のヘッドスピードとトラックマン(Trackman)の測定値です。
表の緑色部分がカメラによるインパクト位置の値、赤色の部分がトラックマンの測定値です。
トラックマンの測定値はセンターということになっていますので、カメラ解析値のMiddleと比較します。
Gallaway FT-i
カメラによるセンター(Middle)の速度とトラックマンの測定値には、大きな差がでていません。
平均でトラックマンの値は1mph(0.4m/s)、つまりカメラのセンター値より平均0.4m/s速い数値になっています。
KRNK
センター(Middle)の速度とトラックマンの測定値には、大きな差がでていますね。
この場合、平均でトラックマンの値は-5.3mph(ー2.4m/s)、つまりカメラのセンター値より平均2.4m/s遅い数値になっています。
こういうヘッドの場合、スマッシュファクターは1,48~1.52という高い数値がでてくることが多くなります。、
Wishonの919THIなどもこういう傾向があります。
こういった解析から、トラックマンではヒール寄りのスピードが測定値として出てくることが多いということです。
したがって、
カメラのヘッドスピードとトラックマンのヘッドスピードによるスマッシュファクターの違い。
(両者ともボールスピードはトラックマンの数値を使用。)
トラックマンのヘッドスピード値は、カメラ算出値のセンターの値に近くなっています。
カメラで解析したスマッシュファクターは1.43(平均)、トラックマンのスマッシュファクターは1.45(平均)。
トラックマンのヘッドスピード値は、カメラ算出値のセンターの値より平均で4mph(1.8m/s)ほど遅くなっています。
したがって、スマッシュファクターは、カメラの値1.43に対してトラックマンは1.50という高い数値になります。
AとBのカメラ解析によるスマッシュファクターは1.43と等しい数値になっています。
以前の記事 で書いたように、スマッシュファクターだけでヘッドの初速性能を判断することはできません。
ボールスピードはどのくらい出ているか?
インパクト位置はどうか?
などといった、いくつかの要因を加味しなければなりません。