当会のブログでも今年1月に紹介しましたが、5月1日から5月5日まで5日間の日程で開催される東葛印旛大師(准四国八十八ヶ所東葛印旛大師巡拝(送り大師))がまもなく本番を迎えます。

今年は結願区を白井市の平塚地区が担当します。前回平塚地区が結願区を担当されたのが平成16年(2004年)ですので、実に22年振りに結願区を担当されることになりました。

 

昨年(令和7年)5月5日に結願区を担当された柏市(旧沼南町)大井地区から什物一式を引き継ぎ、5月21日から毎月21日に延命寺の稲葉正秀師のもとでオコモリをして本番に備えてこられました。令和8年のスローガンは「共に歩もう 明るい未来に向かって!」です。

 

ブログ管理人が延命寺を訪問したのは巡拝前の最後のオコモリが行われた4月21日で、オコモリ終了後には巡拝本番に向けた打合せが行われていました。

既に『平塚結願実施計画書』や巡拝の際に肩にかける手拭いもできあがっていたほか、境内及び大師堂の前には今年のスローガンが書かれた幟り旗も立てられていて、本番が間近であることが実感できます。

 

今のところ、天気は5月1日と3日が若干崩れるようですが他の3日間は晴れの予報となっています。22年ぶりの結願が、弘法大師のご加護のもと滞りなく盛会裏に実施できますよう祈念いたします。

 

なお、東葛印旛大師(准四国八十八ヶ所東葛印旛大師巡拝(送り大師))の公式サイトには「巡拝に参加希望の皆様へ」と題したページがあり、講員以外の方に向けた巡拝参加方法が丁寧に紹介されていますので、事前に確認されることをお勧めします。

 

今年の東葛印旛大師の実施について紹介した記事

令和8年東葛印旛大師は平塚地区が結願区を担当します | 白井市郷土史の会のブログ

東葛印旛大師公式サイト

准四国八十八ヶ所東葛印旛大師巡拝(送り大師)公式サイト

巡拝に参加希望の方へ

准四国八十八ヶ所東葛印旛大師巡拝(送り大師)公式サイト - 巡拝に参加希望の方へ

 

『平塚地区結願実施計画書』(左)と結願区手拭い(右)

※4/21のオコモリの際にいただきました

 

結願区手拭いに書かれた文字

 

最後のオコモリ終了後の延命寺本堂

 

大師堂前に立てられた

今年のスローガンが書かれた幟り旗

 

幟り旗を正面から

 

渡辺崋山が文政8年(1825年)に武蔵・上総・常陸・下総の4州(4ヶ国)を旅行し、道中で見た風景を描いた絵が「四州真景図」です。

 

この「四州真景図」が崋山の出身地である愛知県田原市にある田原市博物館で、特別展示「描かれた風景-重文 渡辺崋山『四州真景図』と重文 椿山『山海奇賞図』ー」と題した展示会で展示されています。

ここ白井市からはやや遠い場所ですが、20年ぶりの展示とのことですので関心のある方はぜひ観覧に訪れてはいかがでしょうか。

なお、特別展示の会期は令和8年(2026年)4月11日(土)~6月7日(日)までですが、「四州真景図」の原資料が展示されるのは4月25日(土)~5月6日(水)となっているそうですのでご注意ください(この期間以外は複製の展示となります)。

 

「四州真景図」には31の絵がありますが、その中の1つ「釜原」は木下街道が絵の中央に描かれ、また描かれた場所が白井市なのか鎌ケ谷市なのかといったことも密かに話題となっています(現在は鎌ケ谷市説が有力ですが…)。

「四州真景図」の「釜原」が描かれた場所についての記事を当会のブログでも3回に渡って紹介していますし、田原市博物館のHP等のリンクを貼っておきますので、参考に読んでみてください。

 

また、椿椿山といえば、「印西牧場之真景図」を描いた印西市発作の腰川芳齊が晩年の椿山に弟子入りしているなど、白井市域周辺と渡辺崋山、椿椿山は歴史的にも関係があります。

 

※全くの余談ですが現在の田原市博物館の館長と当ブログの管理人は大学の同級生で同じ学部で学んだ仲です。

 

田原市博物館HP

田原市博物館

「描かれた風景-重文 渡辺崋山『四州真景図』と重文 椿山『山海奇賞図』ー」展示作品リスト

egakaretahukei_list.pdf

 

田原市博物館インスタグラム

Instagram

 

「釜原」を扱った当会のブログ

『四州真景図』に描かれた「釜原」は何処?(その1) | 白井市郷土史の会のブログ

『四州真景図』に描かれた「釜原」は何処?(その2) | 白井市郷土史の会のブログ

『四州真景図』に描かれた「釜原」は何処?(その3止) | 白井市郷土史の会のブログ

 

「釜原」(渡辺崋山『四州真景図』)より

白井市郷土史の会令和8年5月例会解説付き見学会】「木下交流の杜歴史資料センター」と国指定天然記念物「木下貝層」を開催します

5月例会は、印西市にある展示施設と史跡の見学会となります。

最初に印西市「木下交流の杜歴史資料センター」で展示見学を行い、その後、同センターから近い場所にある国指定天然記念物「木下貝層」の露頭に移動して見学を行います。歴史資料センターでは印西市職員の方による印西市の歴史についての解説付きとなります。

木下街道を通じて白井市とも繋がり、また、昭和29(1954)年には永治村の一部(谷田、清戸、平塚、十余一地区)が編入合併してが現在の白井市域のもととなる「白井村」が成立したり、平成に入ってからは途中で中止になりましたが印西市と白井市の合併が検討されたりする等、両市は歴史的も非常に密接な関係があります。

※今回は見学会のため事前申込が必要となります。詳細は以下をご確認下さい。

 

白井市郷土史の会令和8年5月例会

【解説付き見学会】「木下交流の杜歴史資料センター」と国指定天然記念物「木下貝層」

日時 令和8年5月9日(土)10時~11時30分

集合場所 木下交流の杜歴史資料センター入口 9時50分

     住所:千葉県印西市木下1489-1

     ※施設に近接して駐車場があります

募集人数 15人

参加費 400円(資料代等)

申込 メールで参加希望者全員の氏名、性別、居住地(大字まで)を記載して白井市郷土史の会事務局(hitoha0419@yahoo.co.jp)へ、5/1(金)から5/6(水)までの先着順

参加可能な方には事務局からメールにて5/7(木)までに連絡します。

※参加したいけれども現地までの足が無い方はご相談ください

 

印西市立木下交流の杜歴史資料センター | 印西市ホームページ

木下貝層[国指定天然記念物] | 印西市ホームページ

白井市域南端の富ヶ沢地区では、毎年1月25日に「辻切り」という民俗行事が行われています。

 

「辻切り」は、人々に害を与える悪疫等が集落(現在の単位に言い換えると「地区」)に侵入してくるのを防ぐため、地区の出入口にあたる場所に幣束等を設置して悪疫等が入らないようする行事として各地で行われています。

千葉県北部では、市川市国府台や佐倉市井野・八千代市下高野地区等で行われる「大蛇」を集落の境界に設置する「辻切り」が著名ですし、富津市等では大きな草鞋を集落の境界に吊るす行事があります。

いずれも地区の境界から悪疫等が入ってこないようにするという、地区の境界で行われるという共通点があります。つまり、悪疫等は道を通じて外部から地区に入ってくるものと信じられていたと捉えらます。

 

富ヶ沢地区で行われる「辻切り」は、「富ヶ沢の辻切り」という名称で白井市の指定文化財に指定され、白井市のHPでは「富ヶ沢の辻切りは、陰陽道や密教などに由来すると考えられる「鬼鬼鬼 急々如律令」の文字や五芒星、縦横各9本の格子文が書かれた特徴的な木札を下げたもので、市内に他に類例が無い、市内を代表する辻切り行事です。こうした形態の辻切りは千葉県下でも希少なものです。」と解説されています。

 

江戸時代以前に成立した村(集落・地区)はその範囲が決まっていますが、「辻切り」の幣束等が設置される場所を確認すると、そこは行政界としての境界ではなく、人々が居住する集落域の境界に当たる場所であるることがわかります。

つまり、「辻切り」が行われる場所がその地区(村・ムラ・集落)で人々が居住する場所とそれ以外の場所の境界であったのでしょう。

 

ところで、「富ヶ沢の辻切り」で使用される御札に書かれている「急々如律令」は「きゅうきゅうりつりょうのごとし」と「きゅうきゅうにょりつりょう」と二通り読めるようですが、昨今では後者が一般的なようです。

 

「辻切り」で設置される幣束等は、その後風雨にさらされながらも1年間同じ場所で悪疫等の侵入を守ってくれます。そのため、形が多少崩れたりすることは仕方がないことですが、逆に日にちが経過することでよりいい風合いになってくるといえます。

「富ヶ沢の辻切り」で設置される幣束等は、千葉県立中央博物館の常設展示「自然と人間のかかわり展示室」の一角に地区の境界で行われる民俗行事で使用される資料の代表例の一つとして複製品が展示されていますので、設置直後のもともとの形態を確認したい方は、千葉県立中央博物館に行ってみることをお勧めします。

 

【参考文献・資料等】

富ヶ沢の辻切り(市指定文化財)/白井市

【文化財】富ヶ沢の辻切りの動画を公開/白井市

小野博史 2003「23.富ヶ沢の信仰」 青木俊也他『白井市の民俗1』~民間信仰~ 白井市教育委員会

鈴木普二男 2004「辻切り」「富ヶ沢の歴史考」 『白井の文化遺産史』

 

富ヶ沢川にかかる橋付近(その1)

 

富ヶ沢川にかかる橋付近(その2)

「鬼鬼鬼 急々如律令」の文字が見えます

 

富ヶ沢橋付近(その1)

 

富ヶ沢橋付近(その2)

「五芒星」「九字」(縦横各9本の格子文)が書かれています

 

光明寺付近

機関誌『たいわ』第41号を刊行しました。

会員諸氏からの投稿と、例会における外部講師による講演要旨等も掲載しています。編集は小林正継会員が担当されています。

今後、千葉県内近隣自治体の図書館等にも順次寄贈いたします。発行は令和8年(2026)年3月31日付で、頒布価格は500円(送料別)となります。

 

【目次】

はしがき

1 研究・随想等

石堂正彦「江戸時代の身分制度における周縁的身分・壱人両名-白井市域の事例を通した身分移動ー」

髙花宏行「佐倉炭創始に係る伝承と川上右仲」

髙花宏行「佐倉炭創始者として川上右仲が紹介されている冊子等について」

小林正継「我が家に残る懐かしい昭和グッズー踏み台、火鉢、まり-」

小林將「再考・白井の『徳本上人名号塔』と『手洗石』」

 

佐藤誠【講演要旨】「日本の神社と印旛沼周辺の神社~神社信仰とは何か?」

2 白井市郷土史の会関係資料

『たいわ』の歴史と全号の目次

白井市郷土史の会会則

令和7年度の事業報告、令和8年度の事業計画

あとがき・編集後記

 

※購入希望等の問い合わせは以下の連絡先までメールにてお願いいたします。

  hitoha0419★yahoo.co.jp(★を@に変換)