日本には、いわゆる「やくざ」がいる。
イタリアのマフィア、日本のやくざ、香港マフィアなどが、「悪漢」としては有名だ。
しかし、これだけ「治安が良い」とされた日本でなぜ、「やくざ」がはびこったのだろう。
この歴史は、「江戸時代」に遡るようだ。
戦国時代は、国民「総やくざ」時代だったと言っても過言ではない。
織田信長や豊臣秀吉は、いわばやくざの大親分だったのだ。
その後、徳川幕府になって、武士が「官僚化」していく。
そして、帯刀を許された武士階級に、細かい掟(おきて)が出来きるようになる。
その一つに、「抜刀(ばっとう)したら必ず切り付けなければならない。」という掟があった。
「抜刀」で町人や百姓を脅してはいけないということから始まったそうだ。
つまり、江戸時代の武士にとっては、「抜刀」=「人殺し」=「切腹」というくらい重い行為になってしまった。
そういえば、浅野匠上は、殿中で抜刀し吉良上野介を切りつける。
「カーッ」となって抜刀したは良いが、後は冷静になっていたとしても、切りつけるしかなかったのだろう。
この頃から、町人や港湾関係者の中に、やくざがはびこりだす。
彼らにとって、武士はもはや怖くない存在だったからだ。
武士にしても、変に絡まれて抜刀したら、切腹しなければならないため、放置したのだろう。
むかしの治安の良さは、後々の治安の悪さにつながっていく。
なんとも皮肉なものだ。