ビジネスの世界では、事業継承などの世代交代は、重要なテーマである。
カリスマリーダーと言われる人ほど、会長職などにとどまって死ぬまでリーダーとして君臨するケースが多い。
そして、勢いのあった組織は「老害」により停滞してしまうのである。
では、自然界ではどうなのだろう。
やはり、大半の動物は子が大人になったら、縄張りから追い出す。
しかし、現実は単純ではない。
例えば、トラは、縄張りの外に追い出した自分の娘(トラは母系社会)に、結局は縄張り争いで敗れて、衰え死に行く運命にある。
ゴリラやチンパンジーの群れでも、リーダーは実力主義で選ばれるため、組織がワンマンリーダーの「老害」に冒されることはない。
さらに、ナマケモノに至っては、子が成長したら親が縄張りから出てゆく。
無駄な労力を好まないナマケモノは、一番効率の良い世代交代の方法を示してくれているのかも知れない。
人間社会でも、事業継承をスムーズに行うには、トップが頃合を見計らい出てゆくか、もしくは自分に能力がなくなったときには降格となる完全実力主義が実現できる組織にしておくか、どちらかを選ばなければならないのだろう。