一昨日、横川シネマで『シャーマンの娘』を観た。
タイトル通り、祈禱師の娘でJKの赤星海花が主人公の連作形式のホラーファンタジーモノとなっていたが、怖さはない。どころかジャンルレスな作風。
前半はピザ宅配員の青年と事故死した恋人の幽霊とのラブコメが展開したかと思ったら、途中から突発的にエゲツない展開に。メインタイトルが本作の後半に入る時に出てきたり、章毎にトーンが異なったり、何故か静止画映像のシーンがある等、表現がどんどんシュールになって行く。YouTube公開されている本作の4本の特報にいたっては、あくまでクラファンアピール向けに撮られたものなので、本編には出てこない。だから独立した短篇作品の色合いが強かったな。
なんといってもクセが強く孤高な海花のキャラ立ちっぷりが本作の見どころ。除霊が得意だけど、悪霊だろうがなかろうが関係なく容赦なく除霊する理不尽なヒロインで、除霊のアイテムとして金属バットが用いられ、除霊シーンでは幽霊を刃物メッタ刺しなのがエグ過ぎ。やってることがどう見ても猟奇殺人鬼そのものである。演じる木原渚がクールビューティーな顔立ちで存在感も圧倒的。そしてセーラー服と黒タイツ姿なのが素晴らしい。
海花の父・哲史との複雑な父娘関係や生い立ちも描かれていて、哲史役をヴィジュアリストの手塚眞が演じていた。手塚は役者としてもワリと出演していて、大林宣彦監督『ねらわれた学園』(1981)でのいつもヘラヘラ笑っている薬師丸ひろ子のクラスメイト役が印象深かったな。
なお横川シネマでは本日まで公開していて、19時10分のみ上映である。