先月27日。広島バルト11で『PLAY!~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』を観た。
四国の徳島が舞台のeスポーツを題材にした青春モノで、『まぶだち』(2001)、『ロボコン』(2003)、『「また、必ず会おう」と誰もが行った。』(2013)、『のぼる小寺さん』(2020)といった水準高めの青春映画を安定した演出力で撮ってきた古厩智之監督の最新作である。
本作での奥平大兼と鈴鹿央士の関係性は『ロボコン』における長澤まさみと小栗旬を彷彿させて微笑ましいところはあったが、本作には『ロボコン』のようなカラッとした軽妙さはあまりない。
特に「勝つとか負けるとかは、どーでもよくて」というサブタイトルが後半になるにつれて若干苦いカンジで回収されて行く。だからどっちかというと『まぶだち』寄りっぽい。コロナ騒動が本作に影を落としているカンジだな。
それにしても、青山真治監督作品の常連だった斉藤陽一郎と井口昇監督『クルシメさん』(1998)や黒沢清監督『大いなる幻影』(1999)等でヒロイン役を演じてきた唯野未歩子が主人公達の親の役柄で顔を出しているところは個人的には歳月と共に感慨を覚えた。