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初中教育ニュース(初等中等教育局メールマガジン)第144号

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文科省「初中教育ニュース第144号」2010.6.15 受信トレイ
初等中等教育 メールマガジン <sy-mel@mext.go.jp > 2010年6月15日16:07
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初中教育ニュース(初等中等教育局メールマガジン)第144号
2010.6.15
───────────────────────────────────
[目次]
□【トピック】教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方
策に関する検討状況について
□【トピック】「コミュニケーション教育推進会議」について
□【トピック】生徒指導提要の策定について
□【シリーズ】「放課後子ども教室推進事業」(放課後子どもプラン)(第42回)
□【お知らせ】4・5月の文部科学省選定作品等(学校教育教材)の紹介 
□【お知らせ】安全なネット社会を作り、全国に安心の輪を広げようとい
う思いからはじまった「e-ネットキャラバン」。受講者30
万人の実績。講師派遣を原則無料。是非御活用ください。
□【お知らせ】第1回原子力・エネルギーに関する課題研究コンクールの実
施について
□【お知らせ】未来の発明家へのメッセージを発信しています!
□【お知らせ】「文部科学広報」第127号が発行されました!(6月1日発行)
□【お知らせ】広報誌『文部科学時報』6月号の発行について

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□【トピック】教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方
策に関する検討状況について
〔初等中等教育局教職員課〕

文部科学省では、教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方
策について、平成22年6月3日、中央教育審議会に諮問しましたが、これにあわ
せて文部科学省としての現時点における考え方を以下のとおり、関係機関にお
知らせしました。
-----------------------------------
教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策については、本
日、文部科学大臣から中央教育審議会に対し、別添のとおり諮問が行われると
ともに、同審議会に教員の資質能力向上特別部会を設置して審議が進められる
ことになりました。
教員免許更新制の今後の在り方については、昨年10月21日に方針をお知
らせし、現在もその方針に変更はありません。これに加えて、中央教育審議会
での審議が開始されるに当たり、改めて以下のとおりお知らせいたします。
関係各位におかれましては、その趣旨をご理解いただき、引き続きの取組を
お願い申し上げます。

1 文部科学省としては、教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な
向上方策について、中央教育審議会において本年中を目途に一定の方向性を
お示しいただきたいと考えております。
2 教員免許更新制の在り方については、教員の資質能力の向上方策の抜本的
な見直しを行う中で、総合的に検討することとしておりますが、一定の結論
が得られ、これに基づく法律改正が行われるまでの間は、現行制度が有効で
す。現職教員の方は、現行制度に従って、定められた期間内に免許状更新講
習の課程を修了し、免許管理者の確認を受けることが必要です。
3 このため、免許状更新講習を開設する大学等におかれましては、現職教員
の十分な受講機会が確保されるよう、都道府県教育委員会等との情報交換を
行うとともに、必要に応じて国の補助事業の活用も検討の上、引き続き免許
状更新講習の開設や、質の高い免許状更新講習の実施にご尽力いただきます
ようお願い申し上げます。
あわせて、平成23年3月31日に修了確認期限が到来する現職教員の受講機
会の確保について、可能な限りご配慮いただきますようお願い申し上げます。

詳しい内容につきましては、
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/06/1294449.htm (※文部科学省ホー
ムページへリンク)を御覧ください。

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□【トピック】「コミュニケーション教育推進会議」について
〔初等中等教育局教育課程課〕

文部科学省では、子どもたちのコミュニケーション能力の育成を図るための
具体的な方策や普及のあり方について有識者等との意見交換等を行うため、文
部科学副大臣主催の下、「コミュニケーション教育推進会議」を設置し、平成
22年5月26日に第1回推進会議を開催しました。なお、第2回は平成22年6月18日、
第3回は平成22年7月14日の開催を予定しています。

1 趣旨
国際化の進展に伴い、多様な価値観を持つ人々と協力、協働しながら社会に
貢献することができる創造性豊かな人材を育成することが重要です。
また、近年、子どもたちが自分の感情や思いをうまく表現することができず、
容易にキレるなどの課題が指摘されています。
このような状況を踏まえ、子どもたちのコミュニケーション能力の育成(以
下、コミュニケーション教育)を図るための具体的な方策や普及のあり方につ
いて調査・検討を行うため、「コミュニケーション教育推進会議」(以下「推
進会議」という。)を設置し、今後1年程度かけて議論を進める予定です。

2 検討事項
(1)学校教育におけるコミュニケーション教育の趣旨や意義について
(2)コミュニケーション教育の推進方策について
(3)コミュニケーション教育の普及方策について
(4)その他
※検討に当たっては、学校において実践される演劇・ダンス等の表現手法を
用いた計画的・継続的なワークショップ等の取組の成果や課題も活用。
(実施地域数:190自治体(45都道府県)、実施校数:292校)

3 推進会議委員
浅川 佳代 杉並区立富士見丘小学校長
門川 大作 京都市市長
高木 展郎 横浜国立大学教育人間科学部教授
高萩 宏 東京芸術劇場副館長
田中  明 西条市教育委員会教育長
中村伊知哉 慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授
平田オリザ(座長)劇作家、演出家
吉本 光宏  株式会社ニッセイ基礎研究所芸術文化プロジェクト室長
米屋 尚子  社団法人日本芸能実演家団体協議会芸能文化振興部次長
鷲田 清一  大阪大学総長

詳細につきましては、
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/commu/1289958.htm (※文部科学省ホー
ムページへリンク)を御覧ください。
最新情報も随時掲載します。

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□【トピック】生徒指導提要の策定について
〔初等中等教育局児童生徒課〕

文部科学省では、学校・教員向けの生徒指導の基本書を作成するため、「生
徒指導提要の作成に関する協力者会議」を設置し、検討を行ってきたところで
す。この度、「生徒指導提要」を取りまとめましたのでお知らせいたします。
生徒指導は、学校がその教育目標を達成するための重要な機能の一つであり、
子どもの人格の形成を図る上で、大きな役割を担っています。
しかし、これまで、小学校段階から高等学校段階までの生徒指導の理論・考
え方や実際の指導方法等について、時代の変化に即して網羅的にまとめた基本
書が存在せず、生徒指導の組織的・体系的な取組が必ずしも十分に進んでいな
いことも指摘されていました。
そのため、平成21年6月に「生徒指導提要の作成に関する協力者会議」を設置
し、生徒指導の実践に際し教員間や学校間で共通理解を図り、小学校段階から
高等学校段階までの組織的・体系的な生徒指導を進めることができるよう、生
徒指導に関する学校・教職員向けの基本書として、「生徒指導提要」を取りま
とめました。

「生徒指導提要」の内容につきましては、
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/04/1294538.htm (※文部科学省ホー
ムページへリンク)を御覧ください。

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□【シリーズ】「放課後子ども教室推進事業」(放課後子どもプラン)(第42回)
〔生涯学習政策局社会教育課〕

「放課後子ども教室推進事業」は、放課後や週末等に小学校の余裕教室等を
活用して、子どもが安全・安心な場所で学習や体験活動・交流活動の取組を実
施するものです。
シリーズ第42回として、沖縄県那覇市の取組を御紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
地域の方々の大きな愛に支えられ、安全に楽しく過ごす若狭っ子
那覇市立若狭小学校校長 崎浜順子
本校は、那覇市の最西端に位置し海を臨み、港に出入りする船舶が白い航跡
を残し、時おり響かせる汽笛は聞く人の詩情をそそります。海を吹き渡る風は
新鮮なオゾンをたっぷりと含み、子どもたちの健康維持に大いに寄与していま
す。現在、13学級、児童数375名の学校です。
若狭小ふれあい教室は、平成18年度校舎の玄関スペースを改築して設置され
ました。琉球舞踊・空手・昔遊び・学習支援・フィールドワーク・花作り・大
正琴の教室があり、曜日毎に活動内容が変わり、支援する地域の先生方も変わ
ります。琉球舞踊・空手の教室は子ども達から人気があり、参加人数の多い教
室です。学校の教育課程の限られた時間内では得られない郷土の貴重な伝統文
化が体験でき、子ども達は地域の人と伝統文化に誇りと愛着をもって活動して
います。
大正琴の皆さんは、平成20年と21年の2か年連続して全国大正琴コンクール
子どもビデオ部門で優勝を果たしております。昨年は地域文化まつりや学校行
事である学芸会でも演奏披露することができ、全校児童・保護者・地域の皆様
に大きな喝采を浴びました。
本校のふれあい教室は校内の学童クラブと連携をとり、双方の利点を生かし
ていることも特徴としてあげられます。学習支援・フィールドワーク・花作り
の教室では、校内にある学童クラブの先生が支援をしてくださいます。ふれあ
い教室と学童クラブの活動が同じ学校敷地内にあることで、活動内容は一歩進
んだ融合の形態をとることができます。多くの活動種目を準備することで、子
どもの多岐にわたる興味関心に応え、活動内容や方法によって子どもに有用感
をもたせ自分のよさを自覚させることができ、子どもへの成果は大きいです。
子ども達は、学校の授業を終え、ふれあい教室に一目散に走っていきます。
先生方や仲間達に会えるのも楽しみですが、発表の場があることで、次の課題
にチャレンジしていくことをとても楽しみにしています。先生方の指導を受け
ながら、地域や保護者、学校の先生方にほめられ、励まされ、活動意欲が旺盛
です。明るく積極的にあいさつをする子も増えてきました。生活が前向きにな
り、学校の宿題もやり遂げるようになりました。友達どうしの遊び、他学年の
子どもどうしのふれあい、地域の方との温かいふれあいがあり、豊かな人間関
係が築かれています。また子どもの特性や良さが伸ばされ感性が磨かれていま
す。
ふれあい教室は、放課後の子どもの安全安心な居場所としての遊びの場であ
り、学びの場でもあり、社会性育成の場となっています。ボランティアで見守
り支援してくださる地域の皆様の御支援に、あらためて感謝申し上げます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「放課後子ども教室」の情報は、「放課後子どもプラン」のホームページを
御覧ください。 http://www.houkago-plan.go.jp

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□【お知らせ】4・5月の文部科学省選定作品等(学校教育教材)の紹介 
〔生涯学習政策局参事官(学習情報政策担当)付〕

文部科学省では、映画その他の映像作品及び紙芝居について、教育上価値が
高く、学校教育又は社会教育に広く利用されることが適当と認められるものを
選定し、あわせて教育に利用される映像作品等の質的向上に寄与するために、
教育映像等審査規程(昭和29年文部省令第22号)に基づいて映像作品等の審査
を行っています。

4・5月の文部科学省選定作品等(学校教育教材)の紹介
※以下、文部科学省特別選定を「特選」、文部科学省選定を「選定」として、
【作品名】/申請者/利用対象の順に記載しています。

○DVD(以下、特選)
・【水産加工 魚肉ねり製品】/株式会社 CNインターボイス/高等学校
○ビデオテープ(以下、選定)
・【人権啓発アニメーション 「ボクとガク」 -あの夏のものがたり-】/
東映株式会社 教育映像部/小学校(高学年)、少年向き、青年向き、成人
向き
・【最新版・中学生の進路学習シリーズ(1年生編) 自分を知って将来を考
えよう!】/株式会社 映学社/中学校
・【最新版・中学生の進路学習シリーズ(2年生編) 働く体験で社会を知ろ
う!】/株式会社 映学社/中学校
・【最新版/中学生の進路学習シリーズ(3年生編) 夢に向かってはばたこ
う!】/株式会社 映学社/中学校
○DVD(以下、選定)
・【クリスタルボール タマクラゲの生活史】/株式会社 東京シネマ新社/
高等学校、青年向き、成人向き
・【インターネットの向こう側】/財団法人 人権教育啓発推進センター/中
学校、高等学校、青年向き、成人向き
・【安全でおいしい水を安定して供給する】/東洋企業有限会社/高等学校、
青年向き、成人向き
・【スポーツと汗の季節の健康ふしぎ館】/NHKエンタープライズ/中学校、
少年向き
○紙芝居(以下、選定)
・【たけのこ ほりほり】/株式会社 童心社/幼稚園、幼児向き
・【みつばちのはにーちゃん】/株式会社 童心社/幼稚園、小学校(低学年
)、幼児向き

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□【お知らせ】安全なネット社会を作り、全国に安心の輪を広げようとい
う思いからはじまった「e-ネットキャラバン」。受講者30
万人の実績。講師派遣を原則無料。是非御活用ください。
〔生涯学習政策局参事官(学習情報政策担当)付〕

1 概要
インターネット、携帯電話は私たちの日常生活やビジネスに欠かせない大変
便利なコミュニケーションツールとなりました。しかしながら、インターネッ
トがもたらす恩恵が多い反面、ウイルス、迷惑メール、個人情報漏洩、架空請
求詐欺、学校裏サイトなどのトラブルも多発しています。近年、子どもたちが
安易に携帯電話やインターネットに触れる環境が整ってきていることから、児
童・生徒を保護・教育する立場にある保護者、教職員、その他児童・生徒を保
護・教育・指導する者すべてに対して、インターネットの安心・安全利用に関
する啓発を行っています。

2 活動内容
保護者・教職員等を対象として、判断力等の不十分な子どもを、インターネ
ットのトラブルから守ることを目的とした「e-ネット安心講座」への講師派
遣を行っています。
講座では、インターネットを通じた犯罪に関する情報や、ウイルス、迷惑メ
ール、個人情報漏洩、架空請求詐欺、学校裏サイト等、実際にあったトラブル
事例を紹介し、その対処方法等について主にパワーポイントのスライドを用い
て、1~2時間程度お話をします。
なお、講師派遣に伴う謝金や交通費は原則として不要です。

3 活動をしているe-ネットキャラバン協議会の構成
総務省 
文部科学省 
e-ネットキャラバン活動におけるボランティア講師派遣企業/団体/個人
e-ネットキャラバン活動への資金提供企業/団体/個人
総会または普及推進委員会が協議会の活動に寄与すると認めた団体及び個人
※ 講師の派遣に協力していただいている企業・団体は、2010年4月30日現在
237社・団体

(参考)e-ネットキャラバン協議会事務局 http://www.e-netcaravan.jp/
を御参照ください。

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□【お知らせ】第1回原子力・エネルギーに関する課題研究コンクールの実
施について
〔研究開発局原子力課立地地域対策室〕

文部科学省は、高等学校(中等教育学校の後期課程含む。以下同じ。)及び
高等専門学校(1~3学年。以下同じ。)の生徒を対象に原子力を含めたエネ
ルギーに対する理解とその役割について認識を深めていただくことを目的に、
第1回原子力・エネルギーに関する課題研究コンクールを実施しますのでお知ら
せします。
今回、全国の高等学校及び高等専門学校の生徒を対象に、生徒自らが原子力
を含めたエネルギーについて様々な調査を行い、その調査で得た成果をまとめ
た課題研究ニュース(壁新聞)を制作し、発表する課題研究活動を行う学校を
募集します。
また、本課題研究活動で得た成果をまとめた課題研究ニュースについて審査
を行い、評価の高かった上位8校を選出し、課題研究コンクール全国大会を開催
します。
課題研究コンクール全国大会では、上位8校の生徒が発表を行い、厳正な審査
の上、文部科学大臣賞等を決定し、表彰いたします。
ぜひ、ご参加下さい。
(1)募集期間:平成22年5月31日(月曜日)~平成22年6月25日(金曜日)
(2)全国大会:平成22年12月下旬 東京都内において開催

○詳しくはこちらを御覧ください。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/05/1294334.htm (※文部科学省ホ
ームページにリンク)

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□【お知らせ】未来の発明家へのメッセージを発信しています!
〔特許庁総務課〕

今年は、特許制度の前身である専売特許条例の制定から125周年になります。
これを記念し、特許庁では、未来を担う若者・子ども達に発明と科学への夢
を持ってもらうため、著名な発明家や研究者によるメッセージを発信していま
す。
これは、電子顕微鏡で「史上最も美しい実験」に選ばれた日立製作所の外村
彰氏をはじめ、ノーベル賞受賞者の田中耕一氏、iPS細胞の作成に成功した山中
伸弥氏など、全12名から、発明の喜び・難しさについて生の声を発信いただく
ものです。
4月から第2・第4月曜日に順次、特許庁ホームページにて掲載しております。
様々な背景を持つ研究者達は、それぞれに発明家を目指したきっかけ、発明の
苦労・喜びがあり、きっと子ども達も共感できるお話があるのではないかと思
います。是非御活用ください!

何かございましたら、以下までお問い合わせいただけると幸いです。
特許庁総務課企画班 電話:03-3593-0436(直通)

「現代の発明家から次世代へのメッセージ」は、こちらから御覧ください。
http://www.jpo.go.jp/beginner/index.html
(※特許庁ホームページにリンク)

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□【お知らせ】「文部科学広報」第127号が発行されました!(6月1日発行)
〔大臣官房総務課広報室〕

文部科学広報は昭和26年に創刊された文部科学省の広報紙です。各施策の担
当者が直接執筆・編集しており、文部科学行政の情報を正確かつ分かりやすく
解説しています。地球環境にも配慮した「電子ブック」形式での発行となって
おり、写真などを多用しながら、文部科学省の毎月のトピックスをコンパクト
に伝える広報紙として、毎月一回発行しています。
また、Web化に合わせて、目が不自由な方のために、掲載記事を読み上げる
音声機能を付加しており、オーディオブックとしても利用できるようになって
います。
引き続き、職場やグループでの回覧、転送に便利なpdfファイル版も公開して
います。
また、バックナンバーは、従来通り、過去一年分、文部科学省ホームページに
掲載していますので、御覧ください。
引き続き文部科学広報を御愛読くださるようお願いします。

◎文部科学広報最新号
URL http://www.koho2.mext.go.jp/127/
◎音声ファイルダウンロードはこちら
URL http://www.koho2.mext.go.jp/onseidl/

【最新号の内容】
・「第一回日中韓大学間交流・連携推進会議」により「キャンパス・アジア」
スタート
・平成22年度科学技術分野の文部科学大臣表彰表彰式
・「子ども読書の日」記念“子どもの読書活動推進フォーラム”開催
・もんじゅ関連協議会の開催と「もんじゅ」の運転再開
・文化庁文化交流史指名書の交付
・川端文部科学大臣の欧州出張
・映画『ダーリンは外国人』と小学校外国語活動がタイアップ
・中川副大臣がアジア諸国を歴訪
・我が国の体育・スポーツ施設-体育・スポーツ施設現況調査報告-
・平成21年度児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議審議のまとめ
・重要文化財の指定等
・「学校教育の情報化に関する懇談会」の開催
・学校における転落事故等の防止 あなたの学校は大丈夫ですか? ~必要な
対策はとられていますか~

バックナンバーは、
http://www.mext.go.jp/b_menu/kouhou/index.htm (※文部科学省ホームペー
ジへリンク)を御覧ください。

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□【お知らせ】広報誌『文部科学時報』6月号 (6月10日(木曜日)発行)

『文部科学時報』は、文部科学省が発行する唯一の総合政策広報誌です。
最新の文部科学行政の重要施策について、総合的な情報を分かりやすく全国
の方々に発信します。
○文部科学省ホームページ
URL http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/jihou/index.htm

★Personality インタビュー
米倉 涼子さん 女優
いつも楽しく前向きに
●特集1
化学の“東京オリンピック” 2010年7月国際化学オリンピック日本開催
●特集2
21世紀の医療技術における放射線 
●Activity Report of MEXT
1 世界に挑む高校生 
2 私たちの健康に役立つ、放射線を利用した医療技術
●クローズアップ
1 定住外国人の子どもへの支援 
2 量子ビーム研究の現状と可能性 
3 平成22年春の叙勲・褒章伝達式
●連載
○Step together 特別支援教育の更なる推進に向けて
平成21年度特別支援教育体制整備等状況調査の結果
○きらりと光る学校施設を目指して
学校施設における木材利用の推進
○ユネスコスクールへようこそ
気仙沼市立中井小学校
○進化する高専 創造そして実践
釧路工業高等専門学校、沼津工業高等専門学校
○文化財を守る
重要文化財の建造物の防火・防犯設備
○学術研究の最前線
流体科学研究拠点、霊長類学総合研究拠点、国立民族学博物館、国文学研
究資料館
○チーム「ニッポン」を支える
ナショナルトレーニングセンターを活用した支援
○見つけて伸ばせ!子どもたちの科学の芽
高校生が第一線の研究者や全国の仲間と出会う3日間
○進む大学教育改革
東北文教大学、東北福祉大学
○自然に学び仲間と笑う
国立沖縄青少年交流の家
○総合型地域スポーツクラブへ行ってみよう!
コミスポクラブ東厨川、NPO法人スポネット弘前
○NISTEP 科学技術政策研究所 調査研究報告
科学技術状況にかかる総合的意識調査
○NIER 国立教育政策研究所 report
教育情報ナショナルセンター(NICER)リニューアル
○困ったときには図書館へ
横浜市中央図書館
○動物園・水族館・植物園の教育・研究活動
海の中道海洋生態科学館
○海外最新教育情報
フランス、ドイツ、エジプト
○アジアの国立博物館
韓国の国立博物館
○KOMINKAN in ASIA
アジアの人々の生活を支える「公民館」
○博物館ななめ歩き
つまみかんざし博物館
○鑑賞席
夏秋草図屏風 酒井抱一 筆
○未来技術遺産ARCHIVES
池田菊苗博士抽出のグルタミン酸ナトリウム
○青空REPORT
虫鹿里佳さん
○動物たちの生活
セイウチ 
○文部科学省FLASH

【お問い合わせ】
文部科学省大臣官房政策課 TEL 03-5253-4111[代表]
Mail jiho@mext.go.jp
【お申し込み】
(株)ぎょうせい TEL 0120-953-431
URL http://www.gyosei.co.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○関連リンク
・幼児教育・家庭教育:文部科学省 http://www.mext.go.jp/a_menu/01_b.htm
・小・中・高校教育:文部科学省 http://www.mext.go.jp/a_menu/01_c.htm
・特別支援教育:文部科学省
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main.htm
・報道発表一覧 分野別一覧(初等中等教育)-文部科学省-
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/shotou.htm
・子どもの体力向上ホームページ
http://www.recreation.or.jp/kodomo/
(※財団法人日本レクリエーション協会のホームページへリンク)
・子ども読書の情報館
http://www.kodomodokusyo.go.jp/
(※子ども読書の情報館ホームページへリンク)
・あとみん-原子力・エネルギー教育支援情報提供サイト-
http://www.atomin.go.jp/atomin/index.html
(※あとみん-原子力・エネルギー教育支援情報提供サイト-へリンク)
・メールマガジンの配信について:文部科学省
http://www.mext.go.jp/magazine/index.htm
・バックナンバー(初中局メルマガ):文部科学省
http://www.mext.go.jp/magazine/backnumber/symel.htm
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○文部科学省等で発行している他のメールマガジンへのリンク
・生徒指導メールマガジンについて:文部科学省
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/04121503.htm
・マナビー・メールマガジンバックナンバー:文部科学省
http://www.mext.go.jp/magazine/backnumber/1263046.htm
・「大学改革GPナビ-Good Practice-」について:文部科学省
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/tokushoku/05060601.htm
・エル・ネット・システム http://www.elnet.go.jp
(※教育情報通信ネットワーク エルネットのホームページへリンク)
・独立行政法人国立特別支援教育総合研究所メールマガジン
http://www.nise.go.jp/magazine/index.html
(※独立行政法人国立特別支援教育総合研究所のホームページへリンク)
・メールマガジン-国立女性教育会館-
http://www.nwec.jp/jp/topics/mailmag/
(※独立行政法人国立女性教育会館のホームページへリンク)
・独立行政法人国立青少年教育振興機構【青少年機構について:メールマガジン】
https://www.niye.go.jp/mmaga/index.php
(※独立行政法人国立青少年教育振興機構のホームページへリンク)

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初中教育ニュース---------------文部科学省初等中等教育局メールマガジン
第144号
発行元 文部科学省初等中等教育局内
「初中教育ニュース」編集部
TEL 03-5253-4111(内線2007)
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◆ 重要四字熟語一覧

◆ 重要四字熟語一覧 【検索の達人 ■■■】■■■に文字を記入!
高大連携情報誌 調べもの新聞【ブログ=穴埋め・論述問題】
http://www.youtube.com/watch?v=x6MJJKq1bUg
◆ 重要四字熟語一覧

悪事●● あくじせんり 悪い行いはすぐに知れ渡る
阿鼻●● あびきょうかん 非常に苦しく泣き叫びたくなる状態
●●模索 あんちゅうもさく 手がかりがないままいろいろやってみること
●●軒昂 いきけんこう 意欲がありやる気に満ちていること
以心●● いしんでんしん 思うことが言葉に表さなくても心から心へと伝わること
一蓮●● いちれんたくしょう 行動や運命を最後まで共にすること
●●当千 いっきとうせん 一騎で千騎を相手にできるほど強いこと
●●千金 いっこくせんきん わずかな時間でも大きな価値があるということ

山月記 中島敦  文学界  7000字

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山月記
中島敦


 隴《ろう》西の李徴は博學|才穎《さいえい》、天寶の末年、若くして名を虎榜《こぼう》に連ね、ついで江南尉に補せられたが、性、狷介、自ら恃む所頗る厚く、賤吏に甘んずるを潔しとしなかつた。いくばくもなく官を退いた後は、故山、※[#「埓のつくり+虎」、第3水準1-91-48]《くわく》略に歸臥し、人と交を絶つて、ひたすら詩作に耽つた。下吏となつて長く膝を俗惡な大官の前に屈するよりは、詩家としての名を死後百年に遺さうとしたのである。しかし、文名は容易に揚らず、生活は日を逐うて苦しくなる。李徴は漸く焦躁に驅られて來た。この頃から其の容貌も峭刻となり、肉落ち骨秀で、眼光のみ徒らに烱々として、曾て進士に登第した頃の豐頬の美少年の俤は、何處に求めやうもない。數年の後、貧窮に堪へず、妻子の衣食のために遂に節を屈して、再び東へ赴き、一地方官吏の職を奉ずることになつた。一方、之は、己《をのれ》の詩業に半ば絶望したためでもある。曾ての同輩は既に遙か高位に進み、彼が昔、鈍物として齒牙にもかけなかつた其の連中の下命を拜さねばならぬことが、往年の秀才李徴の自尊心を如何に傷つけたかは、想像に難くない。彼は怏々として樂しまず、狂|悖《はい》の性は愈※[#二の字点、1-2-22]抑へ難くなつた。一年の後、公用で旅に出、汝水《ぢよすゐ》のほとりに宿つた時、遂に發狂した。或夜半、急に顏色を變へて寢床から起上ると、何か譯の分らぬことを叫びつつ其の儘下にとび下りて、闇の中へ駈出した。彼は二度と戻つて來なかつた。附近の山野を搜索しても、何の手掛りもない。その後李徴がどうなつたかを知る者は、誰もなかつた。
 翌年、監察御史、陳郡の袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]《えんさん》といふ者、勅命を奉じて嶺南に使し、途に商於《しやうを》の地に宿つた。次の朝未だ暗い中に出發しようとした所、驛吏が言ふことに、これから先の道に人喰虎が出る故、旅人は白晝でなければ、通れない。今はまだ朝が早いから、今少し待たれたが宜しいでせうと。袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]は、しかし、供廻りの多勢なのを恃み、驛吏の言葉を斥けて、出發した。殘月の光をたよりに林中の草地を通つて行つた時、果して一匹の猛虎が叢の中から躍り出た。虎は、あはや袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]に躍りかかるかと見えたが、忽ち身を飜して、元の叢に隱れた。叢の中から人間の聲で「あぶない所だつた」と繰返し呟くのが聞えた。其の聲に袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]は聞き憶えがあつた。驚懼の中にも、彼は咄嗟に思ひあたつて、叫んだ。「其の聲は、我が友、李徴子ではないか?」袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]は李徴と同年に進士の第に登り、友人の少かつた李徴にとつては、最も親しい友であつた。温和な袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]の性格が、峻峭な李徴の性情と衝突しなかつたためであらう。
 叢の中からは、暫く返辭が無かつた。しのび泣きかと思はれる微かな聲が時々洩れるばかりである。ややあつて、低い聲が答へた。「如何にも自分は隴西の李徴である」と。
 袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]は恐怖を忘れ、馬から下りて叢に近づき、懷かしげに久濶を叙した。そして、何故叢から出て來ないのかと問うた。李徴の聲が答へて言ふ。自分は今や異類の身となつてゐる。どうして、おめ/\と故人の前にあさましい姿をさらせようか。且つ又、自分が姿を現せば、必ず君に畏怖嫌厭の情を起させるに決つてゐるからだ。しかし、今、圖らずも故人に遇ふことを得て、愧赧《きたん》の念をも忘れる程に懷かしい。どうか、ほんの暫くでいいから、我が醜惡な今の外形を厭はず、曾て君の友李徴であつた此の自分と話を交して呉れないだらうか。
 後《あと》で考へれば不思議だつたが、其の時、袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]は、この超自然の怪異を、實に素直に受容れて、少しも怪まうとしなかつた。彼は部下に命じて行列の進行を停め、自分は叢の傍に立つて、見えざる聲と對談した。都の噂、舊友の消息、袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]が現在の地位、それに對する李徴の祝辭。青年時代に親しかつた者同志の、あの隔てのない語調で、それ等が語られた後、袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]は、李徴がどうして今の身となるに至つたかを訊ねた。草中の聲は次のやうに語つた。
 今から一年程前、自分が旅に出て汝水のほとりに泊つた夜のこと、一睡してから、ふと眼を覺ますと、戸外で誰かが我が名を呼んでゐる。聲に應じて外へ出て見ると、聲は闇の中から頻りに自分を招く。覺えず、自分は聲を追うて走り出した。無我夢中で駈けて行く中に、何時しか途は山林に入り、しかも、知らぬ間に自分は左右の手で地を攫《つか》んで走つてゐた。何か身體中に力が充ち滿ちたやうな感じで、輕々と岩石を跳《と》び越えて行つた。氣が付くと、手先や肱のあたりに毛を生じてゐるらしい。少し明るくなつてから、谷川に臨んで姿を映して見ると、既に虎となつてゐた。自分は初め眼を信じなかつた。次に、之は夢に違ひないと考へた。夢の中で、之は夢だぞと知つてゐるやうな夢を、自分はそれ迄に見たことがあつたから。どうしても夢でないと悟らねばならなかつた時、自分は茫然とした。さうして、懼れた。全く、どんな事でも起り得るのだと思うて、深く懼れた。しかし、何故こんな事になつたのだらう。分らぬ。全く何事も我々には判らぬ。理由も分らずに押付けられたものを大人しく受取つて、理由も分らずに生きて行くのが、我々生きもののさだめ[#「さだめ」に傍点]だ。自分は直ぐに死を想うた。しかし、其の時、眼の前を一匹の兎が駈け過ぎるのを見た途端に、自分の中の人間[#「人間」に傍点]は忽ち姿を消した。再び自分の中の人間[#「人間」に傍点]が目を覺ました時、自分の口は兎の血に塗《まみ》れ、あたりには兎の毛が散らばつてゐた。之が虎としての最初の經驗であつた。それ以來今迄にどんな所行をし續けて來たか、それは到底語るに忍びない。ただ、一日の中に必ず數時間は、人間の心が還つて來る。さういふ時には、曾ての日と同じく、人語も操れれば、複雜な思考にも堪へ得るし、經書の章句をも誦ずることも出來る。その人間の心で、虎としての己の殘虐な行のあとを見、己の運命をふりかへる時が、最も情なく、恐しく、憤《いきどほ》ろしい。しかし、その、人間にかへる數時間も、日を經るに從つて次第に短くなつて行く。今迄は、どうして虎などになつたかと怪しんでゐたのに、此の間ひよいと氣が付いて見たら、己《おれ》はどうして以前、人間だつたのかと考へてゐた。之は恐しいことだ。今少し經《た》てば、己《おれ》の中の人間の心は、獸としての習慣の中にすつかり埋《うも》れて消えて了ふだらう。恰度、古い宮殿の礎が次第に土砂に埋沒するやうに。さうすれば、しまひに己は自分の過去を忘れ果て、一匹の虎として狂ひ廻り、今日の樣に途で君と出會つても故人《とも》と認めることなく、君を裂き喰《くら》うて何の悔も感じないだらう。一體、獸でも人間でも、もとは何か他のものだつたんだらう。初めはそれを憶えてゐたが、次第に忘れて了ひ、初めから今の形のものだつたと思ひ込んでゐるのではないか? いや、そんな事はどうでもいい。己の中の人間の心がすつかり消えて了へば、恐らく、その方が、己はしあはせ[#「しあはせ」に傍点]になれるだらう。だのに、己の中の人間は、その事を、此の上なく恐しく感じてゐるのだ。ああ、全く、どんなに、恐しく、哀しく、切なく思つてゐるだらう! 己が人間だつた記憶のなくなることを。この氣持は誰にも分らない。誰にも分らない。己と同じ身の上に成つた者でなければ。所で、さうだ。己がすつかり人間でなくなつて了ふ前に、一つ頼んで置き度いことがある。
 袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]はじめ一行は、息をのんで、叢中の聲の語る不思議に聞入つてゐた。聲は續けて言ふ。
 他でもない。自分は元來詩人として名を成す積りでゐた。しかも、業未だ成らざるに、この運命に立至つた。曾て作る所の詩數百篇、固より、まだ世に行はれてをらぬ。遺稿の所在も最早判らなくなつてゐよう。所で、その中、今も尚記誦せるものが數十ある。之を我が爲に傳録して戴き度いのだ。何も、之に仍つて一人前の詩人|面《づら》をしたいのではない。作の巧拙は知らず、とにかく、産を破り心を狂はせて迄自分が生涯それに執著した所のものを、一部なりとも後代に傳へないでは、死んでも死に切れないのだ。
 袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]は部下に命じ、筆を執つて叢中の聲に隨つて書きとらせた。李徴の聲は叢の中から朗々と響いた。長短凡そ三十篇、格調高雅、意趣卓逸、一讀して作者の才の非凡を思はせるものばかりである。しかし、袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]は感嘆しながらも漠然と次の樣に感じてゐた。成程、作者の素質が第一流に屬するものであることは疑ひない。しかし、この儘では、第一流の作品となるのには、何處か(非常に微妙な點に於て)缺ける所があるのではないか、と。
 舊詩を吐き終つた李徴の聲は、突然調子を變へ、自らを嘲るが如くに言つた。
 羞《はづか》しいことだが、今でも、こんなあさましい[#「あさましい」に傍点]身と成り果てた今でも、己は、己の詩集が長安風流人士の机の上に置かれてゐる樣《さま》を、夢に見ることがあるのだ。岩窟の中に横たはつて見る夢にだよ。嗤《わら》つて呉れ。詩人に成りそこなつて虎になつた哀れな男を。(袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]は昔の青年李徴の自嘲癖を思出しながら、哀しく聞いてゐた。)さうだ。お笑ひ草ついでに、今の懷《おもひ》を即席の詩に述べて見ようか。この虎の中に、まだ、曾ての李徴が生きてゐるしるし[#「しるし」に傍点]に。
 袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]は又下吏に命じて之を書きとらせた。その詩に言ふ。
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偶因狂疾成殊類  災患相仍不可逃
今日爪牙誰敢敵  當時聲跡共相高
我爲異物蓬茅下  君已乘※[#「車+召」、第3水準1-92-44]氣勢豪
此夕溪山對明月  不成長嘯但成※[#「口+「皐」の「白」にかえて「自」、第4水準2-4-33]
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 時に、殘月、光冷やかに、白露は地に滋く、樹間を渡る冷風は既に曉の近きを告げてゐた。人々は最早、事の奇異を忘れ、肅然として、この詩人の薄倖を嘆じた。李徴の聲は再び續ける。
 何故こんな運命になつたか判らぬと、先刻は言つたが、しかし、考へやうに依れば、思ひ當ることが全然ないでもない。人間であつた時、己は努めて人との交を避けた。人々は己を倨傲だ、尊大だといつた。實は、それが殆ど羞恥心に近いものであることを、人々は知らなかつた。勿論、曾ての郷黨の秀才だつた自分に、自尊心が無かつたとは云はない。しかし、それは臆病な自尊心とでもいふべきものであつた。己《をれ》は詩によつて名を成さうと思ひながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交つて切磋琢磨に努めたりすることをしなかつた。かといつて、又、己は俗物の間に伍することも潔しとしなかつた。共に、我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所爲である。己《をのれ》の珠に非ざることを惧れるが故に、敢て刻苦して磨かうともせず、又、己《おのれ》の珠なるべきを半ば信ずるが故に、碌々として瓦に伍することも出來なかつた。己《おれ》は次第に世と離れ、人と遠ざかり、憤悶と慙恚《ざんい》とによつて益※[#二の字点、1-2-22]己の内なる臆病な自尊心を飼ひふとらせる[#「ふとらせる」に傍点]結果になつた。人間は誰でも猛獸使であり、その猛獸に當るのが、各人の性情だといふ。己《おれ》の場合、この尊大な羞恥心が猛獸だつた。虎だつたのだ。之が己を損ひ、妻子を苦しめ、友人を傷つけ、果ては、己の外形を斯くの如く、内心にふさはしいものに變へて了つたのだ。今思へば、全く、己《おれ》は、己の有《も》つてゐた僅かばかりの才能を空費して了つた譯だ。人生は何事をも爲さぬには餘りに長いが、何事かを爲すには餘りに短いなどと口先ばかりの警句を弄しながら、事實は、才能の不足を暴露するかも知れないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭ふ怠惰とが己の凡てだつたのだ。己よりも遙かに乏しい才能でありながら、それを專一に磨いたがために、堂々たる詩家となつた者が幾らでもゐるのだ。虎と成り果てた今、己は漸くそれに氣が付いた。それを思ふと、己は今も胸を灼かれるやうな悔を感じる、己には最早人間としての生活は出來ない。たとへ、今、己が頭の中で、どんな優れた詩を作つたにした所で、どういふ手段で發表できよう。まして、己《おれ》の頭は日毎に虎に近づいて行く。どうすればいいのだ。己の空費された過去は? 己は堪らなくなる。さういふ時、己は、向うの山の頂の巖に上り、空谷に向つて吼える。この胸を灼く悲しみを誰かに訴へたいのだ。己は昨夕も、彼處で月に向つて咆えた。誰かに此の苦しみが分つて貰へないかと。しかし、獸どもは己の聲を聞いて、唯、懼れ、ひれ伏すばかり。山も樹も月も露も、一匹の虎が怒り狂つて、哮《たけ》つてゐるとしか考へない。天に躍り地に伏して嘆いても、誰一人己の氣持を分つて呉れる者はない。恰度、人間だつた頃、己の傷つき易い内心を誰も理解して呉れなかつたやうに。己の毛皮の濡れたのは、夜露のためばかりではない。
 漸く四邊《あたり》の暗さが薄らいで來た。木の間を傳つて、何處からか、曉角が哀しげに響き始めた。
 最早、別れを告げねばならぬ。醉はねばならぬ時が、(虎に還らねばならぬ時が)近づいたから、と、李徴の聲が言つた。だが、お別れする前にもう一つ頼みがある。それは我が妻子のことだ。彼等は未だ※[#「埓のつくり+虎」、第3水準1-91-48]《くわく》略にゐる。固より、己の運命に就いては知る筈がない。君が南から歸つたら、己は既に死んだと彼等に告げて貰へないだらうか。決して今日のことだけは明かさないで欲しい。厚かましいお願だが、彼等の孤弱を憐れんで、今後とも道塗《だうと》に飢凍《きとう》することのないやうにはからつて戴けるならば、自分にとつて、恩|倖《かう》、之に過ぎたるは莫《な》い。
 言終つて、叢中から慟哭の聲が聞えた。袁も亦涙を泛べ、欣んで李徴の意に副ひ度い旨を答へた。李徴の聲は併し忽ち又先刻の自嘲的な調子に戻つて、言つた。
 本當は、先づ、この事の方を先にお願ひすべきだつたのだ、己が人間だつたなら。飢ゑ凍えようとする妻子のことよりも、己《おのれ》の乏しい詩業の方を氣にかけてゐる樣な男だから、こんな獸に身を墮《おと》すのだ。
 さうして、附加へて言ふことに、袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]が嶺南からの歸途には決して此の途《みち》を通らないで欲しい、其の時には自分が醉つてゐて故人を認めずに襲ひかかるかも知れないから。又、今別れてから、前方百歩の所にある、あの丘に上つたら、此方を振りかへつて見て貰ひ度い。自分は今の姿をもう一度お目に掛けよう。勇に誇らうとしてではない。我が醜惡な姿を示して、以て、再び此處を過ぎて自分に會はうとの氣持を君に起させない爲であると。
 袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]は叢に向つて、懇ろに別れの言葉を述べ、馬に上つた。叢の中からは、又、堪へ得ざるが如き悲泣の聲が洩れた。袁※[#「にんべん+參」、第4水準2-1-79]も幾度か叢を振返りながら、涙の中に出發した。
 一行が丘の上についた時、彼等は、言はれた通りに振返つて、先程の林間の草地を眺めた。忽ち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼等は見た。虎は、既に白く光を失つた月を仰いで、二聲三聲咆哮したかと思ふと、又、元の叢に躍り入つて、再び其の姿を見なかつた。


底本:「文學界」
   1942(昭和17)年2月
※「山月記」は『文學界』に「文字禍」と共に「古譚」の題で掲載されました。
※このファイルは、日本文学等テキストファイル(http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/bungaku.htm )で公開されたものを、青空文庫形式にあらためて作成しました。
※「己《をれ》」と「己《おれ》」、「己《をのれ》」と「己《おのれ》」の混在は底本通りにしました。
入力:岡島昭浩
校正:小林繁雄
2005年04月22日作成
青空文庫作成ファイル:
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