八月も末になりました
暑い日が続いていますがそろそろ秋の気配が感じられます
私が中学生の頃、父の友人が鈴虫を飼育していました。
秋になると竹のカゴに鈴虫数匹を入れて知り合いの方達に配っていました
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近くに住む演劇評論家の安藤さんが私たちだけ「鈴虫の音色」鑑賞するのは勿体無い
お寺で「鈴虫の音を聞く会」を開きましょう
ということになりました
どこのお寺だったか覚えていませんが夜、鈴虫の音を聞きながらお抹茶をいただき
安藤さんのお話を聞きました。
私が一番印象に残っているのは「山岡鉄舟」のお話です
山岡鉄舟？？？
誰それ？
これが鉄舟
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これも鉄舟
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「江戸無血開城の立役者』
え〜知らない！
西郷隆盛、勝海舟なら知っているけど…
山岡鉄舟は書の達人、剣の達人、美食家
何よりあんぱんが好きで木村屋の看板は鉄舟氏の揮毫
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あんぱんを食べる人は当時ハイカラと言われたとあるがこれは間違い
ハイカラと言う言葉はもっと後にできた言葉
味付け海苔は明治天皇に献上する発明品でした
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山本海苔の2代目山本徳治郎は鉄舟と千葉道場で共に汗を流した仲。
商人ながら剣道にも長けていました
鉄舟に天皇の京都行幸に持っていくための東京名産を相談されたのです。
徳治郎は醤油とみりんで味付けした味付け海苔を考案、以後宮内省御用達になりました
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山本海苔店には山岡鉄舟の書がたくさんあります
凄い！
なんて書いてあるの？
読めません！
安藤さんのお話は続きます。
鉄舟がその時の人気があった噺家を宴会の席に呼びました。
噺家が何をお話ししましょうかというと
鉄舟はすかさず「桃太郎の話をしてくれ」
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噺家はしばらく考え込んでいるうちに脂汗を垂らし…
・・・
そのうち首をうなだれ
・・・
両手をつき「申し訳ありません出来ません」と言ったそうです
日本人ならどこのお母さんでもできるこのお話。
話の達人であるはずの噺家ができない。
なぜ…
残念な事にその後のお話は良く覚えていません。
あんぱんと味付け海苔は覚えているんですが…
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とても風情のある会でした。
その年もそろそろ会の打ち合わせをする時期になり父が安藤さんのお宅に伺いました
帰ってくるなり父が「永六輔が死んだそうだよ」と言います
新聞記者がきて永六輔さんが海外で亡くなりましたコメントくださいと言われたので安藤さんは
永六輔よなんてバカな死に方をしたんだとコメントしたそうです
永六輔氏は「鈴虫の音を聞く会」の常連でした。
ところが永六輔死亡は誤報でした。
え！生きてたの？？？
数日後あんなに元気だった安藤さんが亡くなったと聞きました。
残念なことに誤報ではありませんでした。
「鈴虫の音を聞く会」はたった三回で終わってしまいました
おまけ
今年の４月に発売になった味付け海苔です。
味付け海苔が初めて作られたのが1869年それから150年が経ちました。
今年の4月に発売になった味付け海苔です。
青はゴマ味、赤は梅味どちらもビールのおつまみに最適です
残念な事に東京オリンピックは延期になってしまいましたが…
今日のお菓子
水羊羹
帯広から送られてきた小豆で作りました。
ご訪問ありがとうございました
文・料理：しらさぎさちこ
写真：しらさぎじろう
イラスト：しらさぎさやか