イチローの言葉『孤独』 | 日本トレーナー協会代表理事のブログ『もっと身体の声を聞こう♪』

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最後にイチロー選手の引退会見から『孤独』について。

 

イチロー選手は「自分が外国人という立場になったことで、人の心をおもんばかったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分が現れたんですよね。この体験というのは、本を読んだり、情報をとったりして、知ることは出来たとしても、体験してみないと自分の中からは生まれないので・・・。孤独を感じて苦しんだことは多々ありました。ありましたけど、その体験は、未来の自分にとって、大きな支えになるんだろうと、今は思います。だから、辛いこと、しんどいことから、逃げたいと思うのは当然のことなんですけど、でもエネルギーのある元気な時に、それに立ち向かっていく。そのことは凄く、人として重要なことなんではないかなと感じています」と語った。 

 

 

イチロー選手の引退会見で感じたことは、イチロー選手は野球を通じて人間を深めたのだ。決して野球だけが素晴らしいとは言わなかった。何でも良いから好きなことを見つけ、そのことに没頭し、試行錯誤し、自分の中で少しずつ変化と成長を感じとる。誰かと比べる必要は全くない。辛いことも逃げたい時もあるけど、好きなことなら乗り切れる。その先にちょっとだけ成長した自分がいる。その繰り返しでしか、本当に自分には出会えないし、後悔しない人生にはならない。要約するとそんな内容だった。

 

だからあの引退会見は、メジャーリーガーイチローの引退の言葉というより、“『J』の意志”を継ぐ、日本人イチローが、今の段階で考えていること、という感じで私には映った。ゆえに「まだ続く」と思って観ていた。それでもなぜか涙は止まらなかった。そして私と同じようになぜか涙が溢れてくるという人、イチロー選手に心からの感謝の言葉を贈る人、尊敬の念をつづっていた人など大勢いて、“『J』の意志”は確実に受け継がれている、と強く思った。

 

 

 

『孤独』な時にこそ、人は考え成長する。無意味に孤独を避け、ただ大人数が集まる輪に加わり、表面上だけの薄っぺらい関係に時間を費やす必要はない。ただ時間を浪費するだけの宴が終わって独りになった時、孤独に加え、虚しさを感じ、自己嫌悪し、自分に自信を失っていくだけだ。それすら感じなくなっているなら、もはや“『J』の意志”は失われている。

 

いつか、同じように孤独を生き抜いてきた仲間に出逢える。多くは語らなくても、同じような境遇を生き抜いてきた仲間を感じられるようになってくる。

 

それまで諦めずに、誇り高く生きて欲しい。