前回の続きである。
大伴氏の祖先は「天忍日命」である。
天忍日命は、天孫降臨を導いた神であるとされる。
つまり、皇統ではないということだ。
蘇我、葛城、平群、物部などの大連や大臣を排出した氏族は、天皇家の親戚と言うことになっている。
しかし、大伴氏は違う。
江戸時代にたとえると、蘇我、葛城、平群、物部はすべて徳川氏か松平氏などの親藩であるが、大伴氏は井伊氏などの譜代であるということである。
にもかかわらず、大伴金村はキングメーカーになり得た。
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ここで、少し大伴金村を中心とした大伴氏の系図を見てみよう。
この系図を見て、皆さんは何かを感じられないだろうか。
私は、次の点に違和感を覚えた。
・金村は大王家と複雑な姻戚関係を結んで権力を掌握したのではないという点
・藤原鎌足や不比等に金村の血が流れていることになっている点
・藤原不比等が、娘を大伴氏に嫁がせている点
・金村の息子の名前：「磐」「咋子」？
（つづく）