4歳の娘が、「絵を描いたので、○○に送って」と言った。
娘が書いた絵は、あるキャラクターであり、その出版社あてに郵送してくれと言うのだ。
すると妻が、「でも、これ送ると140円もかかるのよ。」
娘:「でも、送って!」
妻:「140円あれば、あめ玉が10個以上も買えるのよ。」
娘:「あめ玉が10個以上も!?」
妻:「しばらく、あめ玉なしでも我慢できる?」
娘:「んー・・・。」「でも、やっぱり送って!」
このやりとりを、ほほえましく聞いていた。
しかし、このなんてことはない、やり取りの中に、リーダーとして部下指導の教訓があるように感じた。
娘は、140円という送料の価値を初めて知った。
ということは、絵を送るということに、「コスト」がかかるという意識が無かったということだ。
妻は、これを娘に気づかせたのだ。
あめ玉10個以上も我慢しなければならないと知った上での決断は、「決意」になる。
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職場でも、部下がいろんな「提案」をしてくるケースがある。
提案は歓迎だと、メンバーに伝えているためかもしれない。
しかし、その提案内容は玉石混交だ。
煮詰め方の足りない提案に対しては、妻のやり方が参考になる。
A:「××という新規商品を拡販しましょう!」
私:「それはいい考えだ。」「でも、具体的にどうやって?」
A:「××の潜在顧客を洗い出しました。パンフレットを作成して、プレゼンして、購入後に景品をくばるのです。」
私:「そうか!よく潜在顧客の洗い出しという難しい作業をやり遂げたな。」「でも、コストは100万円になるな。」
A:「100万円もかかります?」
私:「積上げて計算してごらん?粗々計算しただけでもそうなるぞ。」「100万円以上の営業利益を得る自信がある?」
A:「・・・」「ぜひやらせてください。プランはコスト面も含めて緻密に再計算します。」
私:「じゃ、一緒にプランを練ってみよう。」
こういうプロセスを経た企画は、成功する可能性が高い。
なぜなら、プランが綿密になるだけでなく、A君の「決意」が深まったからだ。
そして、「プランは慎重に。行動は大胆に。」というセオリーに近づく。
「?」を常に頭の中にぶら下げておくと、家族の会話さえ、発想の展開につながると実感した出来事だった。