サッカーにおけるフィジカルトレーニングは存在しない、、 | スペイン1部でトレーナー10年 千葉 パフォーマンスを上げるにはまず体を楽に使えるようになる事 ケガする選手には同じ原因あり

スペイン1部でトレーナー10年 千葉 パフォーマンスを上げるにはまず体を楽に使えるようになる事 ケガする選手には同じ原因あり

スペインリーグで10年、Jリーグでのトレーナー時に、トップの選手はなにかしらケガを抱えてる選手多いものです
またケガをしない選手というのは、体を楽に動かす術を心得ています。ケガをしない体へ…

こんにちは!

2007年にMARCA(スペイン全国紙)

に掲載された、アンヘルカッパ(元監督)と、

パコセイルーロ(元バルサフィジコ)の対談記事ですが再掲載したいと思います!

当時そういう風に考えてる、

フィジコが居るのか、、、と

感銘を受けたものです。

当時かなり反響があり、一緒にやってた監督が、

翌日"おまら昨日のマルカ読め!"と

言ってたの思いだします。

パコセイルーロの凄いのは、

今さらですが、元々サッカーを

みてなかったが、バルサのフィジコになり

サッカーという競技で、何が必要なのか、、

 

というのを指導者レベルで理解してる所です。

(フィジコながらバルサ博物館に

写真付きで歴代の指導者達と共に

掲載されております、、)

以前にも紹介しましたが、改めて、、、


●フィジカルトレーニング(サッカーにおける)は存在しない、、●
(La preparacion fisica no existe,,,)

C: Angel Cappa (元監督、コメンテーター)
P: Paco Seirulo (FCバルセロナ、フィジコ)




C:あなたと考えが一致するかどうか

わかりませんが、私の考えでは、

いわゆるフィジカルトレーニングというのは

存在しないと思ってます。

 

存在するのは

“サッカー選手作り”

“バスケットボール選手作り”

“テニス選手作り”であり、

 

一般的な、フィジカルトレーニング

ではありません。

P:私もその考えに同感です。
以前は、間違った考えとして、

まず全ての競技選手に対し、

アスリートになる為の体作り

(調整・体力トレーニング)をし、

 

そして、その後は各々の専門競技

のトレーニングをしてました、、、

 


もし持久力の体力強化をしたければ、

山に行ったり、浜辺に行ったりし、

その後、各々の種目にあった

持久力トレーニングをしていました。

 


それでは、時間と労力の無駄だった訳です。
全てのスポーツには、その競技特性に

あった体作り(調整・体力トレーニング)が

必要なのです。

 

C:スピードについてですが、

例えばサッカーにおいては、

他の競技とは特性が違います。


スピードの中に正確さがあり、

かつプレーの前に周りを

みなくてはならない、、、

 

P:私は以前、別の競技選手も見ていました。
そんな中でサッカーは、

最も巧妙さが要求されるスポーツです。


高い知性、判断、感性、

スペース察知能力、

そして試合時間、、、


どうして?

サッカーにおける動作一つ一つが、

そのままプレーに直結してるからです。

かつ、個人各々の集中力も大切な要素です。

 

なので、サッカーにおけるタレントは、

非常に特別な存在でもあります。

C:以前あのマラドーナと一緒にいた時に、

彼が言った言葉を思い出します。


一緒にバスケットのマイケルジョーダン

の試合を見てたときです、、、
彼(マラドーナ)にこう言いました、、


“ディエゴ、偉大な選手だよな?

(マイケルジョーダンを指し)、、、” 

 

そしてマラドーナーが、
“たしかに偉大な選手だね、、

彼を尊敬するよ、、、 

 

でも忘れちゃいけないのは

彼は“手”を使ってる事だよ、、、”

P:たしかに、、、

それがサッカーの難しい所です。
足を使ってプレーしなければならず、

それによりプレーを更に複雑にしています。


今まで、いろんな選手を見てきましたが、

多くの選手達が、、、自分に対し、、


“パコ!、どうして

スピードのトレーニングをやらないんだ?” 

と聞いてきます。


そして、彼ら(選手達)に対し、、、
“それは(スピードのトレーニング)、

は毎日やってるだろ?” と、、、


サッカーとは、スピードと、加速が

備わったスポーツなのです。


それ以上、必要以上に走るのではなく、

ボールと相手(敵)を考慮しつつ、

それらに順応していかなくてはならないのです。


適切なスピードで、ボールタッチし、

自分の望む所へ移動する、、、

C:パワーについてですが、

私の考えでは別ものだと思ってます。
私の考えでは、サッカーにおけるパワーとは、

“ずる賢さ”だと思っています。

P:もちろんです。
選手自身のエネルギーを、

最も最適で、都合良く使う事です。


そうでなければ、パワーは

何の効果も発揮しません、、、


あるパワーのあった選手が

居たとします。

もし、毎回相手選手とぶつかったり

ばかりしていたら、

いくらパワーがあっても、

ボールを取られるか、

ファールをしてしまい、

うまくはいきません、、、

 

C:多くの人達が考える間違った事として、

背の高い選手がいわゆるヘディングに

強くかつ最高だ、、と思ってる事です。


ヘディングと言うのは、背の高さが

全てではなく、ジャンプの方法を学ぶ事、

そしてどうヘディングするかという事を学ぶ事です、、、

P:実際に、サッカー界史上、

ヘディングの得意だった選手というは

決して背の高い選手ではなかったと言う事です。


背の高さは普通ですが、

ジャンプのタイミングや、

浮いているボールの軌道を

的確に捉える能力がありかつ、

なにはともあれ、ずる賢かったのです。



C:体作りにおいて、今まで、

多くの言い伝えが我々の

スポーツで(サッカーの事)は

言われてきました。

 

まず、“アップ”について、

そして“プレシーズン”

そして“筋力トレーニング

(重りを用いての)”、、、



P:それらの事については、

私は3つの重要な事があると思ってます。


まず最も重要なのは、

プレシーズンであります。


私は僅か1ヶ月の、プレシーズンで、

長丁場のリーグ戦を乗り切れるとは

思っていません。


その1ヶ月で、選手達がシーズンを

乗り切れる、体作り(調整・体力トレーニング)

なんて不可能です。


以前我々フィジコは、選手達に対し、

このプレシーズンは大切なんだ、、、と

鞭を打ってしていたものです、、、

 

1日2部練習、3部練習を、2週間で

するなんて、選手達にとっていい訳がありません。

 


それらの結果、選手達には疲労が生じ、

シーズン開始後の5試合でそれらの

代償を受ける訳です。

 


私の考えでは、プレシーズンは、

リーガの最初の試合の為だけの

準備だと思ってます。

 


それから、2試合目の準備、

そして3試合目の準備へと、、、


なので、プレシーズンの2週間、

2部練習、3部練習を、

ボールに触る事なく行うのなんて、

選手達を傷つけるだけで、

効果的とは言えません。



C:以前、私が南米のチームを

率いていた時、彼らは1日に

4部練習をしていました、、、


それなんて、まさに選手達を

殺してるようなものです。

 


アップについてはどうお考えですか?


試合前の、25分間のアップは

選手達は緊張しています。


あのクライフがアップしていたのを

思い出します、、、


軽くボールタッチと、軽いランニング

だけのアップでした、、、

マラドーナもそうです、、、

 


事実なのは、アップと言うのは、

試合前の選手達の緊張を

取り除く事でもあります。


走ったり、ボールに触ったりして、

緊張を解きほぐす、、、それが全てです。

P:アップについては、今まで

多くの議論をしてきました。


そして、多くの方法も実際に

試してきました。
我々(バルサでの)のアップとは、

一緒に戦う仲間や、その会場の雰囲気

との調和だと思っています。

 

我々のアップの最大の

目的はそれであります。


今まで何千回とアップなしで

試合に入る選手を見てきましたが、

ケガをする選手はアップしてないからではないのです、、、

C:それはバスケットの場面で

良く見かけますね、、、


ベンチに座っていた選手達が、

交代でいきなりアップなしで

コートに入ってプレーしてます。

P:テニス選手に関しては、

試合前のアップにて、

コートの周りを走ってる

選手なんて見た事がありません、、、

 

試合の相手と何本かラリーをし、

サーブをし、試合に入ってます。

C:別の無知の言い伝えとして、

たくさん走る選手が、

良いプレーをする、、、と

考えられている事ですね、、

P:我々のスポーツ(サッカー)

においては、軽いランニングと

体をほぐす動き、数本のパス、

そして数本のダッシュだけで、

すでにアップされているのです。


そして選手達は、各々好きな

動きが出来るのです。


我々が行っているFutbol(サッカー)

において、必要以上の大袈裟な

アップは必要ないのです、、、


例えば陸上の400m走の

選手であれば、競技の性質上(約1分)の為、

アップの内容も随分と変わってくるのは

当然の事ですが、

 

事サッカーにおいては、そういった類の

アップはまったく無駄なのです。

C:以前、某ドクターが言ってましたが、

疲れを感じてる、、、と言うのは、

疲れている状態ではない、、、と、、、

 


疲れというのは、ある面

心理的な面が大きいものです。


精神的な元気さが、身体的な疲れに

多いに影響しているものです。


例えばですが今まで、4-0で勝ってる

チームが、疲れを感じてる場面を

見た事がありません、、、

P:そう言った場面は、

陸上で良く見かけるものです、、、

1位でゴールした選手が、パワーを

使い果たしたのにもかかわらず、

観客に喜んで挨拶したり、

走り回っていますよね、、、

 

一方それ以下の選手達は、

ゴール後倒れたり、

しゃがんだりしているものです、、、


それこそ、まさに精神的・心理的作用が、

疲れに影響してると言っていいと思います。

C:プレッシャーについてですが、、、
試合に勝たなければならないという

プレッシャーは、身体的にも

影響を及ぼしますよね、、、

P:はい。たしかに身体にも影響してきます。
とりわけ疲労回復に関してはなおさらです。


ストレスは、また別のストレスを生じます。
選手という者は、うまくいってない時

というのは、疲労回復も良くない事が

多いものです。

 

我々バルサの練習では、

常に違ったトレーニングをしています。


同じ目的、強度の類の練習は

2度する事はありません。


同じ練習に慣れると言うのは、

いいとは思いますが、最終的には

いろんな物を失ってしまいます。

 


選手というものは、新しい練習方法に

慣れようとする為に、体に潜んでいる

新たなエネルギーを発揮しようとするものです。
チームにとって、それは必要なものなのです。

C:さらに創造性を持って

練習をしなくてはなりません


練習の為に準備した事や

用意した事を全て、その日に

する事は必要もありません。


その日、その日の練習に

起こった出来事や、調子により

臨機応変に変えなくてはなりません。

P:私の場合では、一応メニューを

作成して行わせますが、

数回やって観察後、これ以上やっても

無駄だと感じれば、その場で止めます。

 


選手達は、同じメニューを何回も

繰り返してると、飽きるものです。


今までバルサの監督で、

良い結果を残してた監督は、

これらの事を良く解ってた人物達です。

C:私は監督として例えば

ディフェンスの練習をする時には、

時間の事は考えません、、、


それらはその練習の結果で

判断すればいいものです。

P:多くの監督達は、それらの事

(練習時間、回数)で不安になるものです。


もし、練習内容であの2セット

残ってたとします。

それをやりとげなれば、、、

といった類の不安が頭をよぎります。


でも、そこで終えても、

まったく問題ないのです。


多くの選手達は、多くの場合、

その練習においてどの場面が

大切で集中して行なわなければ

ならないのか、はっきりと知りたいものなのです。


それらがわかった時でいいのです。
なので、私はいつも、

やめるタイミングを計っているものです。


練習という仕事をしにきた、、、

という事にはしたくはないのです。


そうする事によって、選手達の

モチベーションもあがるものです。


しかし、サッカーにおいて

最大のモチベーションはゴール以外

何ものでもありませんが、、、。

C:器具を使った筋肉トレーニング

についてお伺いします


これらについてはいろいろと

言われておりますが、、、多くの人達が、

筋肉トレーニングをして沢山筋肉が

ついている方が、良いプレーが出来、

またケガが少ない、、、と思っています、、、


でも、そうではないですよね、、、

P:間違った認識があります。
ケガというのは、体作り

(調整・体力トレーニング)と

密接な関係があります。


サッカーにおいては

2つの事が言えます、

アクシデントとケガ。


今まで我々が持った多くの、

アクシデントは、防ぎようがなかった物です。

 

でも我々が持ったいくつかのケガは、

そうではありません。


器具を使った一般的な

筋力トレーニングというのは、

動作やプレー時の負荷等、

サッカーでの動作とは

かけはなれています。

 

少なくとも芝生の上(サッカー選手の事)

でプレーする選手には

やらせるべきではないでしょう、、、

 


またそれらをする事により、

筋疲労を増大させるものです、、、


サッカー選手における、

筋力トレーニングというのは、

サッカーというスポーツにおける

動作を最高に行われるように

トレーニングべきです。

 

一般的な器具を使った

筋力トレーニングではないのです。

また、16歳~19歳までの

間と言うのは、地域でやってた

サッカーから、大人のサッカー選手

へと変わるために、

 

筋力トレーニング(サッカー選手の為の)

をしなくてはなりません


可能な限り、ボールを使った

トレーニングをすべきです。


なぜかと言えば、サッカーは常に

ボールと相手を考慮したスポーツだからです。


もし、器具を使って、

ジャンプのトレーニングをしたとしても、

ボールがなければ、それらの

トレーニングの価値は下がります。


ボールを意識しつつ、、、、、

どこで飛べばいいのか、、、

どうやって着地するのか、、、


それらのトレーニングに常に

ボールを入れる事で、

全てが変わってきます。

 


なので、必ずそれらのトレーニング

にはボールを使わなくてはならないのです。

 


ジャンプするのが目的ではなくて、

ジャンプ後にちゃんとパスしたり、

コントロール出来るようになるのが

目的なのです、

 

サッカーにおいての体力作りには、

いつもボールを使うべきなのです。


体力作り(調整・体力トレーニング)の

コンセプトを間違えてはいけません。


両足の筋力をつける事ではなく、

グランドで両足を使ったプレーを

出来る様になる為に、

調整する事なのです、、、

 


筋力トレーニングばかりやり、

そういったサッカーのプレーの

調節をしていないと、

ケガが発生してしまうのです、、、

 

なぜかというと、筋力はあるけど、

そういったサッカーの動作の準備が

出来ていないからなのです、、、

C:今日、サッカー選手は

シーズンを通しかなりの数の

試合をこなし、かなりの量の

プレッシャーを受けている事を

付け加えなくてはなりません。

 


さらにビッククラブにいる選手達は、

常に勝利が要求されています。

P:さらに所属クラブとは別に代表へ

行かなければならない選手もいます、、、


ビッククラブともなると、ほとんどの選手が

同じ練習をする事なんてありえません、、、


所属クラブでの練習、

そして代表での練習と、

違うコンセプトでの練習を

しなければならず、

 

選手達にとってはかなりの

負荷になっているのは事実です。

C:私は監督として、シーズン途中から

新しいチームを率いる時、必ず、

どういった体作り(調整・体力トレーニング)

をしていたか、フィジコに聞いていたものです。

P:選手達のコンディション不良の

原因の多くは、我々フィジコにあったものです、、、


我々フィジコ達が、間違った言い伝えの元、

各々が独自のトレーニング(調整)を

選手達に課しており、それにより選手達が

その報いをうけていたものです、、、

C:終わりに、私の考えは、

サッカーというスポーツを考えた上

での筋力トレーニング、そして、

なによりも実際のプレーの事を

考慮したトレーニングが重要だと思われます。

 

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以上です!

ではでは!