NASAの3人の黒人系女性スタッフ、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ボーン、メアリー・ジャクソンの知られざる物語を描いたドラマ。
主人公として描かれるキャサリン・ジョンソンは天才数学者で、軌道計算や再突入計算などを担当しました。
彼女は黒人女性たちの部署から白人男性たちの計算チームに抜擢されます。
しかしながらそこは差別と偏見に満ちた世界
白人専用のトイレしかないため、彼女は一日に数回元いたチームのある棟まで走っていかなければならず(800M離れてると言ってたような)、自転車を使うことも許可されない。
また職場にあったコーヒーマシンから彼女がコーヒーを入れた翌日、そのマシンの横に有色人専用のコーヒーポットが置かれてました。そしてそのポットが空になっていても放置されたままです。
ある日上司(ケビンコスナー)に君はいつも席にいない、一体どこで何をしてるんだ!と叱られます
彼女は毅然と
「私のトイレがないんです!自転車も許されず毎日遠く離れた棟まで往復するしかないんです。
同僚は未だに私のコーヒーポットに触れようともしない」と訴えました
ドロシー・ボーンは、計算部門のリーダーとして当時最先端のIBMのコンピューターを使いこなします。
リーダーに抜擢された時、自分のチーム全員でないと行かないときっぱりと言い切ります。
自分だけが恵まれれば良いんじゃなくて、同じ境遇の仲間みんなを救い一緒に立ち向かっていこうとする強い意志が本当に素敵。
メアリー・ジャクソンは航空工学の分野で活躍しました。
必要な学位をとるには白人の高校で受講する必要がある、しかし白人の高校には黒人に入学許可はおりない。彼女は裁判所で判事に訴えます。
「10年後の未来に何かを成し遂げた判事として名を残して欲しい。あなたが先駆者にならなければ、あなたが前例を作って欲しい」と。
彼女たち3人は、数々の偏見や差別、抑圧に立ち向かい、他の女性たちも巻き込みながら、自分たちのエンジニアとしての夢を叶えていきます。
この気骨のある3人の女性は
まさに先駆者であり
前例を作ってきたわけですね
彼女たちは人生をかけて
誇りある仕事を全うしようと前進あるのみで
そしてへこたれず、腐らず前を向き続けた
本当に本当に尊敬します
トイレの件でジョンソン氏に
まくしたてられたケビンコスナーが
白人専用のトイレの看板を
力づくて壊します
そして「これで君のトイレができた。小便の色はみな同じだろ」と言います
痛快なシーンでした
実話であったらしいのですが
後にジョンソン氏自身は後年、不平等な扱いを
受けていることに抗議する暇がないほど、多忙な毎日を過ごしていたと当時を振り返っていたそうです。
本当に気持ちのいい映画でした
久しぶりに骨のある映画を観たって感じ
それはもちろんこの実話の当事者たち
3人の女性の気骨によるものだけど
それぞれの女性を演じた女優さんも
良かったし
やはりケビンコスナー氏の
存在感も大きかったですね
もう一つ記憶に残るシーンが
どんどん昇進したドロシーボーンに
元上司の白人女性が
「偏見は全くないのよ」と言ったとき
ドロシーがこう答えます
「わかってるわ、あなたがそう思い込んでるのは」