去年の今頃。 | 文武両道を目指す14歳、悪性リンパ腫になる Part2

文武両道を目指す14歳、悪性リンパ腫になる Part2

高等支援学校3年生の娘と、高校1年生の息子の母です。
勉強にサッカーに大忙しの息子がR4.3月、13歳の時に
悪性リンパ腫(Tリンパ芽球性リンパ腫)と診断されました。
8ヶ月の入院治療を終えて、いまは外来で維持相の治療中です。

心がざわざわして落ち着かない。

 

去年の今頃、息子は縦隔にできた悪性リンパ腫で気管が圧迫され、咳や痰が出始めていた。

 

風邪?コロナ?近所のA小児科では風邪との診断、薬を処方してもらっていた。

 

咳や痰が止まらないので薬を追加してもらっているうちに、縦隔の腫瘍は息子の気管を押しつぶし、命の危険がある状態になっていた。ほんの2週間程度の間に。

 

縦隔以外にも首のリンパ節、腎臓、膵臓、脳、脊髄、体のあちこちにがん細胞は散らばっていた。まさかそんな事になっているなんて全く考えず、最近痩せたなあ、食欲ないなあなんて思っていた。

 

何か違和感があり、B小児科で相談しようと思い立った。運が良くB小児科で朝一番の予約がとれ、市立病院にすぐ紹介され、運が良く天気が良かったのでドクターヘリで大学病院に搬送してもらい…

 

子どもの命が運で左右されるのは切ない。息子は運が良かったと言えるかもしれないが、そもそも小児のTリンパ芽球性リンパ腫は10万人に1人の確率。運がいいのか悪いのかよく分からない。

 

大学病院のドクターは私に、「この病気はあっという間に進行するので、早期発見は無理。そして早く見つかったとしても、治療方法は変わらない。」と言った。「早く気がつかなかった自分を責めないで。」と。

 

きつい抗がん剤治療と長い入院治療を終え、退院して3ヶ月。息子の体調はまだまだ良くならず体も痩せ細ったままだけれど、明るく前向きに過ごしている。息子が元気に過ごしていれば、それだけでうれしい。

 

それでも、たぶん何年経っても今の時期は、当時のことを思い出して心がざわざわするだろう。もっと早くB小児科に診てもらっていれば、と思うだろう。

 

「ここ数日は命の危険があります。」と言われた時のことを思い出すだろう。