讃岐国の式内社まとめてみた① | 週刊じんぎかん〜神祇伯の神社放浪記〜

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ただの神社好きが参拝した神社の感想なんかを感情の赴くままに書いてます。あと長文です。
一応毎週日曜に更新しますがたまに長らく投稿しない時があります。なので「あ、更新してるわ見てやるか」な軽ーい気分で読んでください。
どうぞよろしくお願いします。

おはようございます私です。

 
上皇陛下ご生誕おめでとうございます!!!
 
12月23日、例年なら天皇誕生日で祝日だったのですが、
 
残念ながら「平成の日」ならず。今日は普通に平日です。
 
私は休日ですけどね!
 
特にやることないですけど。
 
ん?明日の話はなしだ。心をえぐるからな…
 
 

 
さて、今回はまとめ編です。
 
ちょうど今地元の香川に帰ってまして、
 
式内社を全て巡拝し終えたのでそちらを紹介します。
 
香川県は県民の間で東讃、中讃、西讃の3地域に分けられており、
 
今回は東讃地域の式内社を紹介します。
 
え、小さいのに3つに分ける意味ない?
 
いいんだよ細かいことは。
 
では参りましょう。ででん!!
 
 
小社 志太張神社
 

神社鎮座地:香川県さぬき市鴨部
 
神社御祭神:天下春命
 
神社社格:国幣小社(延喜式)→村社(明治)
 
神社御朱印:なし
 
 
住宅地の途中に表参道があり、その奥に長く続いています。
 
人里から少し離れてひっそりと鎮座していました。
 
御祭神の天下春命さまは天照大神さまが引きこもった時、
 
神話にあるようなどんちゃん騒ぎ作戦を考えた思兼命の御子神にあたり、
 
埼玉の秩父地方を開拓した知々夫国造の祖神とされています。
 
他には武蔵国一宮の小野神社の御祭神でもあります。
 

また、開墾の神として信仰を集めており、神社名も「下張」=「下墾」という開拓を意味していることから、
 
この土地、あるいは四国自体を開拓するにあたって祀られたとされています。
 
この神社名も「志」高く「太い」根を「張る」と取れるので、
 
開拓への意欲が伝わります(自己解釈)
 
 
 
小社 布勢神社
 
こちらは論社が二社挙げられています。
 
神社布勢神社神社
 
 
神社鎮座地:香川県さぬき市寒川町石田西
 
神社御祭神:大彦命
 
神社社格:国幣小社(延喜式)→石田神社境外社
 
神社御朱印:なし
 
 
第八代孝元天皇の御子で、北陸地方を治めた四大将軍の大彦命を祀ります。
 
同名の神社が備前国と越中国にあり、どちらも同じ御祭神を祀ります。
 
これは、大彦命さまの子孫が布勢朝臣という豪族として成り立っていたため、
 
その一族が住み着く土地に祖神を祀って創建されたと思われます。
 
ちなみに付近には弥生〜古墳時代の遺跡がたくさんあるとか。
 
 
現在は付近にある石田神社の境外末社の扱いであり、
 
これは明治時代ですでにこの形態をとっていたためか、厳密な社格がありません。
 
もしかしたらあとで再建された可能性もあります。
 
その根拠としてあげられるのが次の論社です。
 
 
神社造田神社神社
 
 
神社鎮座地:香川県さぬき市造田
 
神社御祭神:誉田別命、気長足比売命、足仲彦命、和多須美命、大鷦鷯命
 
神社社格:郷社
 
神社御朱印:あり
 

もともとは和多須美命さまを主祭神として祀っており、
 
のちに石清水八幡宮から八幡神を勧請したため、
 
造田八幡宮とも呼ばれています。
 
和多須美命さまについては、造田神社の鎮座記稿によると、
 
豊玉姫の父と書かれているので、和多都美命のようです。
 
全然海近くないのになぜ…
 
 
またこの神社には「鳴釜神事」という特殊神事があり、
 
3つの釜で米を炊き、音がすれば吉、無音なら凶、という占いの一種です。
 
備中国一宮の吉備津神社でも毎日(金曜以外)に行われており、
 
盟神探湯とならんでポピュラーな占卜で知られます。
 
 
 
さてでは次です。
 
小社 神前神社
 
神社神前神社神社
 
 
神社鎮座地:さぬき市寒川町神前
 
神社御祭神:猿田彦命
 
神社社格:男山神社境外末社
 
神社御朱印:不明(本務は男山神社)
 
 
讃岐国の式内社にたまに掲げられている式内社二十四社一覧の名額には、
 
神前神社は当社とされています。
 
名前の由来は天孫降臨の際、天津「神」たちの「前」を先導した猿田彦命さまの功績からとられたという説があります。
 
 
見た目に関しては先ほど紹介した布勢神社とかなり酷似しており、
 
境外末社の典型的な建築様式がある程度あったのではないかと思われます。
 
そして論社のもう一つがこちら
 
神社男山神社神社
 
 
神社鎮座地:さぬき市寒川町神前寺尾
 
神社御祭神:誉田別命、足仲彦命、息長足姫命
 
神社旧社格:村社
 
神社御朱印:あり(正月のみとの情報)
 
 
「男山」というのは石清水八幡宮の旧称で、
 
かつて一郡一八幡のはじめとして創祀されたとされています。
 
 
 
ちなみにもう一つ論社で春日神社が挙げられますが、
 
そちらも同様に男山神社の境外末社として扱われておりいます。
 
この三社は比較的近くにあるため、神前神社を末社として扱う男山神社と、同じく末社の春日神社が、
 
論社として関係しているとして挙げられたのではないでしょうか。
 
 
 
小社 多和神社
 
 
神社鎮座地:さぬき市志度
 
神社御祭神:速秋津姫命
 
神社旧社格:国幣小社(延喜式)→郷社(明治)
 
神社御朱印:あり
 
 
一宮の田村神社、二宮の大水上神社に続いて、讃岐国三宮がこの神社であるとされています。
 
ただ、論社が四社ほどあるせいで、確実性が少し低いとされています。
 
上の写真の両側にお供えされている樽酒は「金陵」という香川の地酒です。
 
CMではよく見ますが飲んだことはありません。
 
 
 
拝殿ないの扁額には「多和八幡宮」と書かれており、
 
寛平元年に勧請されました。
 
現在相殿神として八幡神三座+大鷦鷯命さまが祀られています。
 
 
ちなみにさぬき市前山にも同じように多和神社があり、
 
論社として挙げられています。
 
 
 
しかし、志度の多和神社の神主さんの見解では、
 
志度の多和神社と違って前山の方にはその近辺に「大多和」という地名があることから、
 
この前山の多和神社の鎮座地が元宮、二社の関係では里宮、奥宮ではないか、としているみたいです。
 
ちなみに他の論社は三木町鶴羽の鶴羽神社と大森神社です。
 
参拝してないのでカット!!!
 
さて次です。
 
小社 大蓑彦神社
 
 
神社鎮座地:さぬき市寒川町石田東
 
神社御祭神:大蓑彦命
 
神社旧社格:国幣小社(延喜式)→石田神社境外末社
 
神社御朱印:なし
 
 
布勢神社と同じく石田神社の末社として扱われており、
 
拝殿や本殿の建築様式はまんま瓜二つです。
 
御祭神の大蓑彦命さまは蓑を初めて作った神様とされており、
 
素盞嗚命さまが蓑を初めて来た神様ということで同一視される説もあるようです。
 
あとは大水上命が訛って大蓑彦命となったとも。
 
 
また、この五社が鎮座している地域は寒川郡というのですが、
 
「寒川」と聞くとやはり思い浮かぶのは相模国一宮の寒川神社じゃないかと思います。
 
御祭神の寒川比古命、寒川比女命の親神がこの大蓑彦命さまという言い伝えがあり、
 
寒川神社の地名の元として関連性が示されています。
 
というか同じゼミで寒川神社を研究していた動機がそんなこと言ってました。
 
 
 
ついでに布勢神社と大蓑彦神社を境外末社とする石田神社についてもまとめときます。
 
 
神社鎮座地:さぬき市寒川町石田東甲
 
神社御祭神:品陀和気命、足仲彦命、息長帯姫命
 
神社旧社格:郷社
 
神社御朱印:なし
 
 
創建は天正年間(室町時代末期)ということで、式内社に比べると比較的新しい神社となります。
 
また、かつては雄装熊八幡宮と呼ばれており、八幡神社の一社でした。
 
神社の設備や近くの公民館などがかなり新しいこと、
 
さぬき市観光協会のHPで例大祭についての日時情報があることから、
 
さぬき市の中では有名な神社として扱われているのかもしれません。
 
 
ではではお次は...と思ったらガチで紙面がなくなってしまったようです。
 
結局のところ、讃岐国の寒川郡だけの紹介になってしまいました。
 
というかアメブロ4万字までしか書けないのね...
 
なので残りの三社は次回に持ち越しになりましたお楽しみに。
 
それでは、
 
寝ます!!!
 
おやすみなさい★