愛のゆくえ | 知らずに死ねぬ程のものではない

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元映画暴食家最近はロコドルイベント通いがメインで、カメコのはしくれ。引退しても渡辺麻友推し。映画は時々観ている。最近は小説に挑戦している。

先週の水曜日。サロンシネマで『愛のゆくえ』を観た。

 

 

 

28歳の新鋭・宮嶋風花監督の商業用長篇デビュー作で、自身の半生がベースになった作品とのこと。

 

あの吉本興業が本作に出資していたが、内容は結構シリアス。ヒロイン・愛のモノローグによる冒頭の家庭環境説明シーンだけはアニメを用いたちょっとコミカル調ではあったが、それ以外は淡々と時に説明を省いた演出だったので、ここだけ若干浮いていた。

 

本作に登場する大人達が揃いも揃ってダメなヤツばかりで、愛と宗介がそんな大人達に振り回されていた。宗介の母親は明らかに心が病んでいたし、愛の父親も思い切りクズ。愛の母親が一番しっかりした大人なのだがお節介が過ぎて「変なオバサン」と奇異に見られて娘の愛が陰湿なイジメに遭う要因になったり、人の世話ばかりに懸命で自身のことが後回しなので体調不良なのに無理し過ぎたのたたって急死。結果的に愛を路頭に迷わせてしまった。

 

田中麗奈が愛の母親役を好演していたが、かつての“なっちゃん”がイマや母親役が多くなったな。

 

そんな愛に手を差し伸べるのが、転校先の学校の不良のレッテル貼られた先輩や漁船に住むワケありホームレスで、社会からのはみ出し者同士がまるで共鳴するが如く。

 

愛役の長澤樹は感情表現が不器用なヒロインという設定なので全編ほぼ真顔で演じていて、それはアキ・カウリスマキ監督作品のヒロインを彷彿させた。ホームレス達と得意のアートを通した交流シーンで唯一笑顔を見せるのだが、この笑顔がとても可愛かった。

 

宗介役を演じたのは、窪塚洋介の御子息・窪塚愛流。後半である姿を披露するのだが、父親譲りの細身の身体と美形なので、妙に似合い過ぎていた。

 

それにしても、ラストシーンが異様過ぎ。『悪魔の追跡』(1975)のラストかと思ったね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Ameba映画部