2016年6月18日19日
NHKスペシャルで二夜連続で「キラーストレス」を特集していた。
1日目が『身体をムシバムキラーストレスの正体と対策』
2日目が『ストレスから鬱病。目に見えないストレスが、どうやって心をむしばむのか？ そのメカニズム』
ストレスの回避方法、軽減方法、発散方法などは、生西の『心身調律』と似ているので、クソ真面目にまとめようとしていたのだが、止めた(*´з`)。理由は、クソ真面目に書いたり読んだりしていると、ストレスについて学ぶことがストレスになるからだ。現にこの10日間、空いた時間でまとめようと四苦八苦していた生西のストレスがハンパない(￣▽￣)。
難しいだけの内容や、冗談もエロも無い話はつまらない。んで、相変わらずある特定の物質や数値を追いかけて、それが増えただの減っただの言っている。それは基準としては分かりやすいし、ざっくりとしたふるいにはなる。しかし最も大切なことは、人間を診ることである。特定の数値や物質だけで判断できるほど、命の調和は単純ではないし、研究も進んでいない。『数値や物質はあくまで指標の1つ。大切なのは人間のありようそのもの』。これが最初に言っておきたい重要事項だ。ゆえに番組の中で紹介されたATF3遺伝子については論じない。
まず『キラーストレス』というネーミングから考えよう。
正直初めて耳にした。いかにも殺し屋という印象を受ける。ホントそれ自体が良くない。理由は、言葉のイメージに人の身体は引っ張られるからだ。『ストレスは死に繋がる怖いモノ』というイメージだけで病気になれる自信がある。だから本当はもうちょっとふざけたネーミングの方がいい。『やさぐれストレス』とか『いかついストレス』とか『ストレス８段』とか。一見、「ん？」と首を傾げて、「あー、ストレスが何重にもなった強いやつって意味ね」ぐらいのニュアンスで分かってもらった方がいい。讃岐弁で言うと『がいなストレス』だ。
ストレスとなるモノは可能な限り寄せ付けないのは、ストレス対策の初歩の初歩。なのに、それを伝える側が思いっきりストレスになりそうなネーミングを投げつけてくる、この矛盾。大切にすべきものの優先順位が生西とは違う。生西に言わせればあちらがアホ。あちらに言わせれば生西がアホ。正しいとか正しくないとかいう議論の多くは、所詮その程度のモノである、と思っていると、ストレスは少なくて済む。意地やプライドは不用意に持ち出さず、譲れるものは譲ろう。ただ本当に譲れないモノである時は、命を掛けよう。その覚悟があるかないかでも、様々な情報に対するストレスは大きく変わってくる。
ではまず、ストレスにはどんなモノがあるかから紹介。
物理的・化学的ストレス：温度や湿度。音や光。大気汚染物質。アルコールやタバコなど。
生物学的ストレス：細菌、ウィルス、花粉、害虫など。
精神的ストレス：不安、恐怖、怒り、悲しみ、不満など。
社会的ストレス：家庭環境、職場環境、学習環境、衛生や治安など。
と、少し分類して書いたが、あまり気にすることでは無い。
こういったストレスが、『軽度で』『短時間で』『単発』なら、怖くない。というか、自律神経や免疫系の働きを維持するためには、最低限必要なのだ。ストレスが無いと心も身体もスライムのようになっていく。普段からヤル気がなくなるし、緊急事態に対処できない。人にもてあそばれて、その身を委ねるだけの人間になってしまう。適度なストレスは、本来あるべき人間としての形を維持する働きを担っている。
一方、ストレスが『度を超えて』『継続的慢性的に』『複数同時』になると『がいなストレス』になる。
ストレスに限らないが、適度が大切なのだ。運動も栄養も、お金も愛情もそうだろう。無くても困る。適度な刺激であって、拷問のように強烈であってはならない。そこに明確なラインは無いし、個人差があるので、自分で気付き、出来れば早めに回避するか、軽減してやる措置を講じることが大切である。
上述したストレスで、現代、問題になっているのは精神的なストレスだ。気候の変化や病気、外敵などに対する肉体的なストレスは、一時的で、すでに解決策が世に広まっている場合が多い。一方、人間関係や仕事のプレッシャーなど精神的なストレスは、継続的で、自分で解決策を見出さなければならない場合が多い。
解決するまで四六時中ストレスに晒されることになる。ストレスが取り除かれるまでの間、脳はストレスに対抗するため、副腎から様々なホルモンを放出し続ける。そのホルモンの一種であるコルチゾールは、一定量を超えて増え続けると、脳の一部である海馬を破壊する。海馬は記憶をつかさどり、感情にも関与している。この海馬の神経細胞が減少、委縮、低密度になると鬱病や認知症に繋がるリスクが高くなる。
これには『記憶』と『想像』という人間特有の能力が影響している。
人間は過去に起こった過ちを何度も思い出し、後悔し、時折その記憶をネガティブな状態で固定化してしまう。固定化し、思い浮かべる回路が強まった記憶は、時が過ぎてもフトした瞬間に脳裏に浮かび、ストレスとなる。
また人は未来を勝手に想像し、悲観的になる時がある。1週間先のプレゼンが心配だ。失敗したらどうしよう。怒られはしないだろうか。或いは誰かに嫌われてはいないだろうか？誰か笑われてはいないだろうか？ ちょっとしたことを繰り返し思い悩む。
こういった記憶と想像、つまり目の前の出来事ではなく、脳内だけで思考が回っている時間は、一日の半分近くに及ぶ。それだけの時間、ネガティブで悲観的でいるか？ ポジティブで前向きで楽観的でいるか。その思考の違いによって、脳神経へのダメージ、また各細胞へのダメージには多大なる差が出る。バカは風邪を引かない、というのはまんざら嘘でもない。昔のことはすぐ忘れる。将来のことなんて考えない。ただ目の前のことには一生懸命になれる。そのバカ純粋さは素晴らしい。
もう1つ重要なことがあった。日本人は病気を作りたがる。いかにもそれっぽい病名を作り出し、はっきり分からない病人は、その枠に放り込む。病名がつくと周りの人間からも会社からも社会からも労わってもらえる。ストレスに関する病状だけでなく、あらゆる病気や症状において、どこまで国民の税金を投入してケアするか？ということを本気で議論しなければならない。手厚くすることだけが優しさだと、多くの人が思い込んでいるが、違う。時に厳しくできることが本当の優しさなのだ。前にも述べたように、適度な刺激は必要なのだ。甘やかすだけ甘やかして、努力させなかった人間は、自分1人で立てなくなる。そういう命は輝かない。輝かすための適度な研磨を。
最後に、医療保険制度が日本とはことなり、体調管理は自己責任という意識が強いアメリカの心理学会が推奨する5つのストレス対策を紹介しておく。
・ストレスの原因を避ける。
・笑う。
・サポートを得る。
・運動する。
・マインドフルネス・ストレス低減法。
以上5つ。次回、それらのことについて解説していく。
一瞬話がそれるが、写真は家庭菜園で育てているトマトとスイカ。他にもバジルやパクチーやトウモロコシなどがある。食べられるモノしか育てていないところが我ながら現金なヤツだ。
言いたいことはここから。家庭菜園を生西は趣味で始めた訳ではない。農学部だが食品系だったので、栄養学、生化学、遺伝子工学や微生物学などの話は普通の人より詳しいが、植物を育てたこともないし、家畜の育て方も知らない。それでもなぜか今、植物を育てているし、熱帯魚も飼っている。かなりの財政難なのにだ。
なぜか？
『そうしたいと思ったから』
ただそれだけの理由だった。そしてそれが心身調律の根幹だった。毎日成長し変化する緑を観察すると心が落ち着いた。徐々に赤く熟してくる実を微笑ましく観察した。ヒラヒラと尾をなびかせ、不規則に泳ぐ熱帯魚を見ていると、時間を忘れられた。「あー、このまま力尽きて、腐って分解され、こいつらに吸い上げられたり食べられたりしたら、それでいいなぁ」というぐらい、心は穏やかになった。
逆の作用としてトレーニングをしているのだと思う。もはやトレーニングとかストレッチとか筋膜リリースとか、そういった言葉に囚われない次元に入っている。身体の声を聞く。動かしたいように動かす。ただそれだけのこと。ルーティンは何種類かあるが、メニューは無い。話すと長くなるから、これも以下割愛。
話を元に戻すと、以上のような、生西が心おもむくままに行っていた行動は、ストレスを回避し、軽減するための方法として、コーピング、という手法で紹介されていた。多かれ少なかれ、人はそれを自然に行っている。科学は本質の証明でしかない。答えはもう何千年も前に出ている。本質は確信的である必要はないので、まあそうなんでしょうね、という感想しかない。それらについては次回以降に説明する。
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