この夏に仲間と北海道にツーリングに行きます
早朝フェリーで小樽に入って一気に稚内まで
ほう、
小樽から一気に稚内までってか
それは元気があっていいな
オロロンラインはいいぞう
道はどこまでもまっすぐ
信号もない
ああ どっかにあったな
でも滅多にない
真夏、つまり７月 ８月でも暑くなく、
ジメジメしないカラリとした気候だ
草を喰む牛たちがのどかな風景を見せてくれる
少し脇道に入ると
北海道名付け親
松浦武四郎の像がある
天気が良ければ遥か彼方に見える
利尻富士が美しい
内地から来たライダーたちは
ここはライダーのパラダイスだという
リピーターも多いと聞く
しかしなあ
雄冬から増毛あたりは気をつけろ
なんかあったんっすか
うん
いつの頃からか毎年、雄冬あたりでライダーが消えると言う噂がある
ちょうど雄冬と増毛の間だ
「北海道にツーリングに行ったきり帰ってこない」
家族から捜索願があった
一週間ほどと言っていたのにもう３ヶ月も音沙汰がない
警察が聞き込みに行ったら近くの住人、数人がその男を見たという
確かにこの男だ
木陰で休んでいた
地元の人間は
珍しい事をするもんだと思った
なぜなら
そのあたりは景色がいいわけでもないし給水できるところでもない
なのになぜこんなところでしゃがみ込んでいるのか
オロロンラインから少し内陸に入ったところだ
何か困ったことでもあるのかと思い声をかけてみようと思った者が何人もいた
しかし見たところその男は困っている様子もなかったので
誰も声をかけなかった
その後、海に落ちたとか
いいや
オロロンラインは海沿いだが間違っても海に落ちるような所はどこにもない
それより昔のたたりでないかという話だ
え〜っ
たたり
なんで
その昔、幕末の頃の事、
ここに殺人鬼が住みついていた
次々と旅人を襲い殺したあげく金品を奪った
殺人鬼によって殺された者の数は少なくとも１０人
もっと多いと思う２、３０人いたかもしれない
殺された人たちは悔しかっただろう
そんなところで死にたかったはずはない
あの当時、蝦夷地に行くとはよっぽどの覚悟があった
亡くなった人達は増毛の海音寺に地蔵として祀られているという
しかし
成仏していないんでないかな
えっ
どうして
その時殺された者は
海音寺に祀られていると聞き増毛の曹洞宗海音寺に行ってみた。
亡くなった人を祀ってある・・・
と言ってもどこに地蔵があるかわからない
寺を探してみてやっと探し当てたが
なんと粗末なことか
これでは成仏できない
誰も関心を持ってくれない
それをライダーに気づいてほしんでないかと俺は思う
その後
バイクだけが発見された
事件からだいぶ経っているのに
そのバイクはバッテリーが上がっているわけでもなく
マフラーもピカピカだった
なぜだ
数年後その男は内地で発見されたという
ブラックホールに落ちたとか
謎はこればかりではありません
でも
今日はこの辺で・・・
おまけ
オロロンライン稚内近くにあるバッカイ岩です
その昔、天塩アイヌと礼文アイヌが戦いました
天塩のメノコが礼文からきた戦士に恋をして子供が生まれます
しかしある日男は礼文に帰ってしまう
女は男の帰りを待ち侘び子供をおぶったまま岩になってしまいました
これがそのバッカイ岩です
『抜海』
とはアイヌ語で「子供をおぶった」という意味です
この話に関心のある方はこちらをみてください
今日のお料理
ホタテのカルパッチョ
ご訪問ありがとうございました
文、料理；しらさぎさちこ
イラスト；しらさぎさやか
写真；しらさぎ二郎