しろくまです。ʕ •ᴥ•ʔ

登場人物

 

 

Sさん。背は180センチ以上あり、ガチムチ体型。

おちゃらけたような性格で人懐っこいが、急に何かに冷めたり、所構わず大きな声で話す変わり者。現在狂気開放中。

 

前回のお話↓

 

 

 

S「~略 今回のことを事務所と相談した結果、あなたを暴行罪として事務所総出で訴えます。慰謝料も請求しますので、内容証明をご実家にお送ります。」

 

 

Sさんからのラインの内容に、全身の血の気が引いていくのが自分で分かった。

私はそこまでされるような事を、Sさんにしたのだろうか…

 

昨日はかなり飲んでいたとはいえ、記憶は鮮明に残っていた。

 

確かに私はSさんの頬を引っ叩いた。

それは事実。

そこまでのことだったのか…

 

 

昨日最後に行ったお店のママさんとは長いお付き合いの友人なので、電話して昨日事を客観的に伺うことにした。

 

 

マ「そんな事あったね。でもあれはSさんのいきすぎた悪ノリでしょ?

怪我するようなレベルとも思えないし、そのあともSさんゲラゲラしてたじゃない?

なんでまたそんな事を言ってくるか、私は理解不能だわ…。」

 

 

ママさんは、もし警察が来て事情聴取されたとして正直に話したとしても、問題ないわよと優しい口調で諭してくれた。

 

 

自分なりに暴行罪や傷害罪についてネットで調べてみたが、判例としてピンと来るものがなかった。

 

訴えられたくはないなぁという気持ちも正直あったが、理由はどうあれ、叩いてしまったことは事実。

 

その事については、Sさんに謝罪した。

電話には出なかったので、ラインになってしまったけれど。

 

私のラインに既読が付くことは無かった。

 
 
 
数日後、Sさんが所属している事務所の名前が書かれた封筒が家に届いた。
 
宛名はなんと私の父の名前だった。
 
 
悪い予感しかしない手紙。
たまたま受け取ったのが私で良かった…。
 
(私の住所も父の名前も、沖縄旅行で記入した住所と緊急連絡先から拝借したのだろう)
 
 
鼓動が高まる_私は緊張していた。
高い所から急に落下する時に感じるような、腹の奥に重力みたいな物を感じる。
 
 
封を切り、三つ折りにされた紙を取り出した。
 
手紙の内容は、先日Sさんがラインで言っていた事が冒頭に書いてあった。
そして、ラインの内容に文章が加筆されていた。
 
 
「おたくのお子さん、ゲイでいかがわしいお店にも出入りしてますよ」
 
 
 
おいっ!!!オエーむかっ
 
 
ゲイだけどさ、いかがわしいお店って…
確かにゲイマッサージには行ったけれど、も。(照)
 
 
その時の私はそこまでの余裕はなく、かなりの怒りが込み上げていた。
最後の親への「ゲイ」のアウティングは立派な罪だろうよ、と。
 
 
Sさんには私と父の関係性も話していた分、無性に腹が立った。
もう戻れない。
 
でも、何かするわけではなくSさんの出方を待った。
 
 
Sさんは送った手紙をうちの親が読んだと思って、返事を待っているのだろうか。
それ以降Sさんから連絡が来ることは無かった。
 
 
暫くして、友達伝にSさんのうわさが耳に入ってきた。
SNSでの投稿がヤバいと。
 
普段SNSを見ない私だったが、鍵がないとのことだったのでSさんのアカウントを探して見に行った。
 
 
私の事がボロくそに書かれていた。
でもそれはまだ予想の範疇。
 
Sさんは、当時一瞬だけ付き合った男性のことも酷い言いようで貶していた。
そして、関わりのない人に噛み付いては暴言を吐きまくっている。
 
 
「醜い体されしてるんじゃねーよ」
「年取ったブスって、何か取り柄あるの?」
「こいつとヤッたけど、ち◯こめっちゃ小さかった」
「なんでこいつチヤホヤされてんの?超ブスじゃん!」
 
 
などなど…でもこれはほんの一部。
もっとひどい言葉がそこら中を埋め尽くしていた。
 
 
Sさんは自身の顔写真も投稿していたのだが、以前と顔つきも変わり果ててしまっていた。
 
ヤク◯のような、威圧的な目。
服装もそれに近いような格好。
 
 
前兆は何となくあった気がする。
けれど、何故こんなにもSさんは変わってしまったのだろうか…
 
 
それから数年が経ち、Sさんから連絡がくることもなかったので、私はSさんの事はすっかり忘れていた。
 
もう二度と関わりたくないし、向こうもそうだったら接点は自ずとなくなるはず。
 
 
 
はず、だった。
 
だけど違った。
 
 
Sさんからゲイの出会い系アプリから通知が届く。
メッセージが届いていた。
 
 
そう、まさかのSさんからのメッセージが…。
 
 
 
つづく。