横川サスペンス | 知らずに死ねぬ程のものではない

知らずに死ねぬ程のものではない

元映画暴食家最近はロコドルイベント通いがメインで、カメコのはしくれ。引退しても渡辺麻友推し。映画は時々観ている。最近は小説に挑戦している。

昨日、映像文化ライブラリーで『横川サスペンス』を観た。

 

 

 

2005年に製作された、広島発の自主映画である。観るのは公開時以来かな。シータプロジェクトというクレジットが出ると、スゴく懐かしく思った。若い頃よく横川シネマに行って、シータ制作の自主映画を観たりしていたから。

 

タイトル通り横川を舞台にしていてサスペンスとタイトルが付いているけど、血に塗れるようなシーンは一切なく、クセ強過ぎるキャラ達がハチャメチャにどんちゃん騒ぎしているような印象の作品だ。

 

今回改めて観たが、色々謎をちりばめてからクライマックスで遡りを繰り返して答え合わせの如く別角度もみせるという作劇は、『コンフィデンスマンjp』シリーズと同じノリだ。脚本の末田晴は広島を拠点にした小劇団で活動している劇作家兼演出家。横川商店街という空間での群像劇の組み立て方が舞台的であった。

 

本作は実際に行われた可部-横川間を走った国産初の乗り合いバスを再現するプロジェクトのドキュメント映像も盛り込んでいて、かよこバスと命名されたこのバスが夜の横川町内を走るシーンが最大のクライマックスとなっていた。なので実質的にはかよこバスが主役といっていい。

 

本作で突然失踪した母親の行方を必死に探すヒロイン役を演じた竹村亜依。目力の強さが印象的であったが、実は女優でなく漆造形作家が本職。演技仕事はこれ1本きりであった。相手役の河村竜也は当時シータプロジェクト所属の役者であった。現在は東京で活動している。

 

そして本作を撮った神酒大亮監督。広島市立大学在学中にシータプロジェクトを立ち上げて、『バス停』、『Sugarless』、『Mine』等を発表。2000年から約5年間緩いユーモア感覚と色彩豊かな映像センスで広島の自主映画シーンを席巻していた。自主映画のみならず深夜番組も手がけたことがあった。

 

本作撮影時、神酒監督は既に活動拠点を東京に移していたので、これが広島での最後の作品となった。

 

神酒監督は東京で映像会社ムービーインパクトを立ち上げていて、現在も独特の映像作品を発表している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近見た映画はこれ

 

Ameba映画部