SHIROKANE句会85[四月]身支度の遅き女やサイネリア  静魚 | SHIROKANE句会

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 愛にある形と深さ春の雷

 

 サイネリアすぐに会いたくなるひとよ

 

 思ひやり人は欲しがりサイネリア

 

                      静魚



 令和六年四月のSHIROKANE句会のご報告です。 参加は静魚先生、夜空さん、結女さん、走流さん、分水嶺さん、地平線さん、陶青子さん、綺羅里さん、美歩さん、むらさきさん、鳥子さん、桃兎の12名。 毬さん、知花さんからの投句を含め、全九十八句の中から、先生の特選、選と参加者それぞれの特選を清書順にご紹介いたします♪ 

 

 

今月の兼題

[春の月 春月、春月夜、春満月] 

[シネラリア サイネリア、白妙菊、富貴菊、蕗菊、蕗桜]

 他当季雑詠

 

 

 

 

 

 

 

 

 [河内静魚 特選]※全六句 ◎は特選中の特選です♪

 

 新品のPC起動春の月           陶青子

 

 キッチンカーのどこか控へ目サイネリア   走流

 

 春月や大島紬のにぶき艶          美歩

 

 富貴菊同じ顔して咲き誇る         鳥子

 

◎結女句

 

 花冷えや肩のあたりに足りぬもの      美歩

 


[河内静魚 選]※全十九句
 

 どこ迄が咲けば満足サイネリア       分水嶺

 

 春ショール押さへつ上る錦帯橋       夜空

 

 花冷やチョコレートボンボン剥きかけて   桃兎

 

 サイネリア焼き立てクッキーつまみ喰い   知花

 

 推敲を重ぬる脇のサイネリア        陶青子

 

 花冷や旅の地酒を少し酌み         地平線

 

 サイネリアふはりと坐るチマチョゴリ    夜空

 

 湯の町の海に上りし春の月         地平線

 

 うつすらと雲の色づく春の月        分水嶺

 

 サイネリアエキゾチックな港町       毬

 

 帰り道のいつも上りや春の月        桃兎

 

 先頭はもう陽炎の中にゐる         結女

 

 ホーチミンにて

 春の月サイゴン川に舟連れて        毬

 

 教会の十字にかかる春の月         分水嶺

 

 ホーチミンにて 

 サイネリア多国籍語の裏通り        毬

 

 庭先に朝日あつまりサイネリア       地平線

 

 たんぽぽや自由は私の一部なり       むらさき

 

 ほどほどに寂しくて良し春の月       綺羅里

 

 彩どりを揃えて贈るサイネリア       分水嶺

 

 

 

[夜空 特選]

 生湯葉のふつくり炊かれ春の月       桃兎

 

[むらさき 特選]

 春の月兎の尻尾先丸し           知花

 

[走流 特選]

 シネラリア好きといはれて好きになる    結女

 

[分水嶺 特選]

 さういへばお手玉は何処サイネリア     桃兎

 

[陶青子 特選]

 キッチンカーのどこか控へ目サイネリア   走流

 

[桃兎 特選]

 春の月煮切りみりんに溺れけり       結女

 

[綺羅里 特選]

 春月や大島紬のにぶき艶          美歩

 

[結女 特選]

 花冷えや肩のあたりに足りぬもの      美歩

 

[地平線 特選]

 彩どりを揃えて贈るサイネリア       分水嶺

 

[美歩・鳥子 特選]

 水桶に一滴の墨春の月           桃兎

 

 

以上でした♪

 

 

次回、2024年5月の句会の兼題です。

 

[春惜しむ 惜春] 

 行く春に名残を惜しむ心で、主情的な季語である。自然も生活も明るく活気に満ちた季節だけに、過ぎゆく春への思いは、寂しさひとしおの感がある。

 

[長閑(のどか) のどけさ、のどけし、駘蕩(たいとう)]

 長い春の日の、穏やかな気分のことである。天も地も人も、この世のすべてがのんびりとゆったりしているのである。春の季感の一つにのどかなこころの状態を発見し、うらうらとともに『枕草子』の頃から使っている形容だが、いまは春の陽光の明るさをうららかとして用い、ゆったりとした春の一日をのどかとして使っている。駘蕩はそのような春の景色の様相を指している。

 

 (「合本現代俳句歳時記」角川春樹編 より)

 

  ことごとく箱空にして春惜しむ   川村智香子

 

 

 

●次回:2024年5月4日土曜日 13:00〜  会場:白金台いきいきプラザ(白金台駅1番出口向い) 2F-B室

●兼題で四句、当季雑詠で三句、の計七句お持ちください。