認知症患者の最後の暴言(希望) | 白クマの妻は今

白クマの妻は今

外国の白クマを夫にしたら予想外のイケメン子グマが2匹も出てきた。どぉする?

ある程度は予測してことであるが、

やはりまだまだすべてが想定外な母、クマ姑との

最後の1週間である。

 

*「痴呆老人」ブログ注意報発令中*

(本日は痴呆症あるあるなクマ姑の現状報告ブログです。

「やめてよそんなの」な皆様方は1回休みをお勧めします)

 

以前にも書いているが、クマ姑は認知症の進行と並行して

とんでもなくひどい便秘になっている。

 

本人はいつ自分が排便したのかの記憶もめちゃくちゃに

なっているので、いくら私が毎日「お通じありますか~?」

とか「お腹の具合はどうですか~?」などと聞いても、

もう数ヶ月前から意味のないことになっている。

 

トイレの音と匂いで「出たな」とわかる時は

私がクマ姑用の介護手帳に書き付けているが、

どのくらい出たのかなどというのはわからない。

 

本人も辛くなってくると何か言ってくるので

それを待っている状態でもあるし、毎週訪問してくださる

リハビリ担当の看護師さんも、お腹を直接触って

張り具合を診てくださり、マッサージもしてもらっている。

 

当然、毎日、下剤も飲んでいるが効かないものは効かない。

(何度、違う薬にしてみたことか・・・)

 

とにかく先週末もそんな状態で、

真夜中(これが悪かった?)にクマ姑がリビングに出てきて

薬の入っていた(危険なので移動した)引き出しを

ガサガサやって下剤を探していたので、

いつもは嫌う液体の下剤を飲みますかと聞いたら

飲むと言う。

 

翌朝、効果を聞いたら飲んだことも忘れていて、

半量くらいを追加で飲んだ。

 

その効果が出たのがその日の夜遅くだった。

 

毎度のことだがクマ姑はトイレに間に合わず、

派手な便失禁となった。

 

しかたがないことなので別に私は「はあ」と思うだけで、

ちゃっちゃと対応できるのだが、ご本人さまがパニックで

廊下とトイレがコンタミでなかなか見事なことになった。

 

清拭、掃除、洗濯。

これを深夜まで2回やった。

介護というのはそういうものだ。

 

ところが翌日になったらこの認知症高齢者は

すべてを「ここは腐ったものを食べさせるから!」と

ひどい剣幕になっており、暴言を浴びせられて

昼食は摂食拒否され、やっとのことでおかゆを三口だった。

 

しかし私は部屋のおやつが前夜に相当量なくなっていたのも

確認済みだし、なんなら廊下にまで柿の種がこぼれていた。

 

特別養護老人ホームに入居することになったことを

告知する予定でいたので、もう半分どう来られても良いかと

思って説明すると、この人は言った。

 

「私は逃げるのね」

 

逃げる?

 

この方はどうも、今いる「腐ったものを食べさせる

危険な施設」にはもういられないので

「他に逃げる」ことになったと理解したらしい。

 

もうそれでいいよ。

なんでもいいよ。

 

何なら嫌だの何だのとぐずぐず騒がれるより

さっぱり終われて良いわ。

 

「あ!でも今まで行ったところは私は無理だからね!」

 

これは以前にお世話になってきたショートステイ先を

言っているようで、過去にこの人はあることないこと、

もとい、ないことないこと言いたい放題で

施設をけなし続けてきたのだ。

 

「ええ。行ったことがない新しいところですよ」

 

こうしてこの人は「クマ妻老人ホーム」が

ひどいところなので、新しい施設にお移りになる、

とご理解されたようだ。

 

でも今度行く先では個室だけれど、

ほんの少しの持ち物しか運び込めない。

それで衣類の多くは処分することになる予定である。

(どうせもう着ないし着られないけど)

 

またこの人はそれらを私に盗まれたとか言って

騒ぐのだろうな。

 

あとはもうプロに任せるしかないわ。

 

残すところあと数日の同居なのに、

今までの私の努力のすべてがこうして

憎しみに満ちた言葉で吐き捨てられることに、

やはり大きく精神的なダメージを受けてしまった。

 

それでもまだ、私の中に渦巻く罪悪感と、

ぶつけようのない悔しさと、実の母への悲しさとが、

ぐるぐると大鍋の中でごった煮になっている。

 

介護とは、人の心をとことん痛めつけるものであると

この修行で学ばせていただいたと思う。

 

あと数日、どうか1時間でも多く穏やかに過ごせますよう。