人間万事塞翁が馬(随筆)【34】東博『神護寺』展、でもこのグッズは・・ | 遊行聖の寺社巡り三昧                            Yugyohijiri no Jishameguri Zanmai

我が家では数多くのぬいぐるみが活躍しています。

これは東博『中尊寺金色堂展』で購入したクッションで、持国天に踏まれている邪鬼をモチーフにした斬新さに舌を巻きました。

そして東博『浄土宗850年展』では、極楽温泉の風呂桶と手拭い、そして撮影可だった法然寺の白象ぬいぐるみに大笑いしてしまいました。

また番外編は先日ご紹介した国立科学博物館のダイオウイカで、その愛らしさから現在は我が家のリビング中央を飾るインテリアとして活躍しています。

そしてこれは日蓮宗アプリ『合掌の証』に応募して獲得した小僧さんですが、我が家の仏壇に向かって毎日経典をあげてくれています。

このように最近ぬいぐるみ集めに執心している私は、本展は勿論ですが、ミュージアムショップで関連ぬいぐるみを買うことも楽しみにしていたのです。

ところがまず目についたぬいぐるみは、神護寺の有名な「かわらけ投げ」に因んだこのクッションでした。

制作者の気持ちは良くわかるのですが、何のひねりもなく、かわらけ故に造形的な面白さもない高額グッズを買う気持ちにはなれませんでした。

もう一点は、薄っぺらい蝶か蛾かわからない形態をしたぬいぐるみでした。

画像をご覧頂くとわかりますが、確かに本展で展示されていた経帙(きょうちつ:経巻を納めるブックカバー)の隅についている小さな装飾を模したぬいぐるみです。

家に帰って図録を見て気づいたのですが、前出の邪鬼や象とは違って、いくら何でも仕掛けが小さく難解過ぎて楽しい謎解きにはなっていません。

しかも可愛さが感じられない造りですから、見ただけで愛着が湧くはずもありません。

グッズを担当された方、ちょっとやり過ぎです。

反面、図録の出来は大変素晴らしく、御朱印帖も木製の表紙を彫り込んだデザインで思わず買ってしまいました。

もちろん本展は薬師・日光月光・五大虚空蔵・十二神将が素晴らしく、仏像ファンとしては文句のつけようもない充実ぶりでした。

特に拝観したかった五大虚空蔵菩薩は、曼荼羅の配置を模した円形の展示で、私と美月はその周りを三周してしまうほど大感動しました。

書ではありませんが、弘法大師の三筆にあやかって、もっと上手に絵が描けるようご尊像に心の中で手を合わせていた私です。