しろくまです。ʕ •ᴥ•ʔ

登場人物おさらい

 

 

Sさん。背は180センチ以上あり、ガチムチ体型。

おちゃらけたような性格で人懐っこいが、急に何かに冷めたり、所構わず大きな声で話す変わり者。

 

Kさん。普段紳士的で年下には兄貴キャラな男性で、少し背の低い藤木直人のようなイケメンさん。オープンすけべおじさん。

今回の旅では同じ部屋。

 

Tさん。

クロちゃんのおとなしいバージョン。

普段穏やかなのだが、酒が入ると秒で人格が変わる。昔Sさんのことが好きだったみたいだ。

 

前回のお話↓

 

 

沖縄から帰ってきてからも、東京に行くときはSさんと良く遊んでいたが、この頃からSさんの奇行が目立つようになってきた。

 

 

1人で2丁目で飲んでいる時に財布をなくし、全然知らないゲイバーのママさんにお金を借りたり。

 

知り合って間もない男性に高価なプレゼントをあげたのに、3日もしないうちに冷めて彼を無視するようになったり。

 

 
Sさんの友人の性事情を、彼がいないゲイバーで事細かく暴露したり…
 
そして何より、Kさんと些細なことでケンカになり絶縁したらしかった。
 
Tさんとも色々あったらしく、Tさんは周りの友達にSさんとはもうあまり関わりたくないと話していたと、あるゲイバーの店子さん伝に聞いた。
 
 
その頃くらいからか、Sさんから「あの店出禁になっちゃった!」と何度か聞いたことがあったが、Sさんはへらへらしながら言うので、正直あまり深刻に受け止めていなかったが、よく考えたら出禁になる人などそうそういないのだ。
 
 
金銭的な話や友達との絶縁、出禁…
今考えれば、この頃からSさんは何だか変だった。
 
 
その日はSさんが行きたいと言っていた、若い子が集まるゲイバーに一緒に行った。
席につくなり、Sさんは「あの子可愛い!」と大きな声で言う。
それはそれで可愛いのだが、相手の子は少し面倒くさそうな感じだった。
 
まぁ、タイプじゃなかったんだろう。
 
それでも怯まないSさんに、私は頭を小突いて席に戻した。
それなら!とSさんは早々お店を変えようと言い、30分もしないうちにお店を出た。
 
 
数件ゲイバー巡りをし、最後はお互いが知っているゲイバーに行った。
そこには、たまたま私達の共通の知人が飲んでいた。
 
私は昔その人から告白を受け、断った経緯がある。
Sさんもその事は知っており、Sさんは彼を見つけるなり言い放った。
 
 
S「アンタこいつにフラれたんでしょ?!」
 
 
酔っぱらっているのか、声が大きい。
その場にいた全員がSさんの方を見た。
 
Sさんはケラケラ笑っている。
 
その笑いに虫唾が走る、この人はこんな人だったっけ…
私はSさんに無性に腹が立ち、気付くとSさんの頬を引っ叩いていた。
 
Sさんは痛い!と言いながら、まだケラケラしていた。
彼はバツが悪そうにして、二度とこちらを見なかった。
 
どうにかしてこの場の空気を変えるような術を、私は持っていなかった。
 
 
私は急いで2人分の会計を済ませ、Sさんを連れてお店を出た。
 
お店を出た後は、特にSさんには何も言わなかった。
始発が出る時間だったので、Sさんとはそこで別れて私は帰った。
 
 
その日は、帰ってきてから昼過ぎまで寝ていた。
起きてからスマホの画面を見ると、Sさんからの着信が10件程入っていた。
 
何事?!と思ったが、その後にラインも入っていて、大した内容じゃなかったので少し放っておいた。
昨日の事が、私の中で消化し切れていなかった。
 
 
家のことをこなして、落ち着いてからSさんからのラインに返信した。
 
すると、恐ろしい内容が返ってきたのだ。
 
 
S「~略 今回のことを事務所と相談した結果、あなたを暴行罪として事務所総出で訴えます。慰謝料も請求しますので、内容証明をご実家にお送ります。」
 
 
 
つづく。