2023年を振り返って② 太陽光発電設置条例の条例化。 | 白鳥まさのりのブログ

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今年は、太陽光発電設備の設置にかかる規制の方法をめぐり混乱した1年になりました。

 

 

この1年を振り返ると、

 

これまでの町のスタンスは、

・ガイドラインによる規制で大きな問題はなかった。

・他市町村の状況から開発圧力が強まることが心配。

・設置申請時の区や地域の同意書手続きが大変。

・これらを受けて、町条例による規制の方向を表明、環境審議会で検討を開始。

 

こうした中で、長野県が急に条例制定をすることになりました。

県条例の中味はともかく、県が「規制」と「促進」を条例によるルールによって進めようとすることは理解。

 

 

課題は、

独自に市町村条例を策定済みの場合、規制内容の整合性をどう図るか。

箕輪町のように併行作業になってしまったところの対応の難しさ。

県の規制内容の上乗せ条例をすることが可能か。

区長や隣接者の同意書を必要とすることは出来るか。など。

 

 

多くの市町村が悩みに悩みました。

当町は、特別委員会で研究をしてもらうことに。

委員会からは、

町独自の条例を策定するのではなく、県条例に則って対応するように。

県の規則やマニュアルを見て必要事項を町として定めるようにと報告がありました。

 

町としては、研究報告を受けて

町が独自条例は制定はしなことに。

県の条例や規則を受けて町は規則などで手続きを明確にしていくことに。

 

(感想)

・町としての方針が二転三転したことには理解いただきたい。

・県が条例制定を否定的に発言してきたものを急に方針変更したことが問題を大きくした。

・県が条例を制定、市町村レベルのガイドラインは失効するとしたこと、同意書は違法性が高いとしたことが混乱を極めた。

・この問題は、市町村の土地利用計画の運用に基づくことが多く、本来は県条例は不向き。

・一方で、専門家も多く、手続きを明確化したことには評価。

県は条例を制定し以上、許認可手続き、維持管理などをしっかり対応されたい。

・市町村が条例を制定する方が厳しい対応ができるとの風潮には困惑。

・箕輪町としては、県条例の制定に併せ、規則の制定、景観のチェックを明らかにしていく。

(それにしても他市町村の対応が気になるところ。)

 

 

◆参考

 
●長野県地域と調和した太陽光発電事業に推進に関する条例
県条例は、太陽光発電が脱炭素社会を実現するうえで重要であるとして、設置に関し事業者や県の責務を明らかにするとともに、適正に設置するための事項を定めたもの。
景観や自然環境その他の地域環境の保全、県民の安全を確保するため地域と調和した事業推進を図るために次の措置が定められた。
⑴ 事業者及び県の責務並びに市町村との連携。
⑵ 景観及び環境の保全措置の検討。
⑶ 事業基本計画書の提出及び事業基本計画説明会の開催。
⑷ 設置個所による許可制、届出制。
⑹ 太陽光発電施設の適切な維持管理。
(令和6年4月1日施行)
 
◆県条例提案時の阿部知事の記者発表内容
「かねてから太陽光発電施設については安全性面や環境面、景観面、こうしたことで地域の皆さまから不安の声が上がるケースも見られてきたわけです。一方で再生可能エネルギーを普及させていかなければゼロカーボン社会はなかなか実現していかないということで、今般、太陽光発電施設の設置等に関しまして、事業者、そして県の責務を明らかにした上で、適正な太陽光発電施設の設置を進める観点で条例を制定しようというものです。この条例の特色としては、最大限、状況や計画の内容等を広く地域の皆さまと情報を共有していくという観点で、基本計画書の提出の義務付けや説明会の開催の義務付けを条例で求めていきます。また、一定の地域においては、許可を要するという形にしています。県として実効性を確保する観点で、例えばさまざまな違反があった場合には違反事実の公表、あるいは指導、助言、報告徴収、立入検査、勧告、こうした権限を持つ形になります。非常に景観や環境、安全と地域の再生可能エネルギー普及のバランスを取るというのは難しい観点もありますけれども、こうした条例案を作ったからには、県としてもしっかり取り組みを進めていきたいと、多くの皆さまの理解とご協力を頂く中で、太陽光発電事業が進むように取り組んでいきたいと考えています・・・。