井上由美子さん
14才の母
サムライハイスクール
陽はまた昇る
春馬くんの作品を手掛けていらっしゃる 脚本家さんとの対談
+act mini 2009年
サムライハイスクールの
主題歌
「孤独の太陽」が聞こえてきそうな
コタロウ春馬くん ですね。
井上由美子さんとの対談、 続きです。
そもそも、小太郎というキャラクターはどのようにして生まれたのでしょうか?
井上「ダメ~な部分とワイルドな部分と、欲張りに両方やりたかったんですよね。ひと粒で二度美味しいというのは魅力的だし、自分が是非見たかったから。普段のリアルな現実の小太郎は限りなく弱くてダメで、変身したあとのサムライ小太郎は強くてワイルド。女にも『おい女!』と言うような。私ね、インターネットのファンサイトをいくつか覗かせてもらったんです。」三浦春馬君にやってもらいたい役!とかっていうのがあって(笑)」
三浦「ははは」
井上「すると意外と、サムライみたいな強い役とダメな春馬君が見たいとあって、へえ~って」
今回の役そのままじやないですか!
井上「そう(笑)。でもダメな春馬君が見たいというのは、ちょっとわかるんですよね。守ってあげたいというのと守ってもらいたい、そう思わせる役が見たいって。それで出来るなら、ファンサイトで見たファンの願いみたいなものを両方やろうつてことです」
番組が始まったら、ファンサイトは凄く盛り上がりそうですね。
井上「それはちょっと。文句とか色々な声が出てくるだろうから読まないけど。春馬君にあんなことをさせてひどい!とか(笑)」
でも確かに、どちらの三浦さんも見たことがない気がします。
井上「普通の役ってその真ん中じゃないですか? 土9じゃないと出来ない役ですよね」
毎回ヘン顔は変わるんですか?
役というのも、すぐイメージ出来たのですか?
三浦「う~ん、なんとなくですね。どっちかというとサムライより普通の高校生のほうが、どうやろうかちょっと悩みます。すぐに笑ってごまかしちゃう、ああいう男の子ってたくさんいると思うんです。僕だってやってるし。そういう普通の人を演じるのって難しいんです」
今回は「ヘン顔」をするんですよね?
三浦「昨日(撮影で)やりました!」
―どんな顔ですか?
三浦「それはドラマで見て頂いたほうがいいと思います!」
…って、変なところにつっこみますが。
三浦「もちろん変えていきます....と思います」
井上「でも小太郎の場合はウケないヘン顔じゃないといけないんです。ウケてはダメ。ウケなくて悩むというのが、今の10代の青年なんですよね。ウケないのが凄く怖い」
三浦「ああ....そうですね」
井上「10代の男の子が100人いたら、半分はそういう子ですよ。監督にも私の親族にも。ちょうど高校生の子供がいるんです。それで監督とよく子供の話をするんですけど、言ってることが同じなんですよね。笑ってごまかすとか浮きたくないって気持ち、今の子って凄くあるよね」
三浦「ありますね。僕にもあるなあ」
目立ちたいより、浮きたくないと?
三浦「中学生の時は目立ちたいと思っていたけど、高校生になったらガラっと変わっちゃって。当時はそれ程仕事をしていなかったから、文化祭とか音楽祭では、みんなを練習に誘っていくような子でした。昼休みには校庭で。サッカーのトーナメントだ!とか言って、クラス対抗でサッカーをしたりして」
井上「モテました?」
三浦「モテ……ないですよ」
今ちょっと、間がありましたけど。
三浦「いやいや全然モテなかったです(笑)。でも高校の文化祭とか音楽祭ってぼーとしちゃって、前に出ようとは思わなかったです。学校に行けない時もあったので、みんなと密にコミュニケーションが取れなかったというのもあったかもしれないけど」
そういう三浦さんの目に、台本に書かれた高校生ってリアルに見えますか?
三浦「え? 突然サムライに変身するのがですか?」
いや、その部分は抜きで(笑)。
友達との関係性とか距離感とか、さっきの笑ってごまかす感じとか。
三浦「そうですね。”ああだこうだ言ってもどうせ何も変わらない”とか、そういう感覚はリアルだと思います。自分も中学のころは気持ちを表に出してつっかかったりしたけど、高校では全然そういうことはしませんでしたから」
そこはサムライに変身するというとっぴな設定があるから、ドラマの部分はリアルにというバランスを意識されたのでしょうか?
井上「そう…ですね。今は女の子が強いんですよ。誰にいじめられるのが怖いって、女の子に ”キモい” と言われるのが一番怖いって」
三浦「ああ!(深く頷く)」
井上「それで本当に傷つくんですよね。そういう感じの空気は出したいんです、女子強し! みたいな」
三浦「なるほど」
井上「男子が立ち上がって強くなっていくという、これは男子の革命の話でもあるんです。だから小太郎がサムライになった時は意識的に「おい女!」なんてセリフを入れてるんですけど。本当の小太郎が、サムライヘの変身ということを通して成長していく。だから最終回をざっくり言うと、本当の小太郎とサムライ小太郎のお別れの話になる。いや、変わっちゃうかもしれないけど(笑)」
そこも変わっちゃうんですか一
井上「ドラマって生き物なので。評判とか視聴率とかそういうことではなく、やってるうちにこっちのほうが面白いなという発見があったりして変わって行くんです。そこがドラマの面白いところでもあるんですけど」
小太郎以外の誰かにもサムライが憑依して”お前もか!”とか言ったりして。
井上「それおかしい(笑)」
妄想がどんどん膨らむ設定ですよね。そういう過程で、小太郎のキャラクターを三浦さんに近づけていくこともあるんですか?
井上「それはないです。別物として考えますから。今日はこうしてお会いしてますけど。基本的に私、役者さんにはお会いしないんです。画面で見る感覚を大事にしたいので」
近づき過ぎると書きにくいものですか?
井上「ご飯を食べに行ったりすると、個人的な話をする人もいますよね。そういう面を知ってしまうと、純粋に役を書けなくなる気がして。だからあまり近づかないようにしています。それが唯一のプロ意識かもしれません」
もう撮影は始まっているんですよね?
三浦「はい。最近まで舞台をやっていたのでドラマの芝居が新鮮で楽しいです。現実の小太郎はちょっとボケていてヘン顔をしたりして。これまで演じたことのない役柄だから大きなチャレンジなんです。色んなヘン顔をお見せ出来ればいいな~って(笑)」
鏡の前で練習しましたか?
三浦「しました。鏡の前で、これがいいかな? とか(笑)」
井上「監督はやって見せたりしてくれるの?」
三浦「いや監督は....笑)。でもヘン顔をする相手の杏ちゃんが全然笑わないんです。だからさっきの、ウケない子が味わう怖さというか、しゅんとしちゃう感じを味わってます」
井上「杏ちゃん、笑わなそうだもんね。クールに ”何が?” って言いそう」
三浦「いくら芝居中でも、少しはクスっとかあってもいいのになと思ったりするじゃないですか。これがもし芝居じゃなかったら、僕は完全に落ち込んでます(笑)」
これから進んでいくドラマに対して、どのようなことを期待していますか?
井上「やっぱり見た子や子の親達が、小太郎の成長を見て元気になれればいいですね」
三浦「僕はこの作品の前に舞台を初めてやって、自分達の芝居を観た直後のお客さんの顔を初めて見たんです。しかも大勢のお客さんの。それを繰り返して学んだのは、僕達の仕事って、短い時間かもしれないけどお客さんに泣いたり笑ったりしてもらえる。そうして最後に、僕達の挨拶を物凄くいい顔で聞いて下さったりするんです。それは凄くいい時間でした。それまでもファンレターなどで ゛落ち込んでいたけど、あなたの芝居で立ち直ることが出来ました゛なんて言葉を頂いたりはしました。もちろんそれは嬉しいけど、ピンと来ないところもあったんです。でも舞台ではそれを実感出来た。だから今回もドラマを通して、元気や感動をちゃんと届けられたらいいなって。そう思いながら取り組んだら、今までとは全然違う自分を出せるんじゃないかと。器用じゃないので上手く伝えられないかもしれないけど、番組の宣伝をする時も、本当に見てほしいという気持ちをぶつけられたらいいのに。”元気を届けるので見て下さい” と、いつもより必死に言える気がしています」
井上「舞台を観て凄いなと思ったことがひとつあったんです。最後の舞台挨拶で、一番上の2階席まで手を振ってたよね。あれは凄くよかった。なかなか出来ないですよ」
三浦「毎回そうしてました。来てくれた人達全員に、ありがとうございました!゛と伝えたい。そういう気持ちで」
最後に、今日の対談はいかがでしたか?
三浦「凄く印象に残ったのは ”男の子が弱くなってきた” って話です。もうちょっと強い男の子がいてもいいなって。だから女の子に立ち向かえる勇気を届けられるようなドラマになったらいいと」
井上「それいいね。”女の子に立ち向かえる勇気が出るドラマ” 」
なんか、ちっちゃい勇気ですね。
井上「いや現実的で。実は大きい勇気かもしれないよ」
三浦「なるほど。キモいと言われても落ち込まないように。それくらいの勇気が持てる…そのきっかけになるようなドラマに」
なんか、やっぱり小さい気がする(笑)。
三浦「ははは!」
孤独の太陽
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サムライハイスクール → 直訳で武士高校になってますね
■ 孤独の太陽 への 春馬くんのコメント
この曲は、“サムライ”を彷彿させるような力強いメロディと、“若者の迷い”を表現した歌詞がドラマの世界観とリンクしていてすごく気に入ってます!この曲を聴きながら撮影頑張ります!