見返りを求めるのなら最初からやるな!
兄の助言が欲しくて相談したのに、けんもほろろだった。
決して見返りを求めた訳じゃなかった。
だけど、気持ちが伝わらないもどかしさに、わたしの頑張る気持ちが萎えていった。
だけど、それを証明しようとすればするほど、それこそが「見返りを求める」証明になっていく。
わたしは兄の前で項垂れたまま、自問自答を繰り替えした。
そうか、そういうことだったのか。
と、わたしは少しずつ納得するのだった。
どこかで家族の犠牲になったのだと、他人のせいにしていたことに気付かされた。
先日の兄との電話の会話で、唐突にそのことを思い出したのだけれど、今更ながら妹思いだったのだと。
あの頃は、兄の本当の気持ちに気付かなかった。
若気の至りだった。
兄の言葉は、後のわたしの座右の銘となった。
『見返りを求めるのなら、最初からやるな』
💛あの頃は19歳!