人間万事塞翁が馬(随筆)【15】仲直り | 遊行聖の寺社巡り三昧                            Yugyohijiri no Jishameguri Zanmai

還暦過ぎた男と女が別れたり仲直りしたり・・元日に孫を連れて遊びに来た私の次男も呆れているようでした。

今は「連れ合いの美月」と書いていますが、それぞれの家があり、それぞれ三人の子供がいる戸籍上は独り者同士です。

十数年前から週末を伴に過ごすようになり、還暦を過ぎてからは、私の家をリフォームして美月が土曜日の夜は泊まるようになりました。

週末婚と言えば格好もいいのですが、還暦を過ぎて私の収入が激減したため、毎週末のホテル代と外食費(3万円×52週=156万円/年)を負担するのが大変になったからです。

お互い頑固者で、一度喧嘩をすると戸籍上・社会制度上の修復力が働かないため、糸が切れた凧のように仲直りする機会が一切無くなってしまいます。

ですから籍を入れている夫婦とは異なり、お互いの感情が仲直りを望まなければ、永遠に関係修復することが出来なくなってしまうわけです。

今回の喧嘩は二ヶ月に及びましたが、結果的には寛大な(?)私が折れて、先週は鎌倉遊行、先々週は群馬遊行と日常生活に戻ることが出来ました。

結局、二人で居ることが一番楽しいのだと思います。

週末は何処へ行っても、家に居ても、ずっと二人で喋り続けています。

車で長旅しても、ラジオや音楽は一切聞いたことがありません。

それでも足りなくて、平日は朝から夜までメールを交わしているわけですから、本当に飽きることが無い「みうらじゅん氏&いとうせいこう氏」のような関係性なのでしょう。

実は二人とも1962年8月23日生まれです。

出逢った頃は運命とか宿命とかが嫌いで、「誕生日が同じなのは偶然だ」と言い張って来たのですが、この年にまで至ると何やら不気味にも感じてしまう今日この頃です。

このブログには占星術の方もお見えになるので、是非同じ生年月日の相性をコメント頂ければ有難く、或いは研究材料として活用頂ければ幸いです。

先週、鎌倉の細い山道にポツンと一基、名も無い庚申塔を見つけました。

供えられた真っ赤な造花の椿がとても古い石仏に調和して見えました。

「近所の人から何百年も大切にされて来たのね」

「観光地ではない小道だけど、今も鎌倉には歴史と信仰が息づいているんだね」

一基の庚申塔だけで二人の会話は無限に広がって行きます。

1月13日、遠く虚空蔵堂からは初護摩供の読経が聴こえて来ました。

今年は二人で鎌倉十三仏霊場巡拝から始めることにしました。

観光客ばかりで嫌いだった鎌倉が、今は程よく高齢になった二人を優しく迎えてくれているように感じています。