年末に読んだ『仮説』に関する本,その2です.

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地質時代の三畳紀に発生した地球の生物の大絶滅についてのものです.

当時の地球は 大陸がたった一つ(パンゲア大陸)で,従って海もたった一つ(パンサラッサ海)なのですが,パンゲア大陸がアルファベットのCの形をしているので,大陸に包まれて入り江のようになっていたところは古テチス海と呼びます.

で,仮説とは 三畳紀の末期(約2億年前)に このパンゲア大陸のど真ん中で 突然大火山活動(CAMP=Central Atlantic Magmatic Province; 中央大西洋マグマ地帯)が起こり,パンゲア大陸が真っ二つになって,現在の大西洋が生まれたというものです.

 

(C) Science Portal

 

実際 現在の南米大陸とアフリカ大陸とが ジグソーパズルのようにピッタリと当てはまるのは,この分裂の名残です.
 

(C) K-factoryさん

 

この大規模な火山活動により地球は寒冷化し,陸・海を問わず生物の大絶滅が起こりました.

生物の大量絶滅といえば,中生代白亜紀末の恐竜絶滅が有名ですが,実は地球の生物大絶滅は,ビッグ・ファイブと呼ばれ,5回もあったとされています. その中で恐竜が絶滅した白亜紀の絶滅はもっとも規模が小さく,隕石衝突によると言う説が有力です. ただそれ以外の4回の大絶滅は すべて火山活動によるものです.

最大の絶滅は ペルム紀末(約2億5千万年前)の絶滅で,種レベルで96%の生物が絶滅したという説があります. ほぼ全滅ですね.

 

地球規模の火山活動は これほどにもすごいのです.

 

実は 仮説について読んだ本は,こちらの方が先でした. ここから 角田先生の学説を思い出したのでした.