ドクターの予言。 | 文武両道を目指す14歳、悪性リンパ腫になる Part2

文武両道を目指す14歳、悪性リンパ腫になる Part2

高等支援学校3年生の娘と、高校1年生の息子の母です。
勉強にサッカーに大忙しの息子がR4.3月、13歳の時に
悪性リンパ腫(Tリンパ芽球性リンパ腫)と診断されました。
8ヶ月の入院治療を終えて、いまは外来で維持相の治療中です。

「来週から朝から学校に行くね。」と息子が言った。

 

最近は1時間目の終わり頃から登校していた。朝は相変わらず薬以外は口にできないけれど、前ほど吐き気は強くないように見える。

 

息子の言葉に「おっ!」と思ったが、当日になってやっぱりダメだったということも充分ありうる。

 

軽く「何時に声をかければいいの?」と聞くと「7時」とのこと。了解です。

 

当日、7時に声をかけるとモゾモゾ布団の中で動いていたが、いつの間にか起きてきた。薬を飲んでバタバタと着替えをして歯磨きは適当、7時半には「行ってきます」と家を出ていった。

 

息子が行った後の部屋を眺めながら、深いため息。退院から1年、ようやくここまでたどり着いた。

 

きつい抗がん剤治療を乗り越えて退院したものの、心と体のバランスを大きく崩して登校できなくなった。退院したら元通りの生活に戻れると思っていたけれど、待っていたのは想像とは全く違う生活だった。息子は次第に口数が少なくなり、同時に吐き気が強くなって外出もしなくなった。

 

まるで深い海の底に沈んでうずくまっているように思えた。

 

私自身、どうすればいいのか分からなかった。ただ、闘病が影響していることだけは確か。9ヶ月も一人でつらい治療に耐えてきたのだから、心の回復に同じくらいの時間がかかってもおかしくない。

 

息子の力を信じて待とう。親ができるのはそれしかないと、自分にひたすら言い聞かせてきた。

 

 

 

息子はその後も朝から登校して、そのまま冬休みに入った。受験生なので冬休み中も学習会があり、朝から参加している。

 

思春期外来で報告すると、ドクターはにんまりしながら「ね、前に言った通りだったでしょ?」

 

以前「12月頃には、普通に登校できるようになると思いますよ。」と言われていたことを思い出した。その頃は、朝から登校なんて考えられないような状態だったので、全然信じていなかったけれど。

 

ドクターの予言は当たった。やっぱりプロってすごい!